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Cinema Review

サンダーボルツ* | Thunderbolts* (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 5月4日
  • 読了時間: 2分


4.2/5.0

マーベル・スタジオが製作・展開するマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属する36作品目の映画で、これまでのMCU作品でヴィランや無法者として登場したキャラクター達がチームとなり、世界的な脅威に立ち向かう。

「BEEF」や「スター・ウォーズ: スケルトン・クルー」等のドラマでエピソード監督を務めたジェイク・シュライアーが監督を、「ミッドサマー」「オッペンハイマー」「デューン 砂の惑星 Part2」等の話題作に出演し若きスーパースターとして活躍するフローレンス・ピューが主演を担っている。


これまでのMCUで既に登場したキャラクター達と、同じくこれまでのMCUで語られたストーリーを前提にした脚本なので、古参のファンでなければ作品の楽しみ方が浅くなってしまいそうという点は変わらずある。

ただ、フローレンス・ピューをはじめ主要キャラクターを演じる俳優達の演技が素晴らしく、それぞれの人物の背景や人生についての説得力があり、今作から遡る形で主要キャラクターの過去登場作品を鑑賞したいと感じる人もいるかも知れない。


今作の脚本はこれまでのMCU作品ではあまり語られてこなかった、ヒーローやヴィランと呼ばれる人間達のメンタルヘルスの問題という、とてもセンシティブで重要なテーマについての挑戦があり、その点が作品のオリジナリティとなっている。

作品全体の色彩設計も、登場キャラクター達のメンタルコンディションが反映されているかのように鈍く沈みながらも上質で、賑やかで華々しいトーンの他MCU作品とは一線を画している。


間違いなくMCU史上最強といえる、神にも匹敵する能力を得た新ヒーローおよびヴィランが登場し、寄せ集めメンバーのサンダーボルツが対峙するが全く刃が立たないという情けないシーンの描かれ方がとても新鮮で面白い。

これほど絶望的な闘いにどう勝利するのか? という展開からの決着の付け方も、作品のテーマが昇華されていてとても感動的だった。

また、MCUの持ち味ともいえるユーモア演出にもこれまでとは違った自然体なしょうもなさがあり、ツボに入って笑ってしまうシーンが何度もあった。


MCU全体を通しても、今作は高い完成度があり重要度も高い作品になりそうだが、あるキャラクターの扱われ方の雑さだけがすごく気になり、今作や脚本の外の製作側で事情があったのだろうか… と感じてしまって気が削がれたところだけが残念。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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