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Cinema Review

ジェン・ブイ シーズン2 | Gen V Season 2 (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 3 日前
  • 読了時間: 2分

4.1/5.0

エリック・クリプキが企画・製作総指揮を担うSFドラマ「ザ・ボーイズ」のスピンオフシリーズのシーズン2。

「ザ・ボーイズ」の世界設定や登場人物を共有しながら、こちらのドラマではスーパーヒーローを養成するための学校を舞台に物語が展開される。


「ザ・ボーイズ」のコミック原作やドラマシリーズの世界は、マーベルやDCの映画シリーズのように超人達が存在しながらも、それらの大半の本質がヒーローではなくヴィランであるという大きな特徴がある。

堕落と腐敗、あるいは狂気に塗れた世界の描写は凄まじくも、ただ悪趣味にふざけるだけではなくその描写自体が米国の現状の強烈な風刺になっているところがとても面白いのだけれど、今作は主な舞台を学校に限定しながら脚本が構成されていることもあり、ややスケール感がこじんまりしている。

ただ、主人公とその仲間や周辺人物達それぞれに丁寧な背景設定や苦悩が用意されていて、若者達の成長ストーリーとしてきちんと成立しているところに脚本の巧みさを感じる。

また、それぞれ個性的な超人的能力 (超能力) が発揮されるシーンはダイナミックで面白いが、それらのほとんどには分かりやすい爽快さはなく、むしろグロテスクで恐怖を感じてしまうところに、製作スタッフ達の演出や編集センスの高さを見ることができる。


シーズン1で中心的な役を演じていた俳優のチャンス・パードモが若くして不慮の事故で亡くなったことを受け、既に完成していた脚本が大幅に書き直されたという作品外の背景があるが、それによって脚本の品質が落ちたように感じられる部分はほとんどない。

むしろチャンスと彼が演じたアンドレというキャラクターに対する深い敬意が払われていることが分かる物語として完成しており、そこに製作スタッフ達の真摯な姿勢を感じ、感銘を受けた。

今作の物語の決着はしっかりと描かれながら、スピンオフ元の「ザ・ボーイズ」最終シーズンへの接続が見えてワクワクしてしまう結末だったところも、シリーズをずっと追ってきているファンのひとりとして、とても嬉しかった。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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