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Cinema Review

マーシー AI裁判 | Mercy (2026)

  • 4 minutes ago
  • 3 min read

3.4/5.0

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や「ジュラシック・ワールド」シリーズに主演してきたクリス・プラットと「ドクター・スリープ」や「ミッション・インポッシブル」シリーズに出演してきたレベッカ・ファーガソンが共演するSFサスペンス。

監督作の「ウォンテッド」や製作として携わった「ハードコア」の個性的なアクションとエッジィな演出で注目を集めたティムール・ベクマンベトフが監督を担っている。


舞台は近未来の米国。凶悪犯罪の増加に対処するため、正確かつ迅速な進行を可能にする司法制度「マーシー裁判所」が設立される。

裁判官はAIが務め、あらゆるメディアに記録された膨大なデータから被告の有罪率を算出し、被告にも自身の弁護のためにそれらのデータへのアクセス権限を与えながら、90分以内に有罪率を一定以下に下げなければその場で処刑が行われる。

そのAIによる19番目の裁判にかけられることになった主人公は、マーシー裁判制度の強力な推進者だった、という導入。


現代においても、既に世界中のあらゆる場所にビデオや音声を記録するデバイスが普及しており、現実の裁判でそれらの記録が証拠として提出され、使用されている。

その少し先にある未来として、AIがあらゆるデータを参照しながら即座に人を裁くようになったら…? という着想から構成された脚本は面白い。

コメディタッチを抑えたシリアスな演技のクリス・プラットも魅力があり、温厚に見えながらも冷酷無比なAIのインターフェイス役にレベッカ・ファーガソンがキャスティングされているところも上手いと感じる。

処刑は不可避のようにも感じる絶体絶命な状況から、主人公がどのように自身の冤罪を証明し真相に迫っていくのかについての演出は、さすがに少し無理があるかなと感じる部分もないわけではないけれど、映画的でテンポの良い展開もあり惹き込まれる面白さがある。


ただ、ティムール・ベクマンベトフ監督はやはりその個性が強烈で、同氏が近年製作に携わった「search/サーチ」や「ウォー・オブ・ザ・ワールド (2025)」で用いられた、モニタやビデオの画面上で物語が展開するスクリーンライフスタイルが、今作でも大部分で採用されている。

主人公は被告席に固定されていてAIは裁判官として被告を裁くために被告と対面するので動けないため、その周囲をスクリーンライフの状況証拠が取り囲むという形の演出スタイルは理にかなってはいるのだけれど、近年稀に見るSF珍作という評価も既に名高い「ウォー・オブ・ザ・ワールド 」の、ツッコミどころだけで全篇が構成されているような演出 (とヤケクソになってしまったとしか思えないアイス・キューブの熱演) がトラウマ的に思い出されてしまったのは、私だけではないようにも思う。


ティムール・ベクマンベトフが関わっている映画はやはり、良い意味でも悪い意味でも油断ならないということを、私はこれからも主張し続けていきたい。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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