

スーパーガール | Supergirl (2026)
3.0/5.0 DCコミックスの実写映画シリーズ (DCエクステンデッドユニバース = DCEU) がリブートされ、DCユニバース = DCUとして再スタートした実写映画シリーズの第2作目。 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル (2017)」のクレイグ・ギレスピーが監督を務め、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン (2022)」等に出演していたミリー・オールコックがタイトルロールを演じている。 崩壊する故郷の惑星から脱出した主人公のカーラ / スーパーガールは、同じく生き延びて地球に暮らす従兄弟 (クラーク・ケント / スーパーマン) の元に身を寄せていたが、地球を離れ放浪生活を送っていた。 共に過ごす唯一の存在である愛犬クリプトに命の危機が迫り、カーラはクリプトを救うべく新たな旅に出る。 DCU映画の1作目「スーパーマン (2025)」の終盤で僅かに登場し、その魅力が話題となったミリー演じるスーパーガールが主役ということで、すごく期待しながら鑑賞したが、なかなか没入できず残念な読後感が残ってしまった。 要所で展開するダイナミックなアクションは面白
2 days ago


ザ・ラストハウス | The Last House (2026)
2.9/5.0 「グランド・イリュージョン」シリーズを手掛けたルイ・レテリエが監督したNETFLIX映画で、「トロン: アレス (2025)」や「ハウス・オブ・ダイナマイト (2025)」等に出演するグレタ・リーと、「ナルコス」シリーズや「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で強烈な印象を残したワグネル・モウラが主演している。 シアトル近郊で暮らす主人公一家は、ある日突然自宅に閉じ込められる。 扉も窓も開かず、電話もインターネットも通じず、近隣の家族も同様で、外では雨が降り続く。 一家は備蓄食料を頼りに状況の変化を待ち続けるが、やがて物資が尽きはじめ、何とかして生存方法を作り出そうとする。 多くの人が思い出すのが、まだ有効なワクチンが開発されておらず世界中が恐怖と混乱の中にあった新型コロナ禍初期のロックダウンだろう。 脚本を手掛けたマシュー・ロビンソンや監督のルイ・レテリエは、物語の着想そのものはロックダウンではなかったとしつつ、他者との関係断絶や見通しが立たない未来への不安を描くための装置として、隔離された自宅という舞台を設定したとのこと。...
Aug 11


スパイダーマン: ブランド・ニュー・デイ | Spider-Man: Brand New Day (2026)
3.9/5.0 マーベル・スタジオが製作・展開するマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属する大人気キャラクターを主人公とするシリーズの4作目で、監督は前作までの3部作を手掛けたジョン・ワッツから「シャン・チー/テン・リングスの伝説 (2021)」を手掛けたデスティン・ダニエル・クレットンに交代している。 今や誰もが認める若きスーパースターのトム・ホランドとゼンデイヤに加え、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で注目を浴びたセイディー・シンクが重要なキャラクター役で出演している。 前作にて恋人や親友を含む世界中の人々から自身についての記憶が消去され、スパイダーマン/ピーター・パーカーは再び正体不明のスーパーヒーローとしてニューヨークの平和を守り続けている。 ピーターが前作で選択した結果は、恋人と親友に平穏な日々をもたらしたものの、愛する家族も失ってしまったピーターは孤独。 そんな時、他者の心と身体に入り込み操作する強大な能力を持つ謎の存在が街を襲う。 前作「スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム (2021)」の物語や登場キャラ
Aug 9


DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン | Daicon Film’s Return of Ultraman (1983)
3.5/5.0 「エヴァンゲリオン」を生み出したアニメ制作会社ガイナックスの母体となった同人製作集団、DAICON FILMによる「ウルトラマン」のパロディ短篇。 総監督と主演を庵野秀明が、脚本を岡田斗司夫が担っている。 地方都市ヒラツネ市に隕石が落下し、同市は壊滅。 隕石と共に宇宙怪獣が現れ、地球防衛軍は戦闘機で迎撃するが刃が立たない。 熱核兵器による怪獣の追撃がやむなく決定し、さらに大規模な被害と汚染が避けられない状況になった時、ウルトラマンが登場する。 物語やその展開はパロディ元のウルトラマンをなぞった形になっており、そこに斬新さがあるとはいえないが、驚かされるのは、今や巨匠となった庵野秀明や、後にガイナックスの重要人物となる、今作では特技監督として関わった赤井孝美といったクリエイター達の、特撮へのリスペクトとその再現技術の高さ。 8mmフィルムによる自主製作でありながら、基地や戦闘機のミニチュア撮影、市街地の爆発演出、そしてウルトラマンと怪獣のスケール感表現は見事で、彼らの当時の情熱がフィルムに焼き付けられているといっていいだろう。...
Aug 9


