アイアンハート | Ironheart (2025)
- Shoji Taniguchi

- 7月12日
- 読了時間: 2分
3.0/5.0
マーベル・スタジオが製作・展開するマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するドラマシリーズで、MCU映画「ブラックパンサー」の脚本・監督を担ったライアン・クーグラーが製作総指揮として関わっている。
主人公のリリ・ウィリアムズ / アイアンハートを演じるのはライジングスターな俳優といっていいであろう、ドミニク・ソーン。
天才的な頭脳を持つ発明家の主人公が、MCUにおける超重要キャラクターであったアイアンマン / トニー・スタークの精神を受け継ぎアイアンハートとして世界の守護者となり得るのか、という壮大な物語が展開するのかなと事前に予想していたら、良くも悪くも予想は大外れで、もっとストリートレベルでとても個人的なスケールの脚本だった。
壮大でなくとも楽しい映画やドラマはたくさんあるのだけれど、今作は楽しい部分よりも暗く悲しい部分にフォーカスがあたりがちで、若き主人公の葛藤と成長が描かれる冒険譚というよりも、危険な領域に足を踏み入れてしまった未熟な若者の犯罪スリラーのような展開の連続で、胸のすくような展開も爽快感もほとんどないことに驚いた。
高度なテクノロジー同士のぶつかり合いといったSFアクションにとどまらず、テクノロジーの真逆ともいえる魔術をヴィラン側が駆使するという展開は新鮮で面白く感じたが、その使われ方や描かれ方もやや消化不良な印象。
マーベルファンがいつMCU登場するのかと待ち望んできたある重要キャラクターが満を持して登場する終盤では、そのキャスティングも含めて驚きがあったが、例によってその本格的な活躍は今後の映画やドラマシリーズに期待、といった程度の顔見せにとどまっていたところが残念。
俳優達それぞれの好演が光りながらも、総合的な読後感としてはどうにもノリが悪くハイライトも少ない、寂しい作品になってしまったという印象。
クリフハンガーの演出には少し驚きがあり、それは今後のMCUの世界でどう展開が描かれるのか気になった。
が、「エンドゲーム」以来やや迷走が続いているMCUということもあり、期待よりも不安が勝る…



























