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- エイリアン: アース | Alien: Earth (2025)
3.6/5.0 「SHOGUN 将軍」の製作で一躍注目を集めたFXが製作した「エイリアン」シリーズ初のドラマで、タイトルの通り地球を舞台に「エイリアン」の物語が展開するSFホラー。 「ファーゴ」や「レギオン」の原案と脚本で高い評価を得たノア・ホーリーがショウランナーを担い、「エイリアン」シリーズの生みの親のひとりであるリドリー・スコット御大も製作総指揮に名を連ねている。 時代設定は2120年で、映画「エイリアン (1979)」で描かれた時代の2年前。 地球と植民地化された太陽系はたった5つの超巨大企業に支配されており、企業間では熾烈な競争が行われている。 そのうちのひとつ、ウェイランド・ユタニ社の深宇宙探査船が地球へ帰還し、プロディジー社が支配する地域へ墜落するが、その船には5種の未知の宇宙生命体が格納されていた、という導入。 主人公とその仲間達は、重病で余命が少ない子どもたちながらプロディジー社の技術によって人口身体へとその意識を移行した、ハイブリッドという存在。 これまでの「エイリアン」シリーズに登場しいずれも重要な役割を担ってきたサイボーグ・シンセティックも今作に登場するが、ハイブリッド達にはそれらとは一線を画す異質感があり、そのアイデンティティの揺らぎの部分も含めとても面白い。 特に主人公のウェンディを演じたシドニー・チャンドラー (「SUPER 8」や「ゴジラvsコング」に出演してきた俳優カイル・チャンドラーの娘!) の存在感は印象的で、子どもでも大人でもない、まして人間でもアンドロイドでもないという難しいキャラクターを見事に表現している。 ただ、全8話ある中盤ぐらいまではワクワクしながら鑑賞しながら、もしかしてこれは全8話では物語がまとまらないのでは…? と予感したことが的中してしまった。 最終話となる第8話で一定の決着はあるにはあるものの、提示された多くの謎や設定がほぼそのまま手つかずで残され、展開を広げられそうな種達だけが大量に撒かれた印象で、何ともスッキリできない結末。 しかも今作はシーズン2ありきの脚本として書かれたものではなく、その製作も決定していないらしい。 最近の米国製作のドラマはシーズン内できっちり物語が完結しないことが流行しているのだろうか? 脚本や演出の面白さは確かなものだっただけにそれが残念で、すごくモヤモヤしてしまった… https://filmarks.com/dramas/16142/21787/reviews/19603721
- ピースメイカー シーズン2 | Peacemaker Season2 (2025)
3.4/5.0 これまでのDC映画に登場し人気を博したキャラクターの、ジョン・シナが演じる「ピースメイカー」を主人公に、DCEU (DCエクステンデッドユニバース) のシリーズとして製作されたシーズン1から新生DCU (DCユニバース) へと移行しながらも、シーズン1の直接的な続篇として製作されているドラマシリーズ。 DCスタジオの共同会長 兼 CEOに就任したジェームズ・ガン自ら原案・脚本・監督・製作総指揮を担っている。 家族を失った痛ましい過去を持つ主人公が偶然に足を踏み入れた並行世界では、その家族がまだ健在でヒーローとして活躍しており、主人公は何事も上手くいかない自身の世界から逃避して並行世界で生きていくことを考えるが… という、SF的な導入。 現実世界において、主人公はヒーローというよりもヴィランと呼ぶ方が適切といっていいほど悪行を重ねてきているが、繊細な性格の持ち主でもあり、自身の過去を悔いていて、常に真の友情や愛情を欲してもいるという複雑なキャラクターの魅力がある。 シーズン1に引き続き、ジョン・シナはその暴力性と複雑性を表現できる稀有な俳優であると感じられる。 そして、そんなヴィランな主人公に強烈な恨みと復讐心を持つキャラクター達も登場する。 ただ、ジェームズ・ガンが手掛ける映画やドラマならではの豪快なアクションやお下劣なギャグは健在ながら、奇跡的なレベルで面白かったシーズン1と比較すると、全8話構成の中に大きなヤマが見つけられず、最終話に至ってもカタルシスがなく、これは期待していた展開と違うなぁ… という気持ちになってしまった。 主人公がこちらで生きていこうと決意した並行世界の真実が分かるシーンには驚かされ、そこを軸に後半の物語が展開するのかと思ったが、全然そうでもなかったところには全然そうでもないんかいと突っ込んでしまった。 主人公以外のキャラクター達もみな魅力的で、全ての人物に脚本上の明確な役割が与えられてもいるし、このシーズンを通してのキャラクターアークもそれぞれ成立しているのだけれど。 最終盤の急展開にもすごく驚かされたが、DCU全体の展開の超巨大なクリフハンガーとしてそれが用意されたであろうことは理解できつつ、このドラマ単体の結末としてはあまり納得できるものではなかったし… シーズン1が本当に面白いものだっただけにすごく期待しながら鑑賞した分、面白さよりも残念さが勝ってしまった。 ピースメイカーという複雑なキャラクターの魅力はまだまだ描かれる価値があると思うので、今後のDCU映画やドラマでも登場し、彼の物語が続いていくことに期待したい。 https://filmarks.com/dramas/10957/22241/reviews/19603194