マスターズ・オブ・ユニバース | Masters Of The Universe (2026)
4.0/5.0 米国の玩具メーカー、マテル社が創作したキャラクターと世界設定を原作とするSFアクションで、「KUBO 二本の弦の秘密 (2016)」や「バンブルビー (2018)」を手掛けたトラヴィス・ナイトが監督を担っている。 1987年にも一度映画が製作されていて、今作が2回目の実写映画化。 主人公の青年は、幼少期に故郷の惑星エターニアで起きた戦火から逃れ、地球で育つ。 自身と共に地球へ送られならが手放してしまった宝剣を探し続ける主人公のもとに、刺客と故郷の幼馴染が現れる。 とにかくバカバカしいほど壮大な世界観と軽快な展開が楽しめる、80年代ハリウッドのような冒険活劇で、トラヴィス・ナイト監督の演出センスが全篇に冴え渡っている。 主人公を演じたニコラス・ガリツィンやその幼馴染役のカミラ・メンデスといった若きスター俳優達の鮮烈な存在感と、イドリス・エルバやジャレッド・レトといったベテラン俳優達の安定感、そしてそれらのアンサンブルが楽しい。 完全に笑わせにきているギャグの数々も強引さはなく意外性のセンスがあって、まんまと笑ってしまった。...
Aug 9


Nightborne (2026)
3.5/5.0 「第9地区 (2010)」や「チャッピー (2015)」等のバイオレンスSFを得意とする南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ監督による、全篇が生成AIで製作されているショートフィルム。 ピーター・ワッツによるSF小説「Echopraxia」の世界観が参照されている。 主人公の米軍兵士は、戦闘によって死亡するが、極秘の軍事プログラムによって「復活」する。 死者を兵器として再利用する非情な世界が描かれる。 ブロムカンプ監督が新たに設立したAI製作スタジオ「Barley Studios」からの初作品となる今作は、監督がこれまで手掛けてきた作品群で見られたドキュメンタリー風の証言映像や軍事記録映像と映画的ビジュアルのコラージュで構成されており、監督の持ち味が映像生成でも具現化されているところがとても興味深い。 生成にはSeedance 2.0が使われていながら、実在人物 (俳優) の顔と声や人間の手によるコンセプトアートが用いられており、表現の核の部分はAI任せになっていないという点が、映像のリアリティや全体的な品質の担保につながっている
Jul 23


ニュー・ミュータント | The New Mutants (2020)
3.6/5.0 旧20世紀FOX (現20世紀スタジオ) が製作してきたアメコミ映画原作「X-MEN」シリーズの13作目で、「ハッピーエンドが書けるまで (2012)」や「きっと、星のせいじゃない。(2014)」を手掛けたジョシュ・ブーンが脚本・監督を担っている。 X-MENシリーズの中心的存在であるウルヴァリン、サイクロップス、ジーン・グレイ、プロフェッサーXといったキャラクター達は登場せず、既存シリーズの物語との関連性もほとんどないが、世界観は共有されている。 ネイティヴ・アメリカンをルーツに持つ主人公を含む5人の若者達は、ある施設に隔離されることになる。 彼らはそれぞれ特殊能力を持つミュータントで、自らを医師と名乗る女性の管理下に置かれ、全てを監視された生活を余儀なくされる。 若者達ははじめ衝突しながらもお互いを理解していくが、やがて施設内で怪奇現象が発生しはじめる。 主人公を演じたブルー・ハントをはじめ、アニャ・テイラー=ジョイ、メイジー・ウィリアムズ、チャーリー・ヒートンといった新世代のスター俳優達の存在感が瑞々しく輝いており、作品のト
Jul 19


マーズ・エクスプレス | Mars Express (2023)
3.9/5.0 フランス製作のSFアニメーション映画で、監督は今作が初監督作となるジェレミー・ペランが担っている。 カンヌ国際映画祭で初上映され、後に劇場公開もされた作品。 舞台は23世紀の火星。 地球から火星に戻った主人公の私立探偵とアンドロイドの相棒は、行方不明になった大学生の捜索という依頼を受ける。 調査が進むにつれて、主人公達が探っている真相が単なる失踪事件ではないことが分かってくる。 典型的な探偵ものの導入で始まりつつ、火星移住やロボットの進化が実現した超未来の世界が描かれながら展開する物語が面白く、美女や美男といった類型的な造形ではなくリアリティとドライさが重視されたキャラクター達が描かれるアニメーションの質感がとても魅力的。 「AKIRA (1988)」「攻殻機動隊 (1995)」「パプリカ (2006)」等の日本のSFアニメーションや、それらに影響を受けて製作された映画「マトリックス (1999)」シリーズへのオマージュが明らかに感じられるが、浅い剽窃ではなく敬意をもって承継された新たな作品という印象がある。 主人公達がたどり着く
Jul 19


