top of page
Shoji Taniguchi.com logotype

Cinema Review

スマイル2 | Smile 2 (2024)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 3月16日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月24日



3.8/5.0

不気味な笑顔を浮かべた人間が次々と自殺するというショッキングなホラー映画「スマイル (2022)」の続篇で、前作の監督だったパーカー・フィンが今作でも原作・脚本・監督を担っている。


前作の直後から物語が始まる形でその設定が直結しているが、今作の主人公は世界的に有名なアーティストで、比較的質素な舞台が多かった前作と比較すると画が都会的でとっても派手。

低予算で製作された前作が世界中で数百億円の興行収入を記録したことで、予算が大幅に増えたからだろう。


主人公が超常現象的な怪異に巻き込まれ、自身のトラウマ体験とも向き合うことを余儀なくされながらその事態の打開を計るというシンプルな脚本の中に、前作に引き続きゾワッとするほど強烈に怖い画がたくさん組み込まれている。

脚本の粗をあげようと思えば色々気になるけれど、この映画はそういった整合性よりはジャンプスケアも含めた恐怖演出に重点を置いていることが明らかなので、あまり深く考えずそれを楽しむことが正解のように思う。

画の表現が強烈なのでそこに注目が集まりそうだけれど、落ち着かない気持ちにさせる不気味なサウンドデザインもレベルが高い。


主人公を演じるナオミ・スコットの存在感は抜群で、その美しさで画をもたせる力があることはもちろんなのだけれど、誰もが憧れるであろう才能を持つスーパースターでありながら同時に精神性が未成熟かつクズでもあるという強烈な個性を持つ人物を演じきっており、素晴らしい俳優だと感じた。


ゴアなシーンや怪異の正体が現れるシーンの強い実存感が印象に残ったのでメイキング映像を探してみたら、CGで何でもできるであろうこの時代に、1980年代のSFやホラー映画の舞台裏を思わせるほどのアナログ手法で実物ベースの撮影をしていたことを知った。

監督のマニアックなこだわりやプライドをそこに感じ、楽しい気持ちになった。

最近の記事

Shoji Taniguchi profile photo

Auther:

Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

  • LinkedIn
  • Facebook
  • YouTube
  • X
  • Instagram

美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

お仕事のご依頼やお問い合わせはこちらから

© 1998-2025 Shoji Taniguchi

Kazari
Kazari
bottom of page