top of page
Shoji Taniguchi.com logotype

Cinema Review

テレビの中に入りたい | I Saw the TV Glow (2024)

  • May 10
  • 2 min read

3.8/5.0

その個性的かつ内省的な作風で近年注目を集めているジェーン・シェーンブルンが脚本と監督を務めたA24製作のサイコホラーで、「ブゴニア」や「哀れなるものたち」主演の俳優エマ・ストーンが製作に携わっている作品。


物語の始まりは90年代で、現実世界に居場所がないと感じている主人公の少年は、深夜に放送されていた「ピンク・オペーク」という番組に強く惹かれ、あるきっかけから出会った少し年上の少女の家でそれを一緒に観ることになる。

少女から「好きなのは女子? それとも男子?」と聞かれた少年は、「テレビ番組が好き」と答える。


トランスジェンダー女性でノンバイナリという自身のセクシャリティを公表するジェーン監督だからこそこれほど高い解像度で描けるのだろうと感じる、周囲と自身の間にある溝や息苦しさが、少年と少女の視点を通して可視化されている。

現実逃避の一環として深夜にTVを観るという誰にでも一度は経験がありそうな行為から、自己認識の揺らぎとの向き合いといった哲学的なテーマへ大きく飛躍する物語の展開が面白い。

物語の本筋とは強く関連しないけれど、大胆な彩度および明度設計がなされたレイアウトやアングルにも惹き込まれる。

加えて劇伴も使われ方も印象的で、ジェーン監督が持つ非凡な演出センスを感じる。

ただ、これは意図してそうされているということは分かりつつ、全篇を通してメタファーが多用されており、何が真実で何がそうではないのかの境界線を明確に提示しないスタイルの演出なので、結局のところどういうことだったんだろう? と鑑賞後に感じる人が少なくないかもしれない。


主人公の少年が選択した生き方と、ラストシーンのいかんともしがたい物悲しさには、胸がとても苦しくなった。

ジェーン監督の作品には、今後も注目していきたい。

cinemagirls

おすすめ (殿堂入り)

Filmarks logo

webpage内検索

最近の記事

Shoji Taniguchi profile photo

Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

  • LinkedIn
  • Facebook
  • YouTube
  • X
  • Instagram

美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

お仕事のご依頼やお問い合わせはこちらから

© 1998-2026 Shoji Taniguchi

Kazari
Kazari
bottom of page