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Cinema Review

移動都市 / モータル・エンジン | Mortal Engines (2018)

  • 8 minutes ago
  • 2 min read

3.8/5.0

フィリップ・リーヴによるYA小説を原作に、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで映画史に名を刻んだピーター・ジャクソンが脚本・製作を手掛け、ジャクソンの作品の多くでストーリーボードアーティストや視覚効果スーパーバイザーを担当してきたクリスチャン・リヴァースが初監督を担ったSF大作。

「アンブレラ・アカデミー」で印象的な役どころを演じたロバート・シーハンや、「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ等の著名作品で活躍するヒューゴ・ウィーヴィングが出演している。


超兵器による最終戦争で文明社会が崩壊してから1,000年以上が経過した地球で、人類は移動する都市を建造し、大都市が小型都市を "捕食" することで支配する世界を生きていた。

巨大移動都市ロンドンは、他の都市を捕食しながら、東方にあり強固な壁で守られている固定都市シャングオの支配を目論んでいる。

そのロンドンの歴史学長であり開拓者でもあるサディアスに復讐を誓う少女と、歴史学ギルドの見習い青年は、巨大な陰謀と争いに巻き込まれていく。


何よりも特筆すべきは、原作で描かれた独創的な超未来の世界観が可視化されたビジュアルの壮大さ。

ピーター・ジャクソンが設立したVFX制作会社WETA Digital (現在はWētā FX) が手掛けた視覚効果の数々は文句なしに素晴らしく、特に冒頭でロンドンが小都市を追い詰めて捕食するシーケンスのスペクタクルは、スチームパンクSFファンにとって必見の価値があるといっても過言ではない。

若者向けのYA小説が原作ということもあり、物語の展開は少女と青年を主役とした類型的な内容で意外性が感じられず、公開当時に興収が伸びず大コケとなってしまったことにも納得できるが、主役の2人だけでなく様々な登場人物たちの描かれ方が総じて丁寧で、壮大なシチュエーションで展開する様々なアクションもあり、世界観に没入することができる。

宮崎駿とスタジオジブリによる「ハウルの動く城」の演出が参照されているようにも感じられるが、VFXと実写で構成された今作のダイナミックな画づくりや、中世から近代風の意匠に退化 (もしくは進化) したようにも見えるアートディレクションには、極めて高いオリジナリティがあるといっていいだろう。


公開当時はあの巨匠ピーター・ジャクソンが脚本・製作ということもあり期待値が上がり過ぎた結果評価が伸びなかったように思うけれど、時を経たいま再鑑賞・再評価される価値がある個性的なSF映画だと感じる。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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