

ウォー・マシーン: 未知なる侵略者 | War Machine (2026)
3.6/5.0 「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」や「ヒットマンズ・ボディガード」等のアクション映画を手掛けてきたパトリック・ヒューズが原案・脚本・製作・監督を務めたSFミリタリーアクション映画。 主演は「ハンガー・ゲーム2」や「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」に出演してきたアラン・リッチソン。 米陸軍のレンジャー選抜試験に挑戦中の部隊が、その最終過程の野外演習中に、巨大な多脚型戦闘マシンと遭遇する。 部隊はマシンから想定外かつ猛烈な攻撃を受け、野外演習は一瞬にして地獄の戦場と化す。 異星文明と人間達による軍隊の戦闘の映画は数多く製作されてきたが、今作もしっかりとその系譜の作品でありつつ、主人公をはじめとする登場人物の (心理的な背景と行動原理を含む) 紹介や、脅威が登場するまでの脚本展開がシンプルで、とてもテンポが良い。 また、マシンによる攻撃の無慈悲さと、なすすべもなく撤退戦を強いられる部隊の見せ方には圧倒される。 地球規模の危機的状況が発生しているであろうことが想像できつつ、本篇で描く世界をあくまでも1機のマシンと1つの部
1 day ago


アンティル・ドーン | Until Dawn (2025)
2.9/5.0 「ライト/オフ」や「アナベル 死霊人形の誕生」等のホラージャンルの映画で知られるデヴィッド・F・サンドバーグが手掛けた、ゲームを原作に製作したスラッシャーホラー。 1年前に失踪した女性の妹が、自身の元カレや友人達を連れて姉を探す旅に出る。 豪雨の悪路を抜けて辿り着いた山奥の観光案内所で、不気味な現象が発生する。 閉ざされた舞台で若者達が危険な目に遭うというプロット自体はスラッシャーホラーの典型でありながら、今作はタイムループの構造がそこに組み合わされているところが少し独特で、主人公達は空間と時間の両方で隔絶された同じ夜を何度も過ごすことになる。 よって同一人物が繰り返し様々な目にあうのだけれど、いくつか斬新だなと感じる演出はあるものの、使い古されたジャンプスケアの多用や全篇を通して緩急があまり感じられない展開がやや退屈。 また、主人公達を襲う奇怪な存在達が複数登場するものの、その背景に脈絡のなさを感じ、古典的なモチーフを悪い意味でマッシュアップしているだけのように感じてしまった。 主人公が最後に対峙する存在との決着のつけ方には少し
Mar 7


ウェポンズ | Weapons (2025)
4.0/5.0 長編監督デビュー作の「バーバリアン (2022)」で一躍脚光を浴びたザック・クレッガーが脚本・製作・監督するホラー映画。 出演はジョシュ・ブローリン、ジュリア・ガーナー、ベネディクト・ウォン、オールデン・エアエンライクと豪華。 小学校のあるクラスの児童17人が、深夜2時17分に家を飛び出し、行方不明になるという事件が発生する。 そのクラスの担任だった教師、学校長、行方不明児の保護者といった様々な人物の視点と行動から、不可解な事件の真相が明らかになっていく。 何よりも、予告篇でも象徴的に使われていた「子どもたちが深夜に両手を広げて疾走する」画の不気味さが印象的。 伝統的な (ジャンプスケアも含む) 演出と、今まであまり観たことがない意外性たっぷりな恐怖演出の組み合わせが見事で、効果的なカメラワークやコントラスト設計および音効演出もあり、物語にぐっと惹き込まれる。 また、映画の視点が様々な登場人物に切り替わりつつタイムラインを何度か戻って同じシーンを違う角度から描くことで、全体の物語はもちろんのこと、それぞれの人物のバックグラウンドや
Feb 15


