

プレデター: バッドランド | Predator: Badlands (2025)
3.9/5.0 残虐描写が過激なSFアクション「プレデター」シリーズに属する作品で、同シリーズ復活の立役者ともいえるダン・トラクテンバーグが監督を務めており、有名俳優姉妹の妹、エル・ファニングが出演している。 誇り高い戦闘一族の若者の主人公が、掟を破ったことをきっかけに、最悪の地 (バッドランド) といわれる惑星へ送られる。 主人公はその惑星の頂点捕食生物を狩ることで真の戦士として一族に認められるために、試練に挑む。 これまでのシリーズで人間たちが対峙してきた異星人を主人公に設定するという、視点を逆転する着想が面白い。 相棒として登場するアンドロイド (シンセティック) が、機能はしているものの下半身を失っているという設定も斬新で、それが物語の展開や奇抜なアクションにしっかり活かされているところも上手い。 何より、陽気でチャーミングなアンドロイドと、冷酷で合理的な同型のアンドロイドの二役を演じるエル・ファニングの魅力が素晴らしい。 過去にクロスオーバーした「エイリアン」シリーズのファンにはたまらないであろう演出も後半にかけてたくさんあり、監督の作
Jan 12


ザ・メッセージ | I Still See You (2018)
3.5/5.0 モデル・歌手・俳優として様々活躍するベラ・ソーンが主演するSFサスペンス。 ダニエル・ウォーターズによる10代向けのYA (Young Adult) 小説「Break My Heart 1000 Times」を原作としているらしい。 ある研究をしていた施設が大爆発を起こし、数百万人が志望するという大惨事から10年後。 その後の世界では、犠牲者達の残像 (Remmnants = 残存者) が誰にでも見える形で出現し始める。 主人公は面識のない残存者が残した「逃げろ (RUN)」というメッセージに恐怖するが、その意味と真相を追求していく。 幽霊のような存在と生者が共存するようになった社会という設定が、SFとしてすごく面白い。 主要登場人物を絞って、小さな街を舞台に展開するサスペンスとしての面白さはある。 真相が見えてきたと思いきや何度かツイストする脚本の展開も、設定が活かされていて捻りがきいている。 現題の「I still see you」の意味が初めて分かるシーンではなるほどそういうことかと感じ、ラストシーンでそこに別の意味が生まれ
Dec 31, 2025


ヴァスト・オブ・ナイト | The Vast of Night (2019)
3.5/5.0 映写技師として働いていたアンドリュー・パターソンが、自身で資金調達のうえ初監督作品として製作した長篇映画。 スラムダンス映画祭にて最優秀ナラティブ長編観客賞を受賞し注目されたSFミステリー。 1950年代、米国の小さな田舎町で発生する怪事件。 若きラジオDJの男と電話交換手の少女の視点から、隠されていた真相が明らかになる夜が描かれる。 SFジャンルではありながら (低予算のため) 派手なVFXによる見せ場はほとんどなく、もっぱら会話劇と「音」の演出に重心が置かれている。 また、俳優達の演技レベルがとても高いことと、会話シーンを中心に何度か使われている固定アングルの長回しが効果的で、物語の世界へ没入できる。 まるで「音」だけで物語を想像して楽しむラジオドラマを聴いているような、新鮮な感覚。 ただ、結末にはある程度のカタルシスはあるものの、全ての謎が解き明かされる脚本ではなく、良くも悪くも鑑賞者に解釈の余地を大きく残す形になっているため、物語の細部まで明快に理解したい派と想像の余韻を味わいたい派で好みが分かれそう。...
Dec 25, 2025


大洪水 | The Great Flood (2025)
3.7/5.0 韓国製作のNETFLIX映画で、「The Witch 魔女」や「梨泰院クラス」にて一躍注目を浴びたキム・ダミが主演している。 あえてジャンルを定義すればディザスターということになると思うけれど、様々なジャンルがミックスされているところが作品の個性になっている。 南極に小惑星が衝突した影響で海面が急激に上昇し、地球規模の超巨大津波が発生する。 AI研究者でシングルマザーの主人公は、ひとり息子を連れて自宅マンションの屋上を目指すが… という導入。 災害パニックものとしてのスリルの上手な描き方や演出の安定感はさすが韓国映画といった印象で、本物らしく描写することが難しいとされている水のVFXの品質も非常に高く、絶望的な状況に没入してしまう。 何よりも、キム・ダミの表情や身体演技のレベルの高さに惹きつけられ、思わず主人公に感情移入してしまう。 全ての韓国映画にあてはまることではないと思うけれど、家族の間に生まれる「情」の演出にかけては、やはり韓国の凄みを感じる。 脚本の核心部分について書こうとするとどうしてもネタバレになりそうで難しいが、単
Dec 21, 2025