パラレル 多次元世界 | Parallel (2018)
3.3/5.0 メキシコ出身のアイザック・エスバンが監督を担ったカナダ製作のSFスリラー。 シェアハウスで生活するソフトウェア開発者とその友人の4人の若者達は、屋根裏部屋で奇妙な大鏡を発見する。 鏡の向こう側には並行世界が存在し、自分達や知人とそっくりな人々もそちらの世界で暮らしていた。 並行世界の時間が自分達の世界よりも180倍早く進むことを知った4人は、その "時差" を利用してビジネスや夢の実現を成功させようとする。 並行世界という設定はSFとしてベタなものの、そこに時間の速度差が存在するという点にアイデアがあり、物語の展開方法が面白い。 別世界としながら描かれるシチュエーションはほぼ共通なため、画づくりにかける予算を抑えられるという製作観点での工夫も賢いなと感じる。 導入・危機・発見・成功・より大きな危機… という定石が丁寧におさえられている脚本構成と演出がある。 終盤にかけて登場人物達の欲望がエスカレートしていく展開には面白さがありながら、鑑賞中にある程度予想がつく内容を越えない、凡庸な印象もある。 そして、それぞれの世界や人物の視点の
Jul 18


移動都市 / モータル・エンジン | Mortal Engines (2018)
3.8/5.0 フィリップ・リーヴによるYA小説を原作に、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで映画史に名を刻んだピーター・ジャクソンが脚本・製作を手掛け、ジャクソンの作品の多くでストーリーボードアーティストや視覚効果スーパーバイザーを担当してきたクリスチャン・リヴァースが初監督を担ったSF大作。 「アンブレラ・アカデミー」で印象的な役どころを演じたロバート・シーハンや、「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ等の著名作品で活躍するヒューゴ・ウィーヴィングが出演している。 超兵器による最終戦争で文明社会が崩壊してから1,000年以上が経過した地球で、人類は移動する都市を建造し、大都市が小型都市を "捕食" することで支配する世界を生きていた。 巨大移動都市ロンドンは、他の都市を捕食しながら、東方にあり強固な壁で守られている固定都市シャングオの支配を目論んでいる。 そのロンドンの歴史学長であり開拓者でもあるサディアスに復讐を誓う少女と、歴史学ギルドの見習い青年は、巨大な陰謀と争いに巻き込まれていく。 何よりも特筆すべきは、原作で描かれた
Jul 12


The Moon (2023)
3.9/5.0 韓国映画界のヒットメーカー、キム・ヨンファが脚本・監督を手掛けたSF映画で、韓国では屈指の人気を誇る俳優のソル・ギョングが主演を担っている。 韓国初となる有人月面探査ロケットが3名のクルーを乗せて宇宙へ飛び立ったが、太陽風の影響で地上との通信トラブルが発生し、その対応中の事故によって危機的状況に陥る。 宇宙に孤立したクルーを救出するため、過去に有人ロケット爆発事故の責任を取ってKASC (韓国航空宇宙センター) を去っていた責任者が呼び戻される。 冒頭での主要登場人物のキャラクターや物語設定の説明が、とても洗練されていて分かりやすい。 また、科学考証やリアリティを突き詰めて考えればツッコミどころもあるのだろうけれど、鑑賞している間はそのあたりを気にせずに物語へ没入してしまう脚本の巧みさがある。 SFでありつつアクションは控えめでヒューマンドラマ中心、かつ分かりやすい敵役や大規模な闘いが存在しないながらも、宇宙と地上の両方で物語が次々と展開していき、それぞれ力量ある俳優達の演技にも惹きつけられて、退屈する時間がほぼない。...
Jul 11


