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Cinema Review

シンパシー・フォー・ザ・デビル | Sympathy for the Devil (2023)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 6 日前
  • 読了時間: 2分

3.5/5.0

みんな大好きニコラス・ケイジが主演と製作をしているスリラー映画で、イスラエル出身のユヴァル・アドラーが監督を担っている。

「ザ・スーサイド・スクワッド "極" 悪党、集結」や「オルタード・カーボン」「ロボコップ (2014)」等の激しめな映画やドラマで存在感を放ってきたジョエル・キナマンが、ニコラス・ケイジが扮する謎の男と対峙する会社員を演じている。


妻の出産に立ち会おうと病院へ急ぐ主人公が、目的地にたどり着く直前で謎の男に遭遇し、地獄のドライブが始まる… という導入にはドキドキさせられる。

これまで肉体的にも精神的にも屈強な男性を演じることが多かったジョエル・キナマンが、いかにも一般人という風情の男性を演じているところが印象的。

ニコラス・ケイジは相変わらずのニコラス・ケイジだけれど、真意が読めない狂気的な役柄を演じることにかけては天才的な俳優だとあらためて感じる。


謎の男の正体は何なのか、主人公が理不尽なまでに追い詰められる理由はどこにあるのかが、物語が展開していく中で次第に明らかになってくるが、それを描き出す演出のレベルは安定して高品質なものの、やや変化感に乏しい。

車中という限定空間を舞台の中心としているので画的な変化を作るのが簡単ではない中、丁寧な心理描写や緊迫感のある会話劇は楽しめるのだが…

2人の過去にまつわるエピソードの数々が、会話で語られるのみだからだろうか。

また、その真相と結末については、こういったスリラージャンルの物語の典型を越えていない印象で、やや期待値以下だった。

タイトルに「デビル」とあるので、もっと現世の枠を越えて超常的な、人間が背負う罪と罰とはといったところまで飛躍するのかなと期待していたのだけれど。


ニコラス・ケイジとジョエル・キナマンという2大スーパースターの素晴らしい演技力があって終劇まで退屈することなく鑑賞することができたが、傑作だというには届かない、やや惜しい映画だなという読後感が残った。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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