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Cinema Review

ピースメイカー シーズン2 | Peacemaker Season2 (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 10月11日
  • 読了時間: 3分

3.4/5.0

これまでのDC映画に登場し人気を博したキャラクターの、ジョン・シナが演じる「ピースメイカー」を主人公に、DCEU (DCエクステンデッドユニバース) のシリーズとして製作されたシーズン1から新生DCU (DCユニバース) へと移行しながらも、シーズン1の直接的な続篇として製作されているドラマシリーズ。

DCスタジオの共同会長 兼 CEOに就任したジェームズ・ガン自ら原案・脚本・監督・製作総指揮を担っている。


家族を失った痛ましい過去を持つ主人公が偶然に足を踏み入れた並行世界では、その家族がまだ健在でヒーローとして活躍しており、主人公は何事も上手くいかない自身の世界から逃避して並行世界で生きていくことを考えるが… という、SF的な導入。

現実世界において、主人公はヒーローというよりもヴィランと呼ぶ方が適切といっていいほど悪行を重ねてきているが、繊細な性格の持ち主でもあり、自身の過去を悔いていて、常に真の友情や愛情を欲してもいるという複雑なキャラクターの魅力がある。

シーズン1に引き続き、ジョン・シナはその暴力性と複雑性を表現できる稀有な俳優であると感じられる。

そして、そんなヴィランな主人公に強烈な恨みと復讐心を持つキャラクター達も登場する。


ただ、ジェームズ・ガンが手掛ける映画やドラマならではの豪快なアクションやお下劣なギャグは健在ながら、奇跡的なレベルで面白かったシーズン1と比較すると、全8話構成の中に大きなヤマが見つけられず、最終話に至ってもカタルシスがなく、これは期待していた展開と違うなぁ… という気持ちになってしまった。

主人公がこちらで生きていこうと決意した並行世界の真実が分かるシーンには驚かされ、そこを軸に後半の物語が展開するのかと思ったが、全然そうでもなかったところには全然そうでもないんかいと突っ込んでしまった。

主人公以外のキャラクター達もみな魅力的で、全ての人物に脚本上の明確な役割が与えられてもいるし、このシーズンを通してのキャラクターアークもそれぞれ成立しているのだけれど。

最終盤の急展開にもすごく驚かされたが、DCU全体の展開の超巨大なクリフハンガーとしてそれが用意されたであろうことは理解できつつ、このドラマ単体の結末としてはあまり納得できるものではなかったし…


シーズン1が本当に面白いものだっただけにすごく期待しながら鑑賞した分、面白さよりも残念さが勝ってしまった。

ピースメイカーという複雑なキャラクターの魅力はまだまだ描かれる価値があると思うので、今後のDCU映画やドラマでも登場し、彼の物語が続いていくことに期待したい。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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