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Cinema Review

ザ・ボーイズ ファイナル・シーズン | The Boys Season 5 (2026)

  • 5 minutes ago
  • 3 min read

3.2/5.0

エリック・クリプキが企画・製作総指揮を担うSFドラマ「ザ・ボーイズ」の最終シーズン。

DCやMARVEL等のスーパーヒーローものと現代社会を痛烈に風刺した同題のコミックを原作としつつ、ドラマ独自で展開してきた物語の完結篇。


巨大企業の管理下にあるスーパーヒーロー達が実は腐敗していて社会を揺るがす脅威となり、特殊能力を持たない一般人達がその打倒のために無謀な闘いを挑むという物語が遂に最終局面を迎える。

最強のヒーローでありながらその幼稚過ぎる頭脳で傍若無人に振る舞うホームランダーは、文字通りの神として米国に君臨しようとする。

ホームランダーへの復讐に命をかける「ザ・ボーイズ」のリーダー、ブッチャーは、スーパーヒーロー全員に死をもたらすウイルス兵器を完成させる。


シーズン1 第1話の衝撃的な開幕から強烈に心を掴まれ、毎シーズンが配信される度に鑑賞してきたドラマシリーズだったけれど、シーズン4あたりから少しずつその脚本や展開に綻びが目立つと感じてきた。

それでも今回のティザービジュアル達にはとてもワクワクして、最終シーズンにふさわしい怒涛の展開や圧倒的な結末が観られることを期待したものの、本当に必要だろうかと感じてしまう緊張感のないエピソードがあったり、スピンオフシリーズの「ジェン・ブイ」で登場し今回本篇に合流した魅力的なキャラクター達の役割がどうにも中途半端だったりで、少しガッカリしてしまったというのが正直なところ。

何より、ティザービジュアルで描かれていた風景が本篇には一切登場しないという、ティザー詐欺のようなプロモーションは良くない。

ヒーロー達の象徴ともいえるタワーが崩落するシーンはないし、壊滅する街をホームランダーが宇宙から見下ろすシーンもない。

ホームランダーとブッチャーの因縁にはしっかり決着がつき、カタルシスもあるけれど、そのスケールはとても控えめで、ダイナミズムにも欠けていた。

主人公のヒューイが愛してやまないビリー・ジョエルの名曲 (特にその歌詞) がフィーチャーされるシーンでは不意打ち的にすごく感動してしまったけれど、それは奇遇にも自分がヒューイと全く同じく、子どもの頃から今に至るまでジョエルの歌を聴き続けてきたからで、それほど思い入れがない鑑賞者にはあまりピンとこないかもしれない。


エリック・クリプキはインタビューで「ゲーム・オブ・スローンズのように、最終シーズンの数話の出来が悪いだけで駄作だと言われることに恐怖している」「すごく慎重に、あらゆることを疑ってかかりながら、なんとかやり遂げた… んじゃないかな」といったことを語っているけれど、もしかしたら製作中から既に、この最終シーズンが鑑賞者の多くを満足させる内容に仕上がっていないことに製作者達自身が気づいていたのかもしれない。


本篇としての「ザ・ボーイズ」はひとまず完結しつつ、その前日譚である「ヴォート・ライジング」や、舞台となる国を変えての「ザ・ボーイズ: メキシコ」の製作が進行中とのことだけれど、本篇がやや尻すぼみ的に完結してからの盛り返しは、果たして成功するだろうか。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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