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Cinema Review

ブリック | Brick (2025)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 7月13日
  • 読了時間: 2分

3.4/5.0

ドイツ製作によるミステリー/スリラーのNETFLIX映画で、ザック・スナイダー監督の「アーミー・オブ・ザ・デッド」に出演していたマティアス・シュヴァイクホファーが主人公を演じている。


主人公夫婦の2人が自宅で目覚めると、アパート全体が黒いレンガに覆われ完全に封鎖されていることに気づくという、SF的で不条理シチュエーションの導入は面白い。

夫婦は隣人たちと協力しながらアパートからの脱出のために試行錯誤するのだが、極限状況に追い込まれた人物達の関係性や心理描写に惹き込まれる。

ハリウッド映画のような派手さはないけれど、ドイツ映画らしいダークな静謐さがなかなか魅力的。


今なおカルト的な人気を誇る不条理密室SFの傑作「CUBE (1997)」を思い出す人も多そうだが、今作は良くも悪くも心理描写に重きが置かれており、観る人によって好みが分かれるかもしれない。

個人的には、主人公夫婦の間に存在する隔たりとその理由に心が痛み、その2人が陥ってしまっている状況のメタファーとして解釈することもできる「壁 (による閉鎖空間)」の設定を面白いと感じた。

主人公夫婦以外のキャラクター達の描かれ方がやや類型的で弱い印象があったが、主人公夫婦の心理描写に焦点を絞って作劇しているともいえるし、脚本に致命的な欠陥があるというわけでもない。


謎解き要素は多くはないながらもきちんと存在し、結末にも賛否両論が発生するかもしれないと感じたが、現代社会への問や解釈の余地を大きく残す終劇のあり方も、これはこれで価値ある作品だといえるのではないか。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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Kazari
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