トロン: アレス | Tron: Ares (2025)
3.8/5.0 世界で初めてCGを表現に取り入れた (公開当時は) 革新的な映像で、今でもカルト的な人気を誇るSF映画「トロン (1982)」シリーズの第3作で、「デアデビル: ビーン・アゲイン」や「エラゴン 遺志を継ぐ者」等に関わったジェシー・ウィグトウが脚本を、「マレフィセント2」等を手掛けたヨアヒム・ローニングが監督を担っている。 サイバー空間上で活動する人工知能プログラムを現実世界に実体化する技術が発明された未来。 ディリンジャー社は無限のリソースから何度でも複製できる実体のAI兵士を世間に発表し軍需産業で覇権を握ろうとするが、その技術は未完成で、現実世界では29分で実体が活動限界を迎え崩壊してしまうという不都合な事実が隠されていた。 一方、ディリンジャー社の競合であるエンコム社を率いる研究者は、その29分の壁を打破する「永続コード」を発見する。 AI兵士のアレスはディリンジャー社の指令に従い、その「永続コード」をエンコム社から奪おうとする。 主人公のAI兵士を演じるジャレッド・レトは、紛れもない名俳優でありながら割と役を選ばない印象もあ
Dec 15, 2025


アンキャニー 不気味の谷 | Uncanny (2019)
3.7/5.0 人間と見分けがつかないほどの精巧な肉体と知能を持ったAIと、共に過ごすことになった2人の人間の会話劇を中心に展開するサスペンスSFの中篇。 出演者は「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」に出演していたマーク・ウェバーと、日本では知名度が低いが米国のドラマに出演しているデヴィッド・クレイトン・ロジャース、ルーシー・グリフィスのほぼ3名。 監督のマシュー・ルートワイラーは、ジェームズ・ガンが今のように超メジャーになる以前に脚本・監督を手掛けた密かな名作「スーパー!」で製作総指揮を担っていたらしい。 テクノロジー雑誌の記者の女性が、独占取材として訪れた極秘AI研究施設にて、天才研究者とその研究者が生み出した人型AIと出会う。 記者は人型AIとして紹介された人物の挙動にとまどいながらも、3人で過ごす時間を通してその研究成果を観察・記録していく。 劇中に何度か登場する、研究者と人型AIが行うチェスを行うシーンを通して物語のテーマが隠喩的に見えてくる脚本が面白い。 SFジャンルながら派手なVFXは全くといっていいほど存在せず、低予
Nov 30, 2025


タイムマシン | Time Machine (2019)
3.2/5.0 映像作家の袴田くるみによる、SFアニメーション短篇。 過去の出来事と自身の振る舞いを悔いて生きる男と、彼が大切に思っていた者たちを巡る物語。 性暴力を受けた主人公の友人がとった悲劇的な行動を止めるために、タイムマシンを開発して時を遡りたいと願う男。 苦く忘れがたい過去の記憶と、友人が受けた屈辱が描かれる。 監督の作劇の軸として、人間の加虐 / 被虐の残酷さとの向き合いがあるのだろうと感じられる。 物語自体には大きなツイストは見つけられないものの、今作の画づくりには独特なアートディレクションのセンスで惹きつける力を感じる。 スタッフロール後の幻想的なラストシーンも美しい。 ただ、近未来SFな世界観からは物語との実質的な関連や必然性を見つけられず、その描かれ方もやや凡庸で、ちぐはぐな印象を覚えた。 https://filmarks.com/movies/86342/reviews/208222344
Nov 30, 2025


マニブスの種 | manibus seeds (2021)
2.1/5.0 俳優 兼 映画監督の芦原健介による短篇で、新型コロナ禍にあった2021年に製作された作品。 工場で働き質素に暮らす主人公のもとに届いた差出人不明の封筒には、謎の植物の種が入っていて… という導入。 あえてジャンルを定義すればSFホラーということになるのかなと思うが、結末には少し意外性があり、面白かった。 新型コロナ禍という、人類史上体験したことのない規模の環境激変によって起きたコミュニケーションのあり方の変化が、脚本に反映されているように感じる。 ただ、おそらく限定された予算でたくさん工夫して製作されたものであろうと想像はしつつも、種が成長して出現する生物のチープさにはうーんと感じてしまった。VFXがどうこうではなく、単純に演技づけに問題があるような… 主人公を演じる菅野貴夫は寡黙な役を好演していると感じたし、その職場の同僚の女性を演じる小島彩乃の存在感も良かった。 が、俳優達の表情の変化や身体演技で十分に表現 (意図伝達) できるだろうと思える些細な内容まで、その全てを台詞にして喋らせてしまう演出は、やはり気になってしまった。.
Nov 30, 2025