- デッドリー・ハンティング | Prey (2021)
2.9/5.0 ドイツ製作のNETFLIX映画で、90分弱でコンパクトにまとまった、大自然を舞台に展開するサスペンス。 ドイツ出身のトーマス・ジーベンが脚本・監督を担っている。 恋人との結婚を控えた主人公とその兄や友人達が、バチェラー・パーティ (結婚直前に友人達と夜を過ごすイベント) の代わりにトレッキングしていると、正体不明の狙撃手から攻撃を受ける。 なぜ自分達が狙われるのか分からないまま、必死に逃亡する主人公達だが、極限状況でその関係性が危うくなっていく… という展開。 舞台となるドイツの大自然の美しさは見事で、堅実で安定した撮影と演出もあり、目を奪われる。 ただ、肝心のストーリーがどうにも地味で展開も弱く、しかも納得がいく内容にもなっていない。 思わせぶりな回想シーンが何度か入り、良好な関係のように見えた主人公とその兄の間にあった隠し事も判明するが、それはほとんど本筋に関係しなかったりするし… 正体不明の敵の姿やそのバックストーリーには意外性があったけれど、その常軌を逸した行動に至る動機も、主人公達を狙う理由も、それはさすがに理不尽過ぎるのではと感じてしまった。 終劇の余韻だけは独特のものがあったけれど… 鑑賞して損をしたという気持ちにはならないにしても、ドイツの大自然というロケーションの素晴らしさ以外には特筆すべきところが見つけられず、やや物足りなく感じてしまう作品だった。 https://filmarks.com/movies/98873?mark_id=204026307
- 野生の島のロズ | The Wild Robot (2024)
3.9/5.0 「ヒックとドラゴン」や「シュレック」シリーズを製作してきたドリームワークス・アニメーションが手掛けるSFアニメーション映画で、ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット (The Wild Robot)」を原作としている。 脚本・監督は、「ヒックとドラゴン」シリーズをはじめ多くのアニメーション映画に携わってきたクリス・サンダース。 主人公のロボットの声を演じるルピタ・ニョンゴをはじめ、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、ヴィング・レイムス、マーク・ハミルといった一流俳優達が声優として起用されている。 人間の生活をアシストするために製造されたロボットが、その輸送中の事故により、無人島に漂着してしまう。 起動したロボットのロッザム7134 (ロズ) は、島に生息する野生動物達を自分が仕える主人と勘違いするが… という導入が、チャーミングで微笑ましい。 主人公と多種多様な動物達のキャラクターを自然に紹介しながら展開する脚本も巧み。 何者かに仕えることを機械的にプログラムされていた主人公のロボットだが、自身が起こしてしまったアクシデントや動物達との交流をきっかけに、どんな行動を取るべきなのかを自律的に思考していくようになる。 動物達はやがて来る冬を越えるための準備に入り、主人公が母親代わりとなって育ててきた雁も、渡りへと旅立つ。 児童文学を原作としていることもあり、衝撃的な展開があるわけではないが、脚本の運びがとても丁寧で、アートディレクションや演出も上質で、自然と物語に惹き込まれる。 映像の美しさに目を奪われがちだが、ルピタ・ニョンゴをはじめとする俳優達の声の演技の素晴らしさが、高い演出レベルの要になっているように感じる。 無人島の動物達と主人公に終盤で訪れる危機と、結束してそれに立ち向かう主人公達の描き方には、事前に想像していた以上に感動させられてしまった。 全篇を通して子どもが鑑賞することを前提とした安心・丁寧な作りにはなっているけれど、大人の鑑賞にも十分に耐え得る、とても良質なアニメーション作品だった。 https://filmarks.com/movies/115306/reviews/204026358
- トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 | Twilight of the Warriors: Walled In (2024)
