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空の検索で269件の結果が見つかりました。

  • テリファー 聖夜の悪夢 | Terrifier 3 (2024)

    1.5/5.0 特殊メイクアーティストとしてキャリアを重ねてきたダミアン・レオーネが作り出したスプラッタホラーシリーズ「テリファー」の3作目で、シリーズ全篇を通じて登場する殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」役をデヴィッド・ハワード・ソーントンが演じている。 今作の主人公は2作目からの続投で、スタントや武道家として活躍するローレン・ラベラ。 ストーリーはあってないようなものだけれど、今作はクリスマス前後が舞台となっており、サンタクロースではなく殺人ピエロがやってきて街を赤く染めるといった大筋。 主人公とその弟役は前作で起きた惨劇からの生還者で、今回も殺人ピエロと対峙する。 特殊メイクアーティスト出身の監督ならではだが、1作目が極めて低予算で製作されながら異例の注目を浴びた理由は、そのスプラッタ描写の凄まじさにあるだろうし、このシリーズの特色はそれに尽きると言ってもいいだろう。 仮に思いついても誰もやらないだろうと思うようなゴアな描写が目白押しで、コンディションが良くない時に見ると体調が悪化しそうなほど。 良識のある映画製作者達が明確な描写を避けてきた子どもに対する残虐描写も今作では山ほどあり、ものすごく気分が悪くなる。 物言わぬピエロという設定に忠実なアート・ザ・クラウンというキャラクターの、言葉を一切発せず表情と身体演技だけで全てを表現するチャーミングな不気味さも強烈で、ホラー映画の歴史におけるアイコニックな存在となる可能性がある。 ただ、シリーズの新作が公開されるたびに、興味本位で見てはしまうものの、なぜか好きにはなれない。 やはり残虐描写への遠慮がなさ過ぎるところと、主要人物達の描写があまりにもおざなり過ぎるところが理由かもしれない。 その中でも主演のローレン・ラベラは俳優としてすごく魅力的で、今作でも血まみれになりながら好演していたと感じる。 https://filmarks.com/movies/113389/reviews/198913450

  • コンパニオン | Companion (2025)

    3.9/5.0 今作が長篇初監督作となるドリュー・ハンコックが脚本と監督を担ったスリラーで、ドラマ「ボバ・フェット」等に出演していたソフィー・サッチャーが主人公を、ドラマ「ザ・ボーイズ」で一躍有名になったジャック・クエイドがそのパートナー役を演じている。 詳しく書くとネタバレになり未見の方の興を削いでしまうので避けるが、ツイスト豊かな脚本構成がとても巧みで、物語が進むにつれ作品のジャンル自体がどんどん転回していく予測不能な面白さがある。 いわゆる男性中心主義で女性蔑視的なトキシック・マスキュリニティをテーマに取り入れながら、決してそれにとどまらないアクロバティックな物語の飛躍があり、非凡なセンスを感じた。 それぞれのアングルや編集のカッティングは比較的オーソドックスだけれど、画全体のレイアウトの美しさや衣装デザインといった細かいところまで、高いレベルのアートディレクションが行われている。 主演のソフィー・サッチャーは、外見的な魅力はもちろんのこと、この作品の脚本上要求される様々な演技に対し見事に応えていて、これからさらに注目されてスター俳優になっていくのではないかと感じた。 そして、ジャック・クエイドは情けなくてろくでもないキャラクターを演じることにかけては天才的ともいえる俳優だ。 https://filmarks.com/movies/119366/reviews/198913363

  • プレデター: 最凶頂上決戦 | Predator: Killer of Killers (2025)

