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Cinema Review

フォールアウト | Fallout (2024)



3.9/5.0

このドラマの原作となるゲームシリーズのユーザではないながら、その世界観やトーン&マナーがすごく自分好みだったことと、製作者のジョナサン・ノーランに注目していることもあり、公開日を楽しみに待ち一気に観賞した。


ゲームシリーズのユーザやファンには嬉しいモチーフやシーンがたくさんあるのだろうなと何度か感じつつも、自分のような非ユーザが置いてけぼりの気分になるような閉じた作劇にはなっていなかったので安心した。

ディストピアな世界観なのにどこかしら間抜けさや能天気さがあったり、牧歌的な劇伴に凄惨な (主にグロテスクな) 画が重なったり、その絶妙なバランスの演出には強いオリジナリティがある。

遠い未来の物語だけれどガジェットはレトロフューチャーだったりで、それはきっと原作のゲームが生み出した世界観なのだろうけれど、どこかの時点で私達の歴史と分岐したパラレルな人類史とでもいうような不思議なSFとなっている。


登場人物は多いながらも、物語の中心となる主要キャラクターの数が数名に絞られていて、混乱することはほとんどない、というよりむしろ、広大な世界を舞台にした物語がほんの数人を軸にしか展開しないので、もう少し他の人物にも役割を作って、同時進行的に物語が広がってもいいんじゃないかなと感じるほど。

ただ、昔からファンだったカイル・マクラクランが重要な役どころで出演していたことはとても嬉しかった。


シーズン1が公開される前からシーズン2の製作が決定したという話もあり、さすがだなと思うが、正直いうとシーズン1の8話だけでもある程度の結末感とさらに物語が広がる可能性の両方を併せ持つ脚本にしてほしかったなという読後感も残る。

シーズン1の最終話には大きな展開があり、ある程度の結末性があるといえばあるのだけれど… シーズン2も作る気まんまんです、続きをお楽しみに的な作りがやや強く、なんだか少し中途半端だなという印象だった。

とはいえドラマシリーズとしての完成度はとても高いと感じたので、続きを楽しみに待ちたい。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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