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Cinema Review

殺人の追憶 | Memories of Murder (2003)



5.0/5.0

自分にとって初めて本格的に鑑賞した韓国映画で、今や世界的にその才能が認められたポン・ジュノ監督のキャリア初期の作品。韓国で実際に起きた痛ましい事件をベースとした脚本の構成力や演出の凄みに圧倒された。


陰鬱とした重苦しい空気が映画を支配していて、現代的なモラルに照らせば目を背けたくなるようなシーンも多いので、観る人を選ぶことは間違いなさそうだが、事件当時の1980年代の韓国が抱えていた閉塞的な空気感や、その時代を生きた人間たちの息遣いを再現するという意味で、相当に誠実かつハイレベルな映画表現を成立させている。


ソン・ガンホが演じる主人公の刑事のひとりが終幕の瞬間に見せる表情には、映画的結末に至るまでの様々な経緯と感情が複雑に織り込まれており、その俳優の演技力と監督の演出力は凄まじい。


史実がベースではあるもののフィクショナルな映画作品として観ていた鑑賞者に向けて、ある意味でメタ構造的な問いのメッセージを、スクリーンや時代を超越して投げかけているように感じた。


なかなか他作品では観られないこの作品の空気感と衝撃的な幕切れは、映画ファンならば一見の価値があると思う。



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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