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Cinema Review

アッシュ 〜孤独の惑星〜 | Ash (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 4月30日
  • 読了時間: 2分


3.1/5.0

音楽プロデューサーやDJとして知られるフライング・ロータスが監督したSF作品で、「ベイビー・ドライバー」や「ゴジラVSコング」に出演していたエイザ・ゴンザレスと、「ブレイキング・バッド」での壮絶な演技で一躍有名になったアーロン・ポールが主演を務めている。

「第9地区」や「チャッピー」のニール・ブロムカンプ監督が製作に携わっていると知り、ブロムカンプ監督作品の大ファンなこともあって楽しみに鑑賞した。


異星の居住区で目覚めた主人公は記憶を失っており、周辺を探ると何者かに惨殺された死体が多数転がっていて… というミステリー演出の導入は、古典SF風ではあるけれど惹き込まれる。

ネオンカラーを巧みに用いたライティングによる光と影のメリハリある描写はなかなかアーティスティックで、時折入る少々ジャンプスケア的なショック演出も効いている。

フライング・ロータス監督自身が全曲を書き下ろしたという独特で神秘的な劇伴も、存在感があって面白い。


脚本にはそれほど意外性のある展開や結末はなかったものの、殺人犯の正体を追求するフーダニット (whodunit) 形式と、失われた記憶やアイデンティティを再構築するというフィリップ・K・ディックの小説のようなテーマが、舞台を限定することによって生まれる閉塞感のあるSFホラージャンルの脚本としてまとまっていると感じた。


ただ、俳優も演出も劇伴にも大きな不満はないのだけれど、映画全体としてはそれほど面白いとは思えず、そつなく整えられたSF小品という感じにとどまってしまっているという、不思議な読後感が残る作品だった。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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Kazari
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