アマチュア | The Amateur (2025)
- Shoji Taniguchi

- 9月1日
- 読了時間: 2分
3.4/5.0
ロバート・リテルによる同題小説を原作とするサスペンス映画で、ドラマ版「スノーピアサー」の監督や製作総指揮を担ったジェームズ・ホーズが監督を担っている。
主演は「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じ高い評価を得たラミ・マレック、その妻役を「スーパーマン (2025)」のロイス・レイン役で一躍有名になったレイチェル・ブロズナハンが演じる。
CIAで分析官として働く主人公が、テロ組織に妻を殺されたことからその実行犯達への復讐を誓うが、デスクワーク専門で戦闘に関してはアマチュアな主人公は、持ち前の高い知能を活かして孤独な闘いに挑むという物語。
いわゆるスパイものではあるが、007やミッション・インポッシブルといった有名シリーズのようなド派手で豪快なアクションはほとんどなく、あくまでも知能で復讐の対象を追い詰めていくという展開が新鮮。
主人公がその高度な知識であっという間に実行犯達の正体を特定していく一連のシーンは、フィクションならではの (いやそこまでは実際はできないでしょ〜と感じる) 飛躍もありながら、映画ならではのワクワクを感じられる。
ラミ・マレックの演技力は卓越しており、最愛の妻を失った哀しみ、復讐の燃料となる怒り、慣れない行動やその結果への動揺といった様々な感情が、抑圧的ながらも繊細に表現されている。
脇役として出演するローレンス・フィッシュバーンやジョン・バーンサルの存在感も流石という印象だけれど、脚本上その役の存在がそれほど上手に活かされていなかったところは、やや物足りなく感じてしまった。
演出は総じて高いレベルで安定していて、鈍色な画の質感やアートディレクションも上質、俳優陣の演技にもケチをつけるようなところはないのだけれど…
すごく面白い映画だった! という読後感にはならなかったのはやはり、他のスパイ映画と比較すると展開が地味だからだろうか。



























