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Cinema Review

アンキャニー 不気味の谷 | Uncanny (2019)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 2 時間前
  • 読了時間: 2分

3.7/5.0

人間と見分けがつかないほどの精巧な肉体と知能を持ったAIと、共に過ごすことになった2人の人間の会話劇を中心に展開するサスペンスSFの中篇。

出演者は「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」に出演していたマーク・ウェバーと、日本では知名度が低いが米国のドラマに出演しているデヴィッド・クレイトン・ロジャース、ルーシー・グリフィスのほぼ3名。

監督のマシュー・ルートワイラーは、ジェームズ・ガンが今のように超メジャーになる以前に脚本・監督を手掛けた密かな名作「スーパー!」で製作総指揮を担っていたらしい。


テクノロジー雑誌の記者の女性が、独占取材として訪れた極秘AI研究施設にて、天才研究者とその研究者が生み出した人型AIと出会う。

記者は人型AIとして紹介された人物の挙動にとまどいながらも、3人で過ごす時間を通してその研究成果を観察・記録していく。


劇中に何度か登場する、研究者と人型AIが行うチェスを行うシーンを通して物語のテーマが隠喩的に見えてくる脚本が面白い。

SFジャンルながら派手なVFXは全くといっていいほど存在せず、低予算で製作されたことは明らかだけれど、俳優達それぞれの演技レベルの高さや、地味ながらもしっかり安定した構図づくり、丁寧に施された明暗のカラーグレーディングがあり、物語の没入感を妨げる安っぽさはほとんど見られない。

米国においては (まだ) 一流という評価を得ていない俳優であっても、これほどハイレベルで繊細な演技ができる人材がたくさんいるのだという層の厚さを感じた。

SF映画やドラマのファンであれば脚本に組み込まれたツイストに序盤〜中盤あたりで気づく人も多そうで、会話劇中心な作劇の弱点ともいえる画の変化の乏しさがそのままこの作品の弱点でもあるけれど、この映画には導入から結末まで退屈に感じるシーンはなかった。


結末や真実を知った上でもういちど最初から観てみたいと思える映画は、シンプルに良い映画だといえるだろう。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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