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Cinema Review

トロン: アレス | Tron: Ares (2025)

  • Writer: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • Dec 15, 2025
  • 3 min read

3.8/5.0

世界で初めてCGを表現に取り入れた (公開当時は) 革新的な映像で、今でもカルト的な人気を誇るSF映画「トロン (1982)」シリーズの第3作で、「デアデビル: ビーン・アゲイン」や「エラゴン 遺志を継ぐ者」等に関わったジェシー・ウィグトウが脚本を、「マレフィセント2」等を手掛けたヨアヒム・ローニングが監督を担っている。


サイバー空間上で活動する人工知能プログラムを現実世界に実体化する技術が発明された未来。

ディリンジャー社は無限のリソースから何度でも複製できる実体のAI兵士を世間に発表し軍需産業で覇権を握ろうとするが、その技術は未完成で、現実世界では29分で実体が活動限界を迎え崩壊してしまうという不都合な事実が隠されていた。

一方、ディリンジャー社の競合であるエンコム社を率いる研究者は、その29分の壁を打破する「永続コード」を発見する。

AI兵士のアレスはディリンジャー社の指令に従い、その「永続コード」をエンコム社から奪おうとする。


主人公のAI兵士を演じるジャレッド・レトは、紛れもない名俳優でありながら割と役を選ばない印象もあるが、今作でもその高い演技力を存分に発揮している。

受け取った指令を淡々と実行するだけだったAIに自主性や感情が芽生え、物語が展開するにつれてどんどんと人間的な表情や声の演技に変化していく演出は、ベタといえばそうだけれど明快で面白い。

もうひとりの主人公であるエンコム社のCEO役を演じたグレタ・リーと、ディリンジャー社のCEO役で出演しているエヴァン・ピーターズも、それぞれのキャラクターが俳優の高い演技力でしっかりと造形されている。

ただ、脚本と物語にはあまり意外性がなく、ほぼ想定内の展開に収まってしまっているように感じた。


「トロン」シリーズといえば革新的な映像表現が期待されることはやはり宿命で、1作目・2作目ともに楽しく鑑賞した自分もワクワクしながら今作を鑑賞したが、ある意味では期待通りではあったものの、革新的というまでには至らないかなぁ… という印象。

伝説的ともいえる1作目は別格として、「オブリビオン」や「トップガン マーヴェリック」を手掛けたジョセフ・コシンスキーによる2作目「トロン: レガシー (2010)」の画期的な映像と、ダフト・パンクによる同作の劇伴のかけ合わせが生み出した衝撃にはいま一歩届かないという感じ…

ダフト・パンクの後を継ぐ形で劇伴を担当したナイン・インチ・ネイルズのスコアはどれもすごく良かったのだけれど…

アングルやカッティングの演出に思い切りやケレン味が感じられず、どのシーンもそつなく無難な画づくりに収まっていたからだろうか。

1作目への敬意溢れるオマージュや、80年代カルチャーへのリスペクト (日本映画の「AKIRA (1988)」で観られる画期的な決めの構図や映像演出の数々も含まれていそう) が分かるシーンの数々はとても楽しかっただけに、少しだけ残念。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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