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Cinema Review

The Moon (2023)

  • 3 days ago
  • 2 min read

3.9/5.0

韓国映画界のヒットメーカー、キム・ヨンファが脚本・監督を手掛けたSF映画で、韓国では屈指の人気を誇る俳優のソル・ギョングが主演を担っている。


韓国初となる有人月面探査ロケットが3名のクルーを乗せて宇宙へ飛び立ったが、太陽風の影響で地上との通信トラブルが発生し、その対応中の事故によって危機的状況に陥る。

宇宙に孤立したクルーを救出するため、過去に有人ロケット爆発事故の責任を取ってKASC (韓国航空宇宙センター) を去っていた責任者が呼び戻される。


冒頭での主要登場人物のキャラクターや物語設定の説明が、とても洗練されていて分かりやすい。

また、科学考証やリアリティを突き詰めて考えればツッコミどころもあるのだろうけれど、鑑賞している間はそのあたりを気にせずに物語へ没入してしまう脚本の巧みさがある。

SFでありつつアクションは控えめでヒューマンドラマ中心、かつ分かりやすい敵役や大規模な闘いが存在しないながらも、宇宙と地上の両方で物語が次々と展開していき、それぞれ力量ある俳優達の演技にも惹きつけられて、退屈する時間がほぼない。

宇宙任務系SFの名作「アポロ13」や「ゼロ・グラビティ」の参照は当然あっただろうと分かりつつ、その表層的な剽窃にはなっておらず、韓国映画らしい情熱的な人間ドラマが脚本の軸になっているところが面白い。

その高濃度な人間ドラマに感情が乗れるか、むさ苦しいと感じてしまうかは鑑賞者によって分かれそうではあるけれど…


韓国映画としては比較的大きな予算が費やされたようだが、そのVFXの品質は今やハリウッド映画と比較しても全く遜色がないといっていいだろう。

キム・ヨンファ監督の演出センスだけでなく、韓国映画界や製作者達全体の基礎レベルの高さを感じる。

費やした予算に対して興収が期待値に届かなかったとのことだけれど、SF好きなら観る価値があると感じた良作。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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