V/H/S ビヨンド | V/H/S/Beyond (2025)
3.5/5.0 怪奇現象や超常現象が記録されたビデオテープ (ファウンド・フッテージ) というテイのホラーアンソロジーシリーズの1篇で、予算は抑えめながらかなり過激なグロテスク描写やショッキングな展開が特徴。 今作はSFホラー (異生物との遭遇) を共通テーマに、それぞれの短篇が製作されている。 「ABDUCTION / ADDUCTION」監督: ジェイ・チール 2.7/5.0 ドキュメンタリーの製作班が事故物件に入り、記録撮影を行う。 アンソロジーの縦軸として幕間に入るが、それっぽい雰囲気以上でも以下でもなく、特には印象に残らない。 「STORK」監督: ジョーダン・ダウニー 3.5/5.0 幼児誘拐事件の真相究明・解決のために武装して廃屋へ乗り込む警官達のボディカメラ映像。 めちゃくちゃ過激でド派手なガンバトルと、VFXに頼り過ぎない手作り感溢れる怪物の造形が見どころ。 「DREAM GIRL」監督: ヴィラット・パル 3.4/5.0 インドの映画製作現場に突入したメイキングビデオの撮影スタッフによる記録映像。 人気女優に迫ろうとするスタッ
Feb 15


プレデター: バッドランド | Predator: Badlands (2025)
3.9/5.0 残虐描写が過激なSFアクション「プレデター」シリーズに属する作品で、同シリーズ復活の立役者ともいえるダン・トラクテンバーグが監督を務めており、有名俳優姉妹の妹、エル・ファニングが出演している。 誇り高い戦闘一族の若者の主人公が、掟を破ったことをきっかけに、最悪の地 (バッドランド) といわれる惑星へ送られる。 主人公はその惑星の頂点捕食生物を狩ることで真の戦士として一族に認められるために、試練に挑む。 これまでのシリーズで人間たちが対峙してきた異星人を主人公に設定するという、視点を逆転する着想が面白い。 相棒として登場するアンドロイド (シンセティック) が、機能はしているものの下半身を失っているという設定も斬新で、それが物語の展開や奇抜なアクションにしっかり活かされているところも上手い。 何より、陽気でチャーミングなアンドロイドと、冷酷で合理的な同型のアンドロイドの二役を演じるエル・ファニングの魅力が素晴らしい。 過去にクロスオーバーした「エイリアン」シリーズのファンにはたまらないであろう演出も後半にかけてたくさんあり、監督の作
Jan 12


デスプルーフ in グラインドハウス | Quentin Tarantino's Death Proof (2007)
3.9/5.0 攻めた作風でありながら巨匠の地位にまで登りつめたといってもいいであろうクエンティン・タランティーノが脚本・撮影・監督を担ったバイオレンスアクション映画。 アクション俳優としての地位を確立しつつも様々なジャンルの映画に出演する演技派俳優のカート・ラッセルが印象的な悪役を演じており、スタントウーマンのゾーイ・ベルは本人役として出演。ロザリオ・ドーソンやメアリー・エリザベス・ウィンステッドもゾーイの友人役で出演していて、さすがタランティーノ映画という豪華さ。 「耐死仕様 (デス・プルーフ)」に整備した自動車を持つスタントマン・マイクが、若い美女達を襲う。 しかし美女達もただ無力に逃げ回るばかりではなく、反撃に転じ復讐を果たそうとする。 物語をまとめるとたったそれだけ? と思ってしまうほどシンプルだけれど、タランティーノ映画とあって、やはり会話劇をはじめとする様々な演出が面白く、退屈する瞬間がない。 この映画で描かれている時代は現代 (映画が製作された2007年) でありながら、70年代に米国のドライブイン等でよくかかっていた当時の低予算
Dec 21, 2025


タイムマシン | Time Machine (2019)
3.2/5.0 映像作家の袴田くるみによる、SFアニメーション短篇。 過去の出来事と自身の振る舞いを悔いて生きる男と、彼が大切に思っていた者たちを巡る物語。 性暴力を受けた主人公の友人がとった悲劇的な行動を止めるために、タイムマシンを開発して時を遡りたいと願う男。 苦く忘れがたい過去の記憶と、友人が受けた屈辱が描かれる。 監督の作劇の軸として、人間の加虐 / 被虐の残酷さとの向き合いがあるのだろうと感じられる。 物語自体には大きなツイストは見つけられないものの、今作の画づくりには独特なアートディレクションのセンスで惹きつける力を感じる。 スタッフロール後の幻想的なラストシーンも美しい。 ただ、近未来SFな世界観からは物語との実質的な関連や必然性を見つけられず、その描かれ方もやや凡庸で、ちぐはぐな印象を覚えた。 https://filmarks.com/movies/86342/reviews/208222344
Nov 30, 2025