タイムハント 時間操作 | Riot for the Dove (2023)
1.2/5.0 監督・脚本・主演をマイケル・ラザールが務めた低予算のSF映画。 メキシコの犯罪組織に監禁されている少女は、特殊な能力を持っていた。 組織はその能力をある特殊装置の入手のために利用している。 特殊な装置とは、時間を数秒だけ巻き戻せるという異星文明由来の代物だった。 米政府長官はある探偵に少女の救出を依頼する。 超能力 x タイムトラベルものという好きなジャンルだったため鑑賞したが、低予算で製作された作品であることを大前提として理解していても、そのあまりにも稚拙な演出と編集に驚かされた。 VFXを多用した派手な画がなくとも、しっかり準備されたストーリーボードがあっての撮影や編集がされていれば絶対こんなことにはならないだろうと感じる雑な作り。 まず全般的にカット割りがめちゃくちゃ過ぎて、そのシーンで誰がどこに配置されていて誰と何をしているのかがほとんど全く分からないという編集に、作品の世界に没入することを著しく妨げられてしまった。 台詞の音質もカットや話者ごとで明らかにブレがあり気になってしまうし、楽曲や音効の入り方も終わり方も笑ってし
Jul 11


V/H/S/85 (2023)
2.8/5.0 怪奇現象や超常現象が記録されたビデオテープ (ファウンド・フッテージ) というテイのホラーアンソロジーシリーズの第6弾。 製作予算は比較的抑えられながら、過激なグロテスク描写やショッキングな展開が特徴。 今作は1985年当時のホームビデオ文化を軸に、それぞれの短篇が製作されている。 「Total Copy」監督: デヴィッド・ブルックナー 2.1/5.0 アンソロジーを横断して映画全体の冒頭・幕間・終盤に入るメインフレーム。 大学の研究チームが変身生物を確保し実験する様子が記録されていく。 怖がるべきか笑うべきか微妙な気持ちになる結末が印象的。 「No Wake」監督: マイク・P・ネルソン 2.7/5.0 人里離れた湖を訪れた若者グループが何者かによる銃撃のターゲットとなる。 若者達がどのように生き延びるかという話なのかなと思いきや、予想外の展開がある。 「God of Death」監督: ジジ・ソール・ゲレーロ 2.5/5.0 1985年に実際に発生したメキシコ大地震をモチーフとした1篇。 テレビ局での生放送中に地震が発生し、
Jul 11


人間農場 | Human Farm (2024)
3.0/5.0 山田玄徳による8分程度の短篇で、48時間で映画を制作するThe 48 Hour Film Projectというイベントで制作・上映されたものとのこと。 社会人養殖場で出荷される時を待つ人々と、その管理人についての物語。 テーマはいわゆる「指示待ち人間」が増えているという社会批評とその風刺だということは、分かりやすいほどに分かる。 その描かれ方も、48時間という限られた時間 (と当然ながらロケーションや予算も) の中で具現化するという意味では、成功しているように見える。 制約が多い条件下だと中途半端なVFXや小手先の編集テクニックに走って画が安っぽくなりがちだけれど、今作はそうはせずに可能な限り撮ったままの画づくりをベースに成立させようという作り手達のスタンスを感じられた。 これは自分の好みの問題なのかも知れないと思うけれど、邦画ならではの俳優達の演技のわざとらしさや稚拙さが、どうしても時々垣間見えてしまうところが物語への没入の妨げになり、そこを残念に感じてしまう。 今作の出演者達は舞台演劇の俳優中心だろうか、ややオーバーアクトで戯
Jun 20


ハン・ソロ / スター・ウォーズ・ストーリー | Solo: A Star Wars Story (2018)
3.9/5.0 「スター・ウォーズ」シリーズの重要な登場人物である密輸業者のハン・ソロが、いかにして相棒のチューバッカや愛機ミレニアム・ファルコンと出会い、アウトローとして生きていくことになったかが描かれるスピンオフ作品。 「スパイダーマン: スパイダーバース」シリーズを手掛けたフィル・ロード & クリス・ミラーが監督していたが途中降板となり、名匠ロン・ハワードがその座を引き継いでいる。 脚本は「スター・ウォーズ」映画版の脚本を手掛けてきたローレンス・カスダンと、その息子のジョナサン・カスダン。 孤児として苦しい生活を送るハンとキーラは、宇宙へと逃亡することで転機を狙うが、ハンだけが脱出に成功し、離ればなれになってしまう。 パイロットとなりキーラを迎えに行くことを誓うハンは入軍し、送り込まれた戦地であるギャング達と出会い、運命が急展開していく。 超有名SFシリーズの象徴のひとつともいえるハン・ソロと、ハリソン・フォードが演じたそのキャラクターを、違う俳優が引き継ぎ演じることには相当のプレッシャーがあっただろうと想像できる。 オールデン・エアエンラ
Jun 20























