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Cinema Review

タイタン | The Titan (2018)

  • 執筆者の写真: Shoji Taniguchi
    Shoji Taniguchi
  • 3月16日
  • 読了時間: 2分

更新日:3月24日



2.9/5.0

「アバター」シリーズや「ターミネーター4」に出演していたサム・ワーシントンが主演しているSF映画で、NETFLIX資本で製作・配信されている、いわゆるNETFLIXオリジナル (B級) 映画の1篇といえそうな作品。


未来において人口爆発と環境破壊による絶滅の危機に直面した人類が、土星の衛星タイタンへの移住を計画し、その過酷な環境へ適応するための「強制進化」ともいえる人体改造実験が行われる、という物語。

軍隊で働いていた主人公は従軍時のサバイバル経験を評価されてその実験対象に選ばれるが、前人未到で成功が保証されていない改造のため、同僚達は次々と命を落としていく。


製作者達はおそらく、予測不能な人体変容とそれによる人間性の喪失といった部分の描き方において、巨匠デヴィッド・クローネンバーグによるホラー映画「ザ・フライ (1986)」あたりに敬意を払いながら参照したのだろうと感じた。

人類のためとはいえその行為に倫理的に問題はないのかといった科学者のジレンマについても描かれてはいたが、どうもそのあたりが曖昧なまま決着せずに物語が進んでいくので、テーマについての踏み込みが浅い印象が残ってしまう。


脚本としていちばん気になったのは、仮に人類の誰かが過酷な強制進化に成功しタイタンへの移住が実現したとしても、そんなに改造の成功率が低いのなら、移住できるのは結局ほんの一握りに限られて、大半の人類は改造に耐えきれず絶滅してしまうのでは… という点。

派手な画づくりはほとんどないながらもテーマには興味があったので最後まで鑑賞できたが、やや微妙な消化不良感が残るB級映画だった。

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Shoji Taniguchi | 谷口 昇司

Creative Director

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美術大学にて映像を中心に学び

現在はマーケティング業界で働き中

映画やドラマを観ている時間が幸せ

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Kazari
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