ブラック・ミラー シーズン7: おもちゃの一種 | Black Mirror Season 7: Plaything (2025)
- Shoji Taniguchi
- 3 日前
- 読了時間: 2分
更新日:21 分前
3.7/5.0
脚本家・プロデューサー・社会評論家としてマルチな才能を発揮する英国出身のクリエイター、チャーリー・ブルッカーが原案と製作総指揮を手掛けるSFアンソロジーで、もともとは英国TV局のChannel 4で放送されていたが、シーズン3からはNETFLIXによって製作・配信されているドラマシリーズ。
イギリス発の作品ということで、いかにもなブリティッシュ・ジョークが効いた巧みな脚本構成が特徴的。
「おもちゃの一種」は、ゲームの世界を通して描かれる、生命の定義についての問いとその進化についての物語。
「ザ・スーサイド・スクワッド "極" 悪党、集結」や「ドクター・フー」のピーター・カパルディとスコットランド出身の若手俳優ルイス・グリッベンが、年老いた主人公と若き日の主人公を2人1役で演じている。
万引き未遂をきっかけに逮捕されたみすぼらしい男が、警察の取り調べに対し、何十年にもわたる自身の物語を "自供" する。
ゲーム雑誌の記者として働いていた彼は、カリスマ的な人気を誇るゲーム開発者への取材時に、その開発者の最新作を出来心で持ち帰ってしまう。
それはゲームの新作という枠を大きく越えた、デジタル生命体をPC内で育成するソフトウェアだった… という導入は、SF好きの自分にはゾクゾクするほど面白かった。
今やすっかり老人となった男は、デジタル生命体達との対話を通して何を知り、どのような使命を自身に課したのか。
彼が過去に犯した罪とは何か。まるで意図的に逮捕されたようにも思える彼の、本当の願いとは何なのか。
現在と過去を往復しながら少しずつ真相が見えてくる脚本構成が巧み。
結末は予想がついたけれど、そこに至るまでの展開やミステリー演出の上手さもあって、上質なSF小説短篇を読み終えた時のような読後感が残った。