    4.1/5.0 残虐描写が過激なSFアクション「プレデター」シリーズに属する作品で、異なる時代に生きる3人の主人公が狩猟文化を中心に発達した異星人と闘うという設定の、アンソロジー形式のアニメーション映画。 第1章「盾」はバイキングの女性戦士、第2章「剣」は封建時代に生きる侍と忍者、第3章「弾」は第二次世界大戦下の連合軍パイロットと、それぞれの時代背景や文脈がテンポよくかつ丁寧に描かれながら、そこに強い異物感のある異星人が登場し始まる死闘とその結末まで、演出のレベルがとても高い。 シリーズ初となるアニメーション表現の品質の高さによる視覚的快感もあって、その物語に惹き込まれる。 今作を監督したダン・トラクテンバーグはドラマ「ブラック・ミラー」や「ザ・ボーイズ」といったダークで激しめなドラマシリーズでも監督を担ってきており、エッジの効いた演出が得意なクリエイター。 シリーズの前作「プレデター: ザ・プレイ」でも監督を手掛け、高い評価を受けて次回作「プレデター: バッドランド」でも続投しているが、今作品も一般・批評家ともに絶賛に近い評価をされており、今後のプレデターシリーズを牽引するキーパーソンとなっていくかもしれない。 https://filmarks.com/movies/122172/reviews/198913334

  • フィアー・ストリート: プロムクイーン | Fear Street: Prom Queen (2025)

    2.5/5.0 R・L・スタインの小説シリーズを原作とするNETFLIXオリジナル映画シリーズの4作目で、呪われた町「シェイディサイド」を舞台として、高校生達を中心に描くホラー。 1〜3作目と世界観や設定は共通しているが、脚本上のつながりはあまりないので、単独作品として観ることもできる。 80年代の米国のプロムカルチャーのハイレベルな再現や当時の人気楽曲を用いた演出はある程度楽しさがあるが、70〜90年代を再現する映画やドラマがここ数年で大量に生まれて飽和しており、それだけでは感心するような内容にはならない。 同じく当時流行していたスラッシャーホラーの再現が見どころといえば見どころだけれど、それにもすごく新鮮さや驚きがあるかというと、そうでもないというところが少し残念。 良くも悪くもテンプレート的というか、予想がつく範囲のことしか起きない印象で、退屈してしまう。 残虐な真犯人の正体が判明するところでは、多少の驚きはあるものの、何だか強引さも感じてしまう… 主人公を中心とする女子高校生役の俳優達はみな魅力的だし好演もしていたと思うけれど、主人公とそのライバル役以外は序盤でかなり駆け足に設定が紹介されるのみで、その後にほとんどキャラクターの掘り下げがないため、劇中で殺されるためだけに配役されたように感じられてしまって気の毒だった。 1〜3作目までは、すごく印象に残るとまではいかないまでも、脚本上の工夫もありホラー映画シリーズとしてそれなりに楽しく鑑賞したのだけれど、なぜそこから微妙に間が空いたタイミングでこの (明らかに脚本の品質が下がった) 4作目が製作されたのかがちょっと分からなかった。 https://filmarks.com/movies/121084/reviews/198913406

  • ラブ、デス&ロボット シーズン4 | Love, Death & Robots Season 4 (2025)

    3.8/5.0 エッジィな作風で知られる映画監督のティム・ミラーとデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮として携わり、ミラーが設立したブラー・スタジオが製作する、NETFLIX配信のショートアニメーションシリーズ。 どの作品も数分から数十分程度の短篇ながら、それぞれに強烈な世界観と作風がある。 特に#1「Can't Stop」と#4「400 Boys | 400番街のボーイズ」は傑作! 「Can't Stop」4.4/5.0 レッド・ホット・チリ・ペッパーズによるライブコンサートの熱狂をバンドメンバーも観客もマリオネット (のCG) で表現するという演出のクレイジーさに度肝を抜かれる。 レッチリ全員の演技/演奏の超絶再現は、もう本人にしか見えないレベル。 「Close Encounters of the Mini Kind | ミニとの遭遇」3.9/5.0 異星人による地球への侵略が、ミニチュア撮影の視点とトーンで描かれる。 壮絶で凄まじい闘いと、極小世界で描かれる演出 (神の視点なのかも) のギャップが面白い。 「Spider Rose | スパイダー・ローズ」3.7/5.0 ハードかつバイオレンスなSF復讐劇。 物語としてはよくまとまっているが、それほど大きな驚きは得られなかった。 「400 Boys | 400番街のボーイズ」4.9/5.0 荒廃した世界で、生き残ったギャング達が驚異の存在達と対峙する。 日本の漫画やアニメーション (特に大友克洋の「AKIRA」) へのリスペクトが明らかで、全てのカット割・アングル・色彩計画・音響といった演出が完璧に決まっている。 アニメーション史に残るのではないかと感じるレベルの傑作。 「The Other Large Thing | もうひとつの大きなもの」3.3/5.0 SFショートコメディとして面白いけれど、他篇に比べると凡庸。 「Golgotha | ゴルゴタ」3.6/5.0 Season4においては、今作のみ実写ベースの映像作品となっている。 異星人とのファーストコンタクトものだが、少しツイストがあって面白い。 「The Screaming of the Tyrannosaur | ティラノサウルスの叫び」3.5/5.0 SF x 恐竜 x レース x 剣闘というジャンルミックスな作品。 演出がダイナミックで面白いとは感じるが、やや平凡な印象。 「How Zeke Got Religion | ジークの宗教」3.9/5.0 第二次世界大戦において、ナチスが進めてきた秘策を阻止する任務に赴く米国兵達。 ミリタリー x オカルト x バイオレンスホラーのジャンルミックス。 演出のレベルが非常に高く、主人公達が対峙する脅威の描かれ方が圧倒的。 「Smart Appliances, Stupid Owners | スマート家電と愚かな人間たち」2.9 家電達がそれぞれ人間について語る、インタビューを模した短篇。 軽妙なユーモアが面白くて可愛いらしいけれど、他篇に比べるとちょっと退屈… 「For He Can Creep | 彼は忍び寄る」3.5/5.0 ある詩人を巡る、猫とサタンの闘い。 ハイレベルで安定した演出だけれど、特筆すべき点もあまりない。 https://filmarks.com/animes/3329/6488/reviews/7800177

  • ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー | Rogue One: A Star Wars Story (2016)

    4.4/5.0 誰もがそのタイトルを聞いたことがあるであろう有名なSFシリーズ「スター・ウォーズ」の初スピンオフとなる映画で、2025年時点で全9部作の映画本篇のうち「エピソード4/新たなる希望 (1977)」に直結する物語。 「GODZILLA (2014)」や「ザ・クリエイター/創造者 (2023)」のギャレス・エドワーズが監督を、「ボーン・シリーズ」のトニー・ギルロイが脚本を担っている。 ファンタジーとSFが融合したスペースオペラな世界観の「スター・ウォーズ」に、戦争映画としての演出テイストを加えるため、ギャレス監督は実際の戦争記録の写真等を集め、それを参照しながら撮影に臨んだという。 ライトセーバーやフォースを使うジェダイやシスが中心的な登場人物となる本篇と違って、今作の主要登場人物はみな超人的な能力を持たない一般市民 (反乱軍) ということもあり、これまでのシリーズとは違った戦争の血生臭いリアリティが感じられる。 フェリシティ・ジョーンズが演じる主人公の哀しい生い立ちの物語には惹き込まれ、そのキャラクターアークの描き方も完成度が高く、戦乱の世にあって「持たざる者達」がどのように自身の生と死の価値を見出すかというシリアスなテーマがしっかり描かれている。 主人公だけでなく、主要登場人物の全てにそれがあり、これまでのシリーズでは「その他の人々」といった背景画としてしか描かれなかった多数の人間達の全てにかけがえのない人生がある/あったのだという重厚な物語性を感じとることができる。 今作で重要なキャラクターとして登場する反乱軍の情報将校「キャシアン・アンドー」を演じるディエゴ・ルナを主人公として、スピンオフのさらなるスピンオフとなるドラマシリーズが製作されているが、今作で提示・確立された「持たざる者達の闘い」の描かれ方がさらに重厚になっていて素晴らしい完成度なので、今作を面白いと感じられた方にはおすすめしたい。 公開直前になって超大量の再撮影・編集が行われたらしく、予告篇で観たカットと本篇のそれが全然違っていて比較すると面白かったり、クレジットとしては脚本担当のトニー・ギルロイが本篇後半の実質的な監督まで担っていたといった裏話もあるけれど、作品の評価はあくまでも作品の内容だけでされるべきだと考えるので、製作現場はきっとプレッシャーで大変だったのだろうなぁという感想にとどめたい。 「スター・ウォーズ」シリーズの大ファンとしては、スピンオフやそのスピンオフといった派生作品も楽しく鑑賞しつつ、トラブル続きでなかなか進まない本篇的な映画作品の公開はいつになるのかな… というもやもやがずっと続いているけれど… https://filmarks.com/movies/61839/reviews/152617791

