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Cinema Review

ジャックは一体何をした? | What Did Jack Do? (2017)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 4月12日
  • 読了時間: 1分


3.7/5.0

惜しまれながらも2025年1月に逝去した「カルトの帝王」ことデヴィッド・リンチによるモノクロ短篇。


ほとんどのシーンがリンチ自身が演じる刑事とその刑事に尋問されるジャックという猿の会話で構成されており、17分程度の短篇ながら、奇妙で不条理なリンチワールドを体感することができる。

殺害容疑をかけられた猿のジャックは (口元だけ人間の口が合成されていて) 喋ることができ、刑事との対話がいちおう成立しているのだが、その内容のほとんどが哲学的な言葉だったり解釈不能な単語で構成されていて噛み合わず、会話劇としての展開を理解することが極めて難しい。


誰もが理解できるような物語を作ることなどはなから興味がないと突き放されているように感じられながら、鑑賞者はその意味を深く考えてみたくなったり、ついていけないという絶望的な感覚そのものを楽しんだりできる、これぞリンチ作品ともいえる魅力が存分に詰まっている。


映画/ドラマのクリエイターとしてはもちろん、俳優としても素晴らしく魅力的だったリンチがもうこの世界にいない事実がとても悲しいが、リンチが遺した奇妙な作品達のそれぞれ唯一ともいえる価値は、これからもずっと孤高のものであり続けるだろう。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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Kazari
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