ホワット・イフ…? Season 3 | What If...? Season 3 (2024)
2.2/5.0
マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するアニメーションシリーズの第3シーズンにして完結篇。
MCUの映画やドラマ作品で登場したキャラクター達や設定を軸に、いわゆるパラレルワールドのような並行宇宙ではこんなことが… という展開の数々を描く。
まずもって、映画やドラマ版のMCU作品の数々を観てきていない人にとっては何をどう楽しめばいいのかほとんど全く分からない内容になっている。
自分は長年のMCUファンなので、タイトルでもある「What if...? (もしも)」の世界がどう「もしも」なのかについて理解ができたが、それを踏まえても、シーズン3まで続くとやや食傷気味で、何でもあり過ぎる世界観に惹き込まれる瞬間がほとんどなかった。
映画やドラマは当然として、原作のコミックも全部読破しているレベルのMCUマニアでもない限り、没入するほど楽しい鑑賞体験にはならないのではと感じる。
とはいえディズニー資本のマーベル・スタジオ製作とあって予算は潤沢なようで、アニメーションの品質の高さや安定した演出レベルがあり、ほとんどのキャラクターの声優も映画やドラマ版における同役の俳優を起用していたりで豪華だけれど、その豪華さが逆に虚しく感じるというか… 色々ともったいないなという印象しか残らなかった。
2008年の映画「アイアンマン」からスタートして以来、それこそ宇宙的規模で広がる (広げられる) 世界観がMCUの特色ともいえるが、中心となる最近の映画やドラマシリーズで目立つ明らかな綻びや品質の低下については、ファンとして贔屓目に鑑賞しているであろう自分でも気になってしまう。
このアニメーションシリーズで活躍したキャラクター達が映画やドラマに逆輸入のような形で登場するといった構想も製作者達の中にあるのかも知れないが、まずはMCUの本筋 (やはり映画シリーズになるだろう) の品質回復が実現するといいなぁ… と、今作と全然関係ない感想を持ちながら鑑賞してしまった。