  • スター・ウォーズ: キャシアン・アンドー シーズン2 | Andor Season 2 (2025)

    4.4/5.0 超有名SF「スター・ウォーズ」のドラマシリーズで、スピンオフ映画作品「ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー」の物語に直結する4年間を、3話ごとに1年が経過する形で描く全12話の人間ドラマ。 「ローグ・ワン」の脚本や再撮影とポストプロダクション監修を務めたトニー・ギルロイが、原案・脚本・製作総指揮を担っている。 主人公のキャシアン・アンドーを演じるディエゴ・ルナも、製作総指揮に名を連ねる。 全てのシリーズの始まりである「スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望 (1977)」で描かれた銀河帝国と反乱同盟軍の戦争に至るまでの壮絶な過程が、双方の陣営に所属する「特別な能力を持たない人々」の視点から描かれる脚本が、極めて重厚かつ圧倒的。 映画シリーズの主要な中心人物達はジェダイあるいはシスといった常人離れした能力を持つ存在だったり、プリンセスや提督といった圧倒的な立場にあるが、このドラマに出てくる人々達のほとんどは、生々し過ぎると感じるほどに我々と同じ、市井の人々だ。 映画シリーズではシンプルに「正義の反乱軍」としてしか描写されてこなかった人々の、血で血を洗うように残酷でリアルな内幕。 同じく「悪の帝国」としてしか定義されていなかった人々の、泥くさく狡猾な政治。 このドラマの結末から直結する「ローグ・ワン」の見方が変わることはもちろん、シリーズの軸となる映画9部作の捉え方をも大きく変えるほどの強さが、この凄まじい群像劇には備わっている。 ディズニー傘下に入って以降、「スター・ウォーズ」シリーズの拡張には際限がないと感じるほど。 見栄えがキャッチーな新ヒーローや新ヴィランが派手に登場して大活躍するような物語も楽しいけれど、今作のように一見地味であっても重厚な脚本と演出によって「シリーズのリアリティを深めていく」拡張の方向には、まだまだたくさんの可能性があるように思う。 https://filmarks.com/dramas/10084/21943/reviews/18101473

  • スター・ウォーズ: テイルズ・オブ・アンダーワールド | Star Wars: Tales of the Underworld (2025)

    3.6/5.0 超有名SF「スター・ウォーズ」の短篇アニメーションシリーズ第3弾で、ジョージ・ルーカスの意思を最も忠実に受け継いだシリーズの後継者ともいわれるデイヴ・フィローニが企画・製作を担っている。 主人公はアサージ・ヴェントレスとキャド・ベインの2人で、いずれもデイヴ・フィローニが総監督を務めた「スター・ウォーズ / クローン・ウォーズ」で初登場し人気を博したキャラクター。 アサージ・ヴェントレス篇の3話では、悪役として初登場しながら善悪の彼岸を行き来してきた主人公の複雑なキャラクターがさらに深く描きこまれていて、脚本の完成度が高い。 キャド・ベイン篇の3話も同様だが、こちらは往年の西部劇のフォーマットを下敷きにした演出の味つけもあって面白い。 シリーズにおける最も大きな軸となる映画9部作には全く登場すらしない、拡張されたアニメシリーズのしかも脇役でしかなかったキャラクター達をメインモチーフに、さらにその物語を深堀りできる (それに興味を持つファンが一定数存在する) というところが、「スター・ウォーズ」がいかに巨大なシリーズであるかの証明になっているといえるだろう。 ただ、シリーズの大ファンを自負する自分であっても、映画から派生した物語に出てきたキャラクター達をさらに派生した物語で… といったところまで全部追うほどの熱心さを継続する自信はなく、一体どこまで拡張していくのだろう… 自分はいつまで自分の興味が続くのだろうか… という不安な読後感もまた残ってしまった。 デイヴ・フィローニは間違いなく現在の「スター・ウォーズ」シリーズになくてはならない重要な存在だし、素晴らしいクリエイターの一人だと思ってもいるけれど。 https://filmarks.com/animes/4786/6485/reviews/7764954

  • ミッキー17 | Mickey 17 (2025)

