

オブセッション 災愛 | Obsession (2025)
4.0/5.0 YouTubeで映像作品を発表してきた新鋭クリエイター、カリー・バーカーの初長編監督作品となるホラー映画。 低予算で製作されながらトロント国際映画祭にて観客賞を受賞し、大きな興行収入を記録している。 今後のマーベル「X-MEN」シリーズにおける超有名キャラクターを演じるのではと噂されているインディ・ナバレッテが出演。 楽器店でアルバイトとして働く冴えない主人公のベアは、バイト仲間のニッキーに想いを寄せている。 ニッキーへ贈るプレゼントを探そうと主人公が入った雑貨店で見つけたのは、使用者の願いが1度だけ叶うといわれるうさんくさい玩具だった。 ニッキーに誰よりも自分を愛してほしいと願いそれを使った主人公とニッキーの関係性が、劇的に変化していく。 ニッキーを演じたインディ・ナバレッテの超越的に強烈な演技が何よりも印象に残る。 怪演とか体当たりの演技などの安易な言葉ではとても形容できない、悪夢のような実在感。 美しい存在が段々と崩壊していきながらもかろうじて作動し続けることの恐怖は、他の映画ではなかなか体験できない。 その演技力が認められ
Sep 13


プロジェクト・サイレンス | Project Silence (2024)
3.3/5.0 「新感染 ファイナル・エクスプレス」の脚本を手掛けたパク・ジュソクの脚本によるパニックスリラーで、「パラサイト 半地下の家族」に出演したイ・ソンギュンが主演を担う。 国家安保室の行政官として働く主人公が、娘を空港へ送る途中の大橋で玉突き事故に巻き込まれる。 濃霧の中で足止めされたのは人だけでなく、軍が秘密裏に開発した凶暴な動物達も、その輸送の途中で事故に巻き込まれていたのだった。 制御不能な動物という脅威の設定はやや凡庸に感じるけれど、濃霧の中にある大橋という閉鎖空間の状況設定が面白い。 登場人物達はよくも悪くもキャラクターや役割が明快で、脚本が群像劇として丁寧に設計されている。 韓国映画ならではの家族の情念要素は今作にもしっかりあるが、展開の根幹に関わるほどではなく、少し薄めな印象。 同じく韓国映画に頻出する汚れた政治要素や主人公の葛藤もありながら、その要素も主軸ではない。 鑑賞後に何か強い読後感が残るタイプの作品ではないけれど、様々な設定やキャラクターがバランス良く配置されている、エンタテイメントとして丁寧にまとめられたパニッ
Sep 13


スキナマリンク | Skinamarink (2022)
1.0/5.0 YouTubeでホラー短篇を発表していたカナダ出身の映像作家カイル・エドワード・ボールによる実験的ホラー映画で、今作がボール監督の初長編監督作品とのこと。 兄妹の子ども達が夜中に自宅で目を覚ますと、親がいないことに気づく。 消えたのは親だけでなく、窓やドアも次々と消失していき、兄妹は自宅に取り残される。 製作難易度の低さからYouTubeで一定流行しているリアリズム系のホラー映像の系譜に位置する作品であることは理解しつつ、そのあまりにもレベルの低いアングルの作り方や脚本設計を放棄したような展開の不在に、逆に驚かされた。 ひと昔前のホームビデオカメラで撮影したようなザラついた質感には懐かしさだけでなくやんわりとした違和感や恐怖を感じさせる効果があるが、この作品はその「雰囲気」しかなく、映画作品としての最低限のストーリーテリングもアートディレクションも皆無。 そもそもこの懐かしい質感のホームビデオは誰がどんな理由で撮影しているのか? きっと製作者側には理屈も何もないのだろう。 多くの人が多感な子ども時代に覚えた不安の再現と解釈すること
Sep 6


さよなら地球!スマホを切ったら世界が終わってた | Save Yourselves! (2020)
1.3/5.0 サンダンス映画祭のグランプリにノミネートされたSFコメディ中篇で、アレックス・ヒューストン・フィッシャーとエレノア・ウィルソンによる共同脚本・監督作品。 都会で暮らす男女の主人公は、いつもスマホが気になる典型的な現代人。 SNSの通知や仕事の連絡が気になり、お互い向き合って会話することさえ疎かになってしまっている。 2人は1週間だけスマホの電源を切って外部との連絡を断ち、山に籠もって自分達だけの時間を過ごすと決め、実行する。 そうやって2人がデジタルデトックスをしている間に、地球規模での異変が発生していて… という導入。 いわゆる異星人の侵略ものではあるが、ハードなSFではなく、オフビートなコメディのトーンが全篇に漂う。 作品内で起きている極めてシリアスな状況にそぐわない意図的な画づくりのチープさを面白がれる人もいるだろうとは思うけれど、自分には全然合わなかった。 風刺や冗談として製作しているんだから、こんなもんでいいだろ? 逆にこの安っぽさが皮肉っぽくて笑えるだろ? と押し付けられているように感じ、それに乗れない。...
Sep 6


エクステリトリアル | Exterritorial (2025)
3.0/5.0 ドイツ出身のクリスティアン・ツバートが脚本・監督を担ったNETFLIX製作のアクション・サスペンス映画。 同じくドイツ出身のジャンヌ・グルソーとロシア/シベリア出身のレラ・アボヴァが出演している。 元ドイツ特殊部隊所属の退役軍人である主人公は、アフガニスタンでの戦闘で夫を失い、精神疾患を抱えながらひとり息子を育てている。 米国での就職の手続きをするため母子は2人でフランクフルトにある米国領事館を訪れるが、主人公は館内の待ち時間で僅かに目を離した隙に息子を見失ってしまう。 主人公は職員へ迷子になった息子の捜索を訴えるが、精神疾患の影響 (息子が存在するという幻覚) を疑われ、拘束されてしまう。 舞台や設定は違うけれど、導入部分のプロットからジョディ・フォスター主演の「フライトプラン (2005)」を思い出すサスペンス映画好きが多いのではないか。 ただ、今作は主人公が元軍人という設定もあり、サスペンスだけでなく地に足のついた肉弾戦が比較的多くあって画づくりの展開には退屈しない。 主人公を演じたジャンヌ・グルソーの出演作品を観るのはこの
Sep 6























