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Cinema Review

リベンジ | Revenge (2018)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 5月5日
  • 読了時間: 2分


3.9/5.0

「サブスタンス」でカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞し、アカデミー賞5部門にもノミネートされたフランス出身の新進気鋭の女性映画監督 兼 脚本家コラリー・ファルジャによる長篇デビュー作品。


妻子を持つ男性と不倫関係にあった女性の主人公が、あるきっかけから男性達に凌辱されるだけでなく瀕死の重症まで負わされるが、しぶとく生き残り男性達に復讐を仕掛けるというシンプルな物語。

登場人物はほぼ4人と極めて少ないが、大胆ながら安定してハイレベルな演出センスによる物語の運びには退屈する間がなく、冒頭から終劇まで目が離せない。

ただ、全般的にバイオレンス描写の過激度がかなり高く、痛いシーンも連発するので、苦手な人は鑑賞を避けた方がいい。


この作品が他のサバイバル映画やアクション映画と一線を画している点としては、女性のコラリー・ファルジャだからこそともいえるメイルゲイズ (Male Gaze / 男性のまなざし = 女性は常に男性の欲望の対象として見做される) を受ける側の不快と恐怖が強烈に描かれているところがある。

かといって、女性が常に正義で男性はすべからく悪だといった過激なフェミニズムに偏重することもなく、主人公の女性も悲劇に遭うまでは男性達と同じく愚かで浅はかな人物として描かれており、性別関係なく登場人物達全員と突き放したような距離感を保つドライな演出スタイルが秀逸。

映画の冒頭と結末では主人公の女性がまるで別人格のように感じられる (男性優位社会への挑戦と勝利が象徴されているのだろう) 点も、分かりやす過ぎるかなとも感じたが、シンプルで面白い。


コラリー・ファルジャの作品には、これからも注目していきたい。

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Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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Kazari
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