回路 | Pulse (2000)
4.3/5.0 「CURE」「クリーピー 偽りの隣人」等、ホラーやサスペンスジャンルで話題作を製作し続ける黒沢清が脚本・監督を手掛けたホラー映画で、カンヌ国際映画祭に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞、米国ではリメイクもされている作品。 主演の麻生久美子をはじめ、加藤晴彦、小雪、有坂来瞳といった (製作当時の) 若手俳優達が出演している。 観葉植物を販売する会社で働く主人公の同僚が不可解な自殺を遂げてから、その周辺では人々が黒い影を残して消え去るという怪現象が発生するようになる。 一方、加藤晴彦が演じる大学生は「幽霊に会いたいですか」と表示されるウェブサイトに遭遇し、PCの操作に詳しい友人を頼りながらその調査を進めるが、次第にその友人も異常な行動を取るようになっていく。 世界ではどんな異変が起きているのか、なぜそれが起き始めたのか、「幽霊」とは何なのか… 黒沢清監督の恐怖演出は、安直なジャンプスケア等に頼らず、俳優の身体演技、そして画の構図と明暗および音という、極めてオーセンティックな要素で構成されていて、他の映画監督とは一線を画するものを感じ
Nov 16, 2025


ミーガン 2.0 | M3GAN 2.0 (2025)
3.1/5.0 AIを搭載したハイテク人形のミーガンの暴走描写が話題になった1作目の高評価を受けて製作されたSF映画の続篇で、1作目で監督を担ったジェラルド・ジョンストンが監督・脚本を続投している。 製作会社も前作に引き続き、予算は抑えながらもクリエイターに創造の自由 (裁量) を大きく与えるスタイルで話題作を次々と送り出しているブラムハウス・プロダクション。 前作にて暴走の末に破壊されたAI人形ミーガンのアルゴリズムを秘密裏に転用して開発された軍用アンドロイドが、そのシミュレーション中に暴走し人々を殺害する。 ミーガンの開発者だった主人公とその姪も否応なくそのアンドロイドが引き起こす混乱に巻き込まれていくが、ミーガンがネットワーク上で生存していたことが分かる、という導入。 人型の殺人マシンが人間を襲うというプロットの傑作映画といえば「ターミネーター (1984)」および「ターミネーター2 (1991)」だが、今作は明らかに (確信犯的に) その設定を参照していることが分かる。 1作目では主人公を殺そうと襲ってきたキャラクターが2作目では頼もしい
Oct 25, 2025


罪人たち | Sinners (2025)
4.2/5.0 「クリード チャンプを継ぐ男」や「ブラックパンサー」シリーズの脚本・監督を手掛けたライアン・クーグラーによるホラー映画で、同監督作の多数で主演もしくは重要な役柄で出演してきたマイケル・B・ジョーダンが今作でも1人2役で主演している。 1930年代のアメリカを舞台に、単なるホラーとしてではなく、人種差別や黒人文化についてのテーマが組み込まれた物語になっていて、さすがはライアン・クーグラーと感じる。 マイケル・B・ジョーダンが演じる双子の兄弟はギャングとして生きてきたが、故郷のミシシッピに戻り、黒人たちが自由に集えるダンスホールを立ち上げる。 当時の米国は禁酒法と白人至上主義によって黒人の娯楽が著しく制限されており、黒人達は宗教と音楽、特にブルースとゴスペルによって自己を支えてきたという実際の歴史的背景が重い。 黒人のために作られたそのダンスホールに白人の音楽家の一団が現れるが… というところから、映画のジャンルが複雑に転回していく。 表層的にこの作品を見れば吸血鬼が登場するホラー映画ということになるが、今作の設定やモチーフはあくまで
Oct 25, 2025


