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Cinema Review

ソウX | Saw X (2023)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 3月2日
  • 読了時間: 2分


3.0/5.0

2004年に公開された1作目の衝撃的な物語から大人気ホラーシリーズとなった「ソウ」の10作目で、1作目から編集でシリーズに関わり、6作目と7作目では監督も務めたケヴィン・グルタートが今作の監督と編集を担っている。


今作の時系列での位置づけは1作目と2作目の間になるが、シリーズのファンでもそうではなくとも、脚本に大きく影響することではないのでそれほど気にする必要もない。

シリーズのファンにとっては、その生死に関係なくシリーズ全体を支配し続ける主人公ともいえる猟奇殺人鬼ジグソウが復活する (正確にはまだ存命) という意味において、原点回帰的な楽しみがあるといえばある。

末期がんを患った主人公が奇跡的な治療法を求めメキシコへ渡るが、自分が悪質な医療詐欺に巻き込まれたと知って絶望し、詐欺師達への復讐を行うという筋書き。


シリーズの特別なファンではないながら何となくこれまで全作を観てきた自分は、毎回極限レベルに痛そうでグロテスクながら同時に笑ってしまうぐらいクリエイティブな殺人システムの数々に興味があり、今回はどんな仕掛けが発明されているのかが気になって鑑賞したが、その点では今回も退屈はしなかった。

ジグソウが標的と設定した人々が一方的かつ残虐に殺されるのではなく、自身を痛めつける (ジグソウにとっての救済措置であり贖罪) 行為を完遂すればギリギリ命だけは助かる仕掛けになっているところが、他のホラー映画シリーズとは違ったソウシリーズ独自の個性といえる。

主人公でありながら猟奇殺人鬼でもあるジグソウという存在なりに、「命の尊厳」についての強固な哲学を持っているところが面白い。


とはいえ、10作目ともなるとやはり物語の設定や脚本のツイストにも斬新なアイデアを見つけることが難しく、長く続くシリーズの宿命としてあるマンネリとその打破に挑む製作者達の苦しみがそのまま作品に出てきてしまっているようにも感じられ、うーんこのシリーズはいつまで続くのだろうと思ってしまった。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

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