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Cinema Review

ヴァスト・オブ・ナイト | The Vast of Night (2019)

  • Writer: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 5 minutes ago
  • 2 min read

3.5/5.0

映写技師として働いていたアンドリュー・パターソンが、自身で資金調達のうえ初監督作品として製作した長篇映画。

スラムダンス映画祭にて最優秀ナラティブ長編観客賞を受賞し注目されたSFミステリー。


1950年代、米国の小さな田舎町で発生する怪事件。

若きラジオDJの男と電話交換手の少女の視点から、隠されていた真相が明らかになる夜が描かれる。


SFジャンルではありながら (低予算のため) 派手なVFXによる見せ場はほとんどなく、もっぱら会話劇と「音」の演出に重心が置かれている。

また、俳優達の演技レベルがとても高いことと、会話シーンを中心に何度か使われている固定アングルの長回しが効果的で、物語の世界へ没入できる。

まるで「音」だけで物語を想像して楽しむラジオドラマを聴いているような、新鮮な感覚。

ただ、結末にはある程度のカタルシスはあるものの、全ての謎が解き明かされる脚本ではなく、良くも悪くも鑑賞者に解釈の余地を大きく残す形になっているため、物語の細部まで明快に理解したい派と想像の余韻を味わいたい派で好みが分かれそう。


個人的には、低予算でありながら工夫して丁寧に撮られている様々なシーンのアートディレクションの美しさと、主役の俳優2名の高い演技力に惹き込まれる、質の高い映画だと感じた。

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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