

ひつじ探偵団 | The Sheep Detectives (2026)
4.0/5.0 レオニー・スヴァンによる小説を原作とするミステリー映画で、可愛いコメディ仕立てながら本格的な推理が展開する斬新な作品。 実話をベースにした超重量級な物語が展開する「チェルノブイリ」の企画・脚本・制作総指揮を担ったクレイグ・メイジンが脚本を手掛けている。 舞台は英国の田舎に位置するのどかな村。ヒュー・ジャックマンが演じる羊飼いのジョージが、ある朝死体で発見される。 殺人事件のような物騒な事件と無縁だった村人達は、その死因を早々に決めつけて片付けようとするが、ジョージが大切に飼っていた羊達はそうではなかった。 毎晩ジョージから探偵小説を読み聞かせてもらっていた羊達はその内容をきちんと理解していて、ミステリーもののルールを (羊なりに) 知っていたのだ。 ジョージの死の真実を突き止めるため、羊達は独自の捜査を始める。 様々な個性をもつ羊達の可愛らしさと、探偵ものとしてのシリアスな展開のギャップがとても新鮮で面白く、ついニコニコしてしまう。 ミステリーものの定石通りに手がかりを探り、ドタバタが起きつつも少しずつ真相に迫っていく羊達の純粋な
5 days ago


カッコウ | Cuckoo (2024)
3.9/5.0 アルプス山奥のリゾート地を舞台とするドイツ・アメリカ合作の映画で、ハンター・シェイファー主演。 脚本・監督はドイツ出身のティルマン・シンガー。 あるきっかけで米国からドイツへ引っ越すことになった主人公とその家族が、一癖ある現地の人物達と親交していく中で、怪異と遭遇する。 アルバイトをすることになったリゾートホテルで宿泊者が異常な行動をとったり、主人公の妹が超音波のような高音を発したり… 外界と隔絶された世界に何が潜み、何が起きているのかを、主人公は目にしていくことになる。 ネタバレを避けるため詳しい内容を書くことは控えるが、スリラーやホラーといったひとつのジャンルに当てはめにくく、SF的な解釈も含め鑑賞者に想像の余地が大きく託される脚本で、その読後感がとてもユニーク。 ハンター・シェイファーの存在感や演技力の高さはもちろん、ティルマン・シンガーの独特な演出センスも全篇に渡り光っている。 白黒明快でいわゆるお手本的な物語の展開とは全然違う形の脚本で、鑑賞していてやや混乱する部分もあるけれど、その混乱の後味も含めての映画体験が設計され
5 days ago


私がビーバーになる時 | Hoppers (2026)
3.7/5.0 ピクサー製作のアニメーションで、自然と文明社会の共存をテーマに、動物達の視点と人間達の視点の両方で描かれるアドベンチャー映画。 同社にてストーリーボードアーティストを務めてきたダニエル・チョンが脚本・監督を担っている。 オレゴン州のビーバートンに住む主人公のメイベルは、祖母との大切な思い出がある湿地が市の道路建設計画で埋め立てられようとしていることを知り、それを推進する市長のジェリーと衝突する。 計画を止めるためにはビーバー達を呼び戻すことが鍵だと考えた主人公は、湿地からいなくなってしまった彼らを探し始める。 ドタバタながら無駄がないピクサーらしいコメディ演出が健在で、物語の運びに安定感がある。 主人公があるきっかけでビーバー (型のロボット) に自身の意識を転送し、動物達と会話ができるようになって知る、人間界とは違う動物界の掟が新鮮かつ残酷で驚きがある。 物語の展開としては混乱なく整理されていながら、動物と人間あるいは善と悪といった単純な二項対立ではなく、それぞれの側のキャラクターに複層的な行動原理や葛藤が設定されているところに
5 days ago


ゼイ・ウィル・キル・ユー | They Will Kill You (2026)
3.8/5.0 「IT」二部作や「ザ・フラッシュ」の監督を担ったアンディ・ムスキエティが製作し、ロシア出身のキリル・ソコロフが監督を務めた密閉空間からの脱出型ホラーアクション。 「デッドプール2」や「ジョーカー」に出演し鮮烈な印象を残したザジー・ビーツが、高度なアクションを主演で担っている。 主人公のメイドは、マンハッタンの超高級マンションに住み込みで働かせてもらうことになる。しかしそのマンションの実態は、ほぼ全ての住人が悪魔崇拝者で、悪魔に捧げる生贄を求めているという恐るべきものだった… という導入。 住人達は、悪魔との契約で不老不死の存在となっており、主人公が何度とどめを刺しても復活する。 そうではない生身の主人公はどんどん追い詰められながらも、マンションに潜入した本当の目的である妹の救出を果たしたうえでの脱出を試みる。 この映画のみどころは、やはりそのアクション演出の面白さだと言い切ってしまって差し支えないだろう。 血みどろでグロテスクな表現は多いものの、キレとケレン味に溢れるアングル・カッティング・ライティング・サウンドディレクション等の
5 days ago


パニック・フライト | Red Eye (2005)
3.5/5.0 ホラー映画シリーズの金字塔ともいえる「エルム街の悪夢」の創造者でもあり、「スクリーム」シリーズを手掛けたことでも有名なウェス・クレイヴンが監督を手掛けたスリラー映画。 「HELP / 復讐島」や「アバウト・タイム」のレイチェル・マクアダムスが主演し、「オッペンハイマー」で主演を務めたキリアン・マーフィが共演している。 高級ホテルのフロントマネージャーを仕事とする主人公の女性は、その滞在地から自宅へ戻るために向かった空港で、ある男性と出会い親近感を持つ。 飛行機に搭乗すると、偶然にも臨席がその男性だった… という、まるでラブコメディのような導入。 しかし、ホラーの巨匠ウェス・クレイヴンの作品なので、物語がそのままのトーンで続くはずはなく、そこからショッキングな展開が続く。 様々な表情や役柄を演じ分けられるキリアン・マーフィの演技力の高さがよく分かる。 誰もが認めるであろうレイチェル・マクアダムスの美しさはさておき、その様々な表情の変化が面白い。ただか弱い女性を可哀想に演じるのではなく、飛行機内という限定空間で葛藤・勇気・使命感といっ
5 days ago























