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Cinema Review

マキシーン | MaXXXine (2024)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 10月25日
  • 読了時間: 2分

3.4/5.0

ホラー作品を多く手掛けてきたタイ・ウェストが脚本・監督を担う「X3部作」の完結篇で、1作目の「X (2022)」と2作目の「Pearl (2022)」に続き、新世代の俳優達の中でも個性がひときわ輝くミア・ゴスが主演するホラー映画。

シリーズ3作目となる今作の主人公は、「X (2022)」の主人公でもあったマキシーン。


ポルノビデオへの出演で人気を得ながらもハリウッドで真のスター俳優になることを夢見る主人公が、新作ホラー映画のオーディションに挑み、見事主演の座を勝ち取る。

一方で、ハリウッドでは連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」による凶悪な事件が続発しており、主人公の周辺でも俳優達が次々と殺害されていく。

やがて主人公の前に、彼女が経験した惨劇を知る者が現れる。


ここ10年ほどずっと繰り返されているような印象もある、映画やドラマにおける80年代カルチャーの再現は、特に目新しい部分はない。

が、タイ・ウェストによる演出は丁寧かつ安定的で、物語の世界観構築が上手だなと感じる。

なんといっても主人公役を担っているミア・ゴスの強烈な存在感やカリスマ性が、作品を支える軸となっている。

その強烈さは、脇役として出演しているケヴィン・ベーコン、エリザベス・デビッキ、ジャンカルロ・エスポジートといった大御所俳優達の存在感すらやや霞んで見えるほど。


単なるスラッシャーホラーにとどまらず、過去の2作から通底して描かれてきた「欲望」や「女性の自己実現」にまつわるテーマ性を感じることはできるものの、今作を単品として鑑賞すると、物語の展開に大きな驚きやツイストが感じられず、少し残念だった。

3部作を連続で鑑賞すればそれぞれに関連する部分で面白さが増しそうではあるけれど…

ホラー映画の伝統的な部分はしっかりと踏襲しながら、前述のようなテーマ性が組み込まれた米国ならではの暗黒寓話として3部作が仕立てられているところには、ちょっと感心した。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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