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Cinema Review

スーパーマン | Superman (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 7月12日
  • 読了時間: 3分

4.3/5.0

これまで展開されてきたDCコミックスの実写映画シリーズ (DCエクステンデッドユニバース = DCEU) がリブートされ、DCユニバース = DCUとして再スタートする実写映画シリーズの第1作目で、DCスタジオの共同会長 兼 CEOに就任したジェームズ・ガン自らが脚本・監督を手掛けている。


何度も実写映画化されてきた、その名前を知らない人はいないといってもいいほど有名な「スーパーマン」を、DCのライバルといえるMARVELの映画シリーズで大きく貢献してきたジェームズ・ガンがどのようなアプローチをもって形にするのかとても期待していたが、期待通りの軽妙さとユーモア、そしてヒューマニズムに溢れる快作になっていた。

ザック・スナイダーが中心となって形にしてきたDCEU版の鈍色でシリアスなトーンのスーパーマンやバットマン等のヒーロー映画にも素晴らしい魅力があったけれど、今作では良い意味でコミック起源の世界観が感じられながら、紛争やSNS上のヘイト等の現代的なモチーフも巧みに組み込まれている。

とはいえ、コミックや映画の歴史において最も有名な偶像のひとつともいえるスーパーマンの物語を扱うとあってさすがに監督も遠慮したのか、これまでのガン監督作品にほぼ必ずといっていいほど取り入れられていたやり過ぎレベルのギャグはなく、ユーモアも上品め。


主人公のスーパーマン / クラーク・ケントを演じるデヴィッド・コレンスウェットやヒロインのロイス・レインを演じるレイチェル・ブロズナハンはこれまで有名作品で目立ってきたことがあまりないながらも、人間としての未熟さや葛藤、そして成長を見事に表現していて、とても共感できるキャラクターになっていた。


DCのファンにはお馴染みのレックス・ルーサー、ガイ・ガードナー、ミスター・テリフィック、ホークガールといったキャラクター達にもそれぞれ物語上の役割がしっかり与えられていながら、かといって登場人物が多過ぎてがちゃつくことがないように整理されているところに、脚本 兼 監督のガンの卓越した才能を見ることができる。

なかでもレックス・ルーサーを演じたニコラス・ホルトの存在感は特筆すべきで、これまで数々の俳優が演じてきた同役と比較しても、その頭脳明晰さだけでなく人間的な弱さや愚かさの表現までしっかりされていると感じた。


DC映画シリーズの長年のファンとして、やや消化不良に感じたところがないわけでもないのだけれど… 具体的に書くとネタバレになってしまうし、物語の本質部分とはそれほど大きく関連しないところなので、言及することは避けようと思う。

DCUシリーズの本格的な幕開けとして、今後の新たなシリーズ展開への期待値を大きく上げてくれた作品だった。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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