ラスト・サバイバー | The Dog Stars (2026)
3.2/5.0
ピーター・ヘラーによる小説「The Dog Stars / いつかぼくが帰る場所」を原作とするポストアポカリプスSFで、巨匠リドリー・スコットが監督を担っている。
「サブスタンス」で鮮烈な印象を残したマーガレット・クアリー、「アベンジャーズ」シリーズでスーパーヴィランを演じたジョシュ・ブローリン、「アイアンマン3」や「エイリアン: コヴェナント」に出演したガイ・ピアースといったスター俳優達に加え、若手俳優として知名度を上げつつあるジェイコブ・エロルディが主演を務めている。
世界的な疫病によって人類のほとんどが死滅し、生存した僅かな人々が極小単位のコミュニティを形成しながら細々と生きる近未来。
主人公とその愛犬は、人里離れた山中に住みながら、セスナ機を使って都市部へ赴き生活物資を拾い集めながら暮らしていた。
ある日受信した途切れとぎれの無線から、主人公はその発信源に何かがあるように感じ、その地を目指して旅に出る。
言わずと知れたカルトSF「ブレードランナー」や「エイリアン」シリーズといった超大作SFを手掛けてきたリドリー・スコットの新作なのでどんな大スケールの物語が展開するのかと期待しながら鑑賞したが、良くも悪くも極めてコンパクトかつ内省的な物語にまとまっていて、予想外で驚かされた。
だからといってつまらないわけではなく、文明崩壊後の世界を切り取るアングルはどれも美しく、俳優達の演技レベルもとても高く、未来への希望を見出すことが難しい世界に漂う諦観が丁寧な画づくりで静かに描かれている。
文明の崩壊とともに理性を失ってしまった人々と主人公達との遭遇や、差し迫る危機との対峙が描かれるシーンの演出は、さすが巨匠という感じ。
終盤の展開には映画全体のリアリティラインからの逸脱が少しあるように思うけれど、まぁそれはそれとして…
世間では賛否両論が分かれているとのことで、どちらの気持ちにも共感できつつ、自分にとっては見どころがしっかりあるSF映画だった。