ジョディ | Jodie (2021)
2.4/5.0 映像作家の袴田くるみによる、SFアニメーション短篇。 所持者から虐待を受け続け、その度に修理されて所持者のもとへ戻される女性型ロボットと、その修理を行う女性の会話劇を中心に構成されている。 今ではSF映画の金字塔ともいわれる「ブレードランナー (1982)」で描かれていた、生命や個人のアイデンティティの構築または揺らぎといったテーマに、現代的なフェミニズムが重ねられたように見える脚本からは、作家としての軸があると感じる。 ただ、アニメーション作品としての演出全般は退屈で、アングルと構図の作り方、台詞と演技の間、人物達の細かい表情の変化といった部分でハッと驚かされるところが見つけられなかった。 人物達の奥に見えるレトロフューチャーな世界観はとても魅力的だったが、それが単なる書き割りになってしまっていて変化がなく、そこに奥行きが感じられなかったところも残念。 https://filmarks.com/movies/110272/reviews/208217710
Nov 30, 2025


ミーガン 2.0 | M3GAN 2.0 (2025)
3.1/5.0 AIを搭載したハイテク人形のミーガンの暴走描写が話題になった1作目の高評価を受けて製作されたSF映画の続篇で、1作目で監督を担ったジェラルド・ジョンストンが監督・脚本を続投している。 製作会社も前作に引き続き、予算は抑えながらもクリエイターに創造の自由 (裁量) を大きく与えるスタイルで話題作を次々と送り出しているブラムハウス・プロダクション。 前作にて暴走の末に破壊されたAI人形ミーガンのアルゴリズムを秘密裏に転用して開発された軍用アンドロイドが、そのシミュレーション中に暴走し人々を殺害する。 ミーガンの開発者だった主人公とその姪も否応なくそのアンドロイドが引き起こす混乱に巻き込まれていくが、ミーガンがネットワーク上で生存していたことが分かる、という導入。 人型の殺人マシンが人間を襲うというプロットの傑作映画といえば「ターミネーター (1984)」および「ターミネーター2 (1991)」だが、今作は明らかに (確信犯的に) その設定を参照していることが分かる。 1作目では主人公を殺そうと襲ってきたキャラクターが2作目では頼もしい
Oct 25, 2025


ジェン・ブイ シーズン2 | Gen V Season 2 (2025)
4.1/5.0 エリック・クリプキが企画・製作総指揮を担うSFドラマ「ザ・ボーイズ」のスピンオフシリーズのシーズン2。 「ザ・ボーイズ」の世界設定や登場人物を共有しながら、こちらのドラマではスーパーヒーローを養成するための学校を舞台に物語が展開される。 「ザ・ボーイズ」のコミック原作やドラマシリーズの世界は、マーベルやDCの映画シリーズのように超人達が存在しながらも、それらの大半の本質がヒーローではなくヴィランであるという大きな特徴がある。 堕落と腐敗、あるいは狂気に塗れた世界の描写は凄まじくも、ただ悪趣味にふざけるだけではなくその描写自体が米国の現状の強烈な風刺になっているところがとても面白いのだけれど、今作は主な舞台を学校に限定しながら脚本が構成されていることもあり、ややスケール感がこじんまりしている。 ただ、主人公とその仲間や周辺人物達それぞれに丁寧な背景設定や苦悩が用意されていて、若者達の成長ストーリーとしてきちんと成立しているところに脚本の巧みさを感じる。 また、それぞれ個性的な超人的能力 (超能力) が発揮されるシーンはダイナミックで
Oct 25, 2025


エイリアン: アース | Alien: Earth (2025)
3.6/5.0 「SHOGUN 将軍」の製作で一躍注目を集めたFXが製作した「エイリアン」シリーズ初のドラマで、タイトルの通り地球を舞台に「エイリアン」の物語が展開するSFホラー。 「ファーゴ」や「レギオン」の原案と脚本で高い評価を得たノア・ホーリーがショウランナーを担い、...
Oct 11, 2025


ピースメイカー シーズン2 | Peacemaker Season2 (2025)
3.4/5.0 これまでのDC映画に登場し人気を博したキャラクターの、ジョン・シナが演じる「ピースメイカー」を主人公に、DCEU (DCエクステンデッドユニバース) のシリーズとして製作されたシーズン1から新生DCU (DCユニバース)...
Oct 11, 2025


野生の島のロズ | The Wild Robot (2024)
3.9/5.0 「ヒックとドラゴン」や「シュレック」シリーズを製作してきたドリームワークス・アニメーションが手掛けるSFアニメーション映画で、ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット (The Wild Robot)」を原作としている。...
Sep 14, 2025


アリータ: バトル・エンジェル | Alita: Battle Angel (2018)
3.8/5.0 木城ゆきとによるSF漫画「銃夢」を原作とするサイバーパンクアクション映画で、巨匠ジェームズ・キャメロンが脚本・製作を、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「シン・シティ」「グラインドハウス」等のアグレッシブなアクション演出で評価が高いロバート・ロドリゲスが監督...
Sep 1, 2025




























