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Cinema Review

デスプルーフ in グラインドハウス | Quentin Tarantino's Death Proof (2007)

  • Writer: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 4 days ago
  • 2 min read

Updated: 10 hours ago


3.9/5.0

攻めた作風でありながら巨匠の地位にまで登りつめたといってもいいであろうクエンティン・タランティーノが脚本・撮影・監督を担ったバイオレンスアクション映画。

アクション俳優としての地位を確立しつつも様々なジャンルの映画に出演する演技派俳優のカート・ラッセルが印象的な悪役を演じており、スタントウーマンのゾーイ・ベルは本人役として出演。ロザリオ・ドーソンやメアリー・エリザベス・ウィンステッドもゾーイの友人役で出演していて、さすがタランティーノ映画という豪華さ。


「耐死仕様 (デス・プルーフ)」に整備した自動車を持つスタントマン・マイクが、若い美女達を襲う。

しかし美女達もただ無力に逃げ回るばかりではなく、反撃に転じ復讐を果たそうとする。

物語をまとめるとたったそれだけ? と思ってしまうほどシンプルだけれど、タランティーノ映画とあって、やはり会話劇をはじめとする様々な演出が面白く、退屈する瞬間がない。

この映画で描かれている時代は現代 (映画が製作された2007年) でありながら、70年代に米国のドライブイン等でよくかかっていた当時の低予算なB級映画の画質や編集の粗さを徹底的なレベルで再現しており、それでいてアクションやスタントのレベルは超A級という捻じれが発生していて、とても面白い。

ほぼVFX使用ゼロで撮られたという今作のカーアクションやゾーイ・ベルによるスタントの迫力は必見レベル。


映画作品内における女性の立ち位置が弱かった (凶悪な殺人鬼の男性に追い回されてただ殺されるような役が多かった) 時代の映画的質感を完璧に再現しながら、女性達が殺人鬼に逆襲し制圧するという物語を形にすることで、女性像の反転 (あるいは映画史としての集合記憶の更新) を図るということがタランティーノ監督の意図したところなのだろう。

バイオレンスでありながら鑑賞後の読後感が爽快なこの作品の中でも特筆すべきは、スタッフロールに突入するタイミング。

え、ここで? という思いと、いや終わるならここしかない! という思いを同時にする、決定的な瞬間がある。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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