REBEL MOON - パート1: 炎の子 | Rebel Moon - Part One: A Child of Fire (2023)
3.7/5.0
ザック・スナイダー監督作品のファンなので、楽しみに待って公開初日に観賞した。
監督本人が公式に発言している通り、もともとは「スター・ウォーズ」シリーズの完全新作として書かれた物語がベースになった、しかも黒澤明監督の「七人の侍」に対するオマージュがはっきり分かる脚本だった。
その経緯を知らない人が観ても、何だか「スター・ウォーズ」のようでそうではないという、少し不思議な映画に感じられるのではと思った。
監督の強烈な才能ともいえる外連味と大胆さに溢れる演出は、この作品でも存分に発揮されている。
ただ、製作開始当初から前後篇の2部作を前提としていることもあるのか、世界中のファンが期待していたであろう超大スケールな舞台やアクションがあったかといえば、少なくともPart1に限定すれば少し微妙だったようにも思う。
この映画における七人の侍役のキャラクター達はどれも魅力的で、特にペ・ドゥナが演じる剣士は明らかに「スター・ウォーズ」でいうところの世捨て人となったジェダイといった貫禄があるが、それ (ジェダイにしか見えないこと) が良いことなのか悪いことなのかは何とも言えない。
しかしこのあたりもPart1ということで、まずはそれぞれの紹介までというニュアンスの方が強かった。
1本の映画としてはそつなく仕上がっており充分に面白い映画だったと感じつつ、世界観・演出・キャラクターに既視感を覚えてしまったところが少し残念に思う。
後篇のPart2と合わせて観賞すれば、このPart1への見え方も少し変わるだろうか。
期待して待ちたい。