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Cinema Review

スター・トレック | Star Trek (2009)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 2月16日
  • 読了時間: 2分


4.1/5.0

「ミッション: インポッシブル」「クローバーフィールド」「スター・ウォーズ」シリーズなど、ハリウッドを代表する映画やドラマの製作者であるJ・J・エイブラムスが手掛けた、1966年から続く超有名SFシリーズのリブート版としての1作目。


SFジャンルの作品であることを最大限に活用したともいえる、旧シリーズにおけるある人物達の未来から過去へのタイムトラベルによる歴史改変をリブート (歴史の分岐) のきっかけにするというアイデアが衝撃的に面白く、初鑑賞時には驚きで声が出そうになった。

J・J・エイブラムスが得意とするケレン味いっぱいでダイナミックな演出が冒頭から全開で、オープニングからタイトルが登場するまでの一連のシーンが、スター・トレックの新しい歴史がここから始まるのだという宣言となっている。

画づくりだけでなく、マイケル・ジアッキーノによる劇伴の使われ方も全篇を通して見事で、とても劇的。


リブート版とはいえ1作目なので、旧シリーズで登場した主人公とその周辺の個性的な人物が次々と登場する流れも自然で、昔からのファンにも新規の鑑賞者にも無理なく物語に没入できる形になっており、冒頭で提示される歴史の分岐も含め、アレックス・カーツマンとロベルト・オーチーによる脚本構成の巧みさに感心する。

それぞれの役柄を演じる俳優も、主人公を演じるクリス・パインをはじめ、ザカリー・クイント、カール・アーバン、ゾーイ・サルダナ、サイモン・ペッグ、ジョン・チョー、アントン・イェルチンと個性的かつ力量のある俳優が揃っていて安定感があり、観ていてとてもワクワクする。

リブートでありながら旧シリーズの重要人物 (スポックを演じるレナード・ニモイ) も旧シリーズと同じ役柄で登場し、新旧シリーズの橋渡しとなっているところも面白い。


J・J・エイブラムスはスター・トレックシリーズとその製作者達の功績に敬意を払いながらも、シリーズに対して特別に熱量の高いファンではなかったと公言しているが、今作においてはそのバランス感覚がすごく上手に働いている。

リスペクトが過度にあり過ぎれば過去作をただ模倣してなぞるような作品にとどまってしまうし、リスペクトが足りな過ぎればこんなものはスター・トレックじゃないという反発も起きることが予想された中で、難しく責任の重い仕事にほぼ完璧な内容と品質で応えているように思う。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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