ファイナル・デッドブラッド | Final Destination: Bloodlines (2025)
3.8/5.0 惨劇を予見して回避した主人公やその周辺人物達がその後も見えない死神に命を付け狙われるという「ファイナル・デスティネーション」シリーズの6作目で、今作が初メジャー作品の監督となるアダム・スタインとザック・リポフスキーが手掛けたホラー映画。 基本的な物語の導入は前述の通りで、氏の描かれ方もこれまでのシリーズの「ピタゴラスイッチ」的な仕掛けを踏襲していて怖いが、今作が過去作と明らかに違っていて面白いと感じたのは、ただこれまでの基本設定だけを踏襲したマンネリな続篇としてではなく、過去作で起きた全ての惨劇に理由と起源があり、それらが俯瞰的につながる巧妙な脚本になっていたところ。 もちろんそれは後付けの設定ではあるが、ただ人間が死神に追われて大変な目に遭うというパニック映画を越えた物語の語られ方になっていたところには感心した。 とはいえ、恐怖と笑いは紙一重であるとはよく言われるが、今作でも思わず笑ってしまいそうになるほどの趣向を凝らした仕掛けの連鎖とグロテスクさで死が描かれるので、痛い描写が苦手な人には鑑賞をおすすめできない。...
Oct 25, 2025


マキシーン | MaXXXine (2024)
3.4/5.0 ホラー作品を多く手掛けてきたタイ・ウェストが脚本・監督を担う「X3部作」の完結篇で、1作目の「X (2022)」と2作目の「Pearl (2022)」に続き、新世代の俳優達の中でも個性がひときわ輝くミア・ゴスが主演するホラー映画。 シリーズ3作目となる今作の主人公は、「X (2022)」の主人公でもあったマキシーン。 ポルノビデオへの出演で人気を得ながらもハリウッドで真のスター俳優になることを夢見る主人公が、新作ホラー映画のオーディションに挑み、見事主演の座を勝ち取る。 一方で、ハリウッドでは連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」による凶悪な事件が続発しており、主人公の周辺でも俳優達が次々と殺害されていく。 やがて主人公の前に、彼女が経験した惨劇を知る者が現れる。 ここ10年ほどずっと繰り返されているような印象もある、映画やドラマにおける80年代カルチャーの再現は、特に目新しい部分はない。 が、タイ・ウェストによる演出は丁寧かつ安定的で、物語の世界観構築が上手だなと感じる。 なんといっても主人公役を担っているミア・ゴスの強烈な存在感やカ
Oct 25, 2025


ジェン・ブイ シーズン2 | Gen V Season 2 (2025)
4.1/5.0 エリック・クリプキが企画・製作総指揮を担うSFドラマ「ザ・ボーイズ」のスピンオフシリーズのシーズン2。 「ザ・ボーイズ」の世界設定や登場人物を共有しながら、こちらのドラマではスーパーヒーローを養成するための学校を舞台に物語が展開される。 「ザ・ボーイズ」のコミック原作やドラマシリーズの世界は、マーベルやDCの映画シリーズのように超人達が存在しながらも、それらの大半の本質がヒーローではなくヴィランであるという大きな特徴がある。 堕落と腐敗、あるいは狂気に塗れた世界の描写は凄まじくも、ただ悪趣味にふざけるだけではなくその描写自体が米国の現状の強烈な風刺になっているところがとても面白いのだけれど、今作は主な舞台を学校に限定しながら脚本が構成されていることもあり、ややスケール感がこじんまりしている。 ただ、主人公とその仲間や周辺人物達それぞれに丁寧な背景設定や苦悩が用意されていて、若者達の成長ストーリーとしてきちんと成立しているところに脚本の巧みさを感じる。 また、それぞれ個性的な超人的能力 (超能力) が発揮されるシーンはダイナミックで
Oct 25, 2025


マーベル・ゾンビーズ | Marvel Zombies (2025)
2.8/5.0 マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するアニメーションで、「ホワット・イフ…?」シリーズの監督・製作総指揮を担ったブライアン・アンドリュースが今作でも監督を担っている。 脚本は「デッドプール&ウルヴァリン」の脚本も手掛けたゼブ・ウェルズ。...
Oct 11, 2025


エイリアン: アース | Alien: Earth (2025)
3.6/5.0 「SHOGUN 将軍」の製作で一躍注目を集めたFXが製作した「エイリアン」シリーズ初のドラマで、タイトルの通り地球を舞台に「エイリアン」の物語が展開するSFホラー。 「ファーゴ」や「レギオン」の原案と脚本で高い評価を得たノア・ホーリーがショウランナーを担い、...
Oct 11, 2025