    3.8/5.0 エドワード・アシュトンによる小説「ミッキー7」を原作に、「パラサイト 半地下の家族」でアカデミー賞を受賞したポン・ジュノが脚本・監督を担ったSF映画。 映画製作会社「プランB」を率いるブラッド・ピットが製作総指揮に名を連ねており、「テネット」や「THE BATMAN -ザ・バットマン-」等の大作映画に出演し活躍するロバート・パティンソンが主人公を演じている。 人体複製技術が確立され宇宙開拓が活発化する未来において、不遇な環境にある主人公が、そこからの脱却のためにある契約を交わし、危険な任務へ志願する。 ただその契約内容には「エクスペンダブル (使い捨て)」と書いてあり… という導入が面白く、SF映画らしいワクワクがある。 これまでハンサムでスマートな役柄が多かったロバート・パティンソンが演じる主人公の、救いようがないほどのアホさがとても新鮮。 こんな役まで演じられるなんて、一流俳優の能力はやはりとんでもないな… という驚きがある。 主人公以外の出演者達も豪華で、ナオミ・アッキー、マーク・ラファロ、トニ・コレット、スティーヴン・ユァンといった俳優達が、それぞれ強い個性を持つキャラクターを演じている。 独裁的かつ俗物的な権力者役のマーク・ラファロの演技は特にクセが強く、その大仰さがやや気になる部分もあるけれど、SFの世界観で繰り広げられるブラックコメディとしては正解なのだろう。 スティーヴン・ユァンの (もちろん演技としての) 飄々としていて軽薄なキャラクターづくりも素晴らしい。 今作の物語とテーマにも、これまでのポン・ジュノ監督作品と同様に、ブラックな世界観の中に普遍的な社会問題への批評が鋭く盛り込まれている。 ハリウッド大作映画の風格がありながらも、ものすごく重要なシーンでえげつない下ネタが展開の鍵になるといった (韓国らしい) 悪趣味なギャグも光っている。 そして間抜けなシーンで笑うという行為の後に、「笑う側にいることが正しいのだろうか」と内省を促すような構造になっているところが、やはりひと味違うなと感じる。 ポン・ジュノ監督の作品には、監督の母国である韓国で製作されていた初期の頃からハリウッドに進出して以降まで、常に何かオリジナルな魅力がある。 今作は「パラサイト 半地下の家族」での快挙後に初めて製作・公開された作品ということもあって世間や評論家からの事前の期待が大き過ぎたのか、一般的な評価が高くないようだけれど、単独のSF映画として観ればとても面白い作品としてまとまっていると感じる。 https://filmarks.com/movies/107135/reviews/196970021

  • トランスフォーマー / ONE | Transformers One (2024)

    4.1/5.0 マイケル・ベイ監督による実写映画シリーズで有名な作品と原作を同じくする3Dアニメーション映画で、シリーズの原点が描かれるオリジンストーリー。 ピクサーのアニメーション作品に長く携わってきたジョシュ・クーリーが監督を務め、スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を担っている。 トランスフォーマーシリーズにおける主人公のオプティマスプライムおよびその宿敵ともいえるメガトロンを中心としたキャラクター達の若き日と、いかにして彼らがヒーロー / ヴィランとなっていったのかが描かれる脚本構成がとても新鮮で、マイケル・ベイが製作してきた見た目はド派手だが脚本の中身が薄い (ほぼないともいえる) 実写映画シリーズとは一線を画した完成度になっている。 シリーズにおいて重要な存在であるバンブルビーやスタースクリームといったキャラクター達のオリジンの描かれ方も見事で、脚本のセンスの高さに驚かされる。 アニメーションならではのダイナミックな演出も随所にあり、かつそれらのシーンが物語の重要な展開と密接に関わっていることもあって、ワクワクしながら作品の世界観に没入することができる。 何より、主人公の声を担ったクリス・ヘムズワースと、その親友役を演じたブライアン・タイリー・ヘンリーをはじめとする豪華な俳優達の説得力ある演技によって、CGで描かれた金属生命体というフィクショナルな存在に強烈な実在感を与えることに成功している。 シリーズについてのファンではなかったので鑑賞前はそれほど期待していなかったのだけれど、良い意味でその期待を大きく裏切られる完成度を誇る作品だった。 https://filmarks.com/movies/116093/reviews/196291278

© 1998-2025 Shoji Taniguchi

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