4.0/5.0 かつて香港に実在した巨大なスラム街「九龍城砦 (九龍城寨)」を舞台とするアクション映画で、香港映画史上最大の観客動員数を記録した大作。 余兒 (Yuyi) による小説「九龍城寨」を原作に、香港映画界で高い評価を得ているソイ・チェンが監督を担っている。 香港の若きアクション俳優達が多数出演しているが、ジャッキー・チェンの盟友でもあるサモ・ハン (サモ・ハン・キンポー) も重要な役柄で出演。 1980年代、当時まだ存在していた九龍城砦は、英国・中国のどちらにも属さず法の力も及ばない無法地帯だった。 香港へ密入国した主人公の青年は、裏社会の掟に逆らってしまい、その抗争に巻き込まれながらも、九龍城砦で出会った人々との絆を深めていく。 ただ、無法地帯での安息の日々は束の間に終わり、主人公とその仲間達は命がけの闘いに挑むことになる。 何といってもこの作品の見どころは、アクション演出のレベルの高さ。 かつてジャッキー・チェンやジェット・リー、ドニー・イェン等の超人的なアクションスターが主演する香港アクション映画にあった驚きと興奮、そして情熱が、この作品にも溢れるほど詰まっている。 アクション監督を務めた谷垣健治の貢献はもちろん、ただアクションが美しく激しいだけでなく登場人物達の感情が (やや分かりやす過ぎるほどに) 見える演出として形になっていることには、劇伴を担当した川井憲次の貢献もとても大きいのではないか。 アクションだけでなく、舞台美術もまた素晴らしい。 九龍城砦や軍艦島といった文化遺産にロマンを感じる自分としては、今は自分の目で見ることが叶わない九龍城砦とそこで暮らした人々の姿が、その息遣いやにおいまで伝わってくるようなレベルの作り込みで隅々まで描かれていることに感動した。 当時の実際の風景よりも多少の画的な脚色はされているとは思うけれど、それでも、この映画が作りあげた風景の価値は変わらない。 終盤にいたるにつれ人物達の設定や特技に関する「そんな馬鹿な!」の度合いが高まり続けるが、画の迫力と説得力が終劇まで謎に継続するのは、やはりCGに頼らず俳優やスタントによる身体演技をベースとした画づくりがあるからなのだろう。 今作は香港のみならず世界中で高い評価を受けたこともあり、前日譚や後日譚といった続篇が製作される予定とのことで、楽しみに待ちたい。 https://filmarks.com/movies/116565/reviews/203575687
- アイズ・オブ・ワカンダ | Eyes of Wakanda (2025)
3.6/5.0 マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するアニメーションで、「ブラックパンサー」を中心に描かれた国家ワカンダの歴史が、全4話を通じて紐解かれていく構成。 各話ごとに全く違った時代と場所で、ワカンダの戦士たちが暗躍する物語が描かれる。 「ブラックパンサー」の脚本・監督を担ったライアン・クーグラーが製作総指揮として関わっており、同シリーズの世界観がしっかり踏襲されている。 ワカンダはMCUの世界で唯一、ヴィブラニウムという鉱石が採掘できる国家で、同国はその恩恵を受け科学技術を超発展できたという設定があるため、はるか昔の時代の物語の中にオーバーテクノロジーなガジェットが次々登場する。 コミック原作だし、あくまでもSFとして解釈するならありかなとは感じつつ、やや現実離れし過ぎな印象もある。 物語自体は各話それぞれ丁寧にまとまっており、マーベルらしいケレン味のあるアクション演出もあって面白い。 MCUの世界を拡張するとまではいかないが、MCUの他作品との関連性が僅かに見られてワクワクするシーンもある。 MCUファンなら絶対に観た方がいい! といえるほどの要素はないものの、観て損はない良質な作品。 https://filmarks.com/animes/4869/6617/reviews/8402923
- アリータ: バトル・エンジェル | Alita: Battle Angel (2018)
3.8/5.0 木城ゆきとによるSF漫画「銃夢」を原作とするサイバーパンクアクション映画で、巨匠ジェームズ・キャメロンが脚本・製作を、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「シン・シティ」「グラインドハウス」等のアグレッシブなアクション演出で評価が高いロバート・ロドリゲスが監督を担っている。 主人公 (のパフォーマンスキャプチャ) をローサ・サラザールが演じ、その主人公を支える医師役をクリストフ・ヴァルツが演じる。 色々な過去を持つ科学者としてジェニファー・コネリーも出演。 「没落戦争 (The Fall)」と呼ばれる世界大戦により文明が崩壊寸前に陥ってから数百年後の未来、地球における最後の空中都市と、その直下にあり空中都市からの廃棄物が積み上がる屑鉄にまみれた街、アイアンシティが舞台。 屑鉄の山から少女型サイボーグの頭部を発見した医師がそれを修復し再起動すると、物語の主人公となるその少女は過去の記憶を失っていたが、自身の中にロストテクノロジーともいえる戦闘スキルが備わっていることに気付いていく。 原作への充分なリスペクトをもって構成された脚本の導入に、とてもワクワクさせられる。 地上に暮らす人々が見上げる空中都市とはどんな世界なのか? 主人公にはどんな過去があるのか? といった謎が物語の展開を牽引するだけでなく、退廃した街でマシンと融合しサイボーグとして生きる人々や、その社会の裏で暗躍する凶悪なハンター戦士達といった人々の描かれ方がとても魅力的。 また、主人公と敵対する戦士達との戦闘シーンのケレン味のある演出がどのシーンでも素晴らしく決まっていて、さすがロバート・ロドリゲス、キレキレですね… と感嘆してしまう。 とはいえ大ボリュームの原作漫画に対して約2時間という映画の尺ではその全てを描くことは到底不可能で、今作内での物語としての決着はきちんとあるものの、多くの謎を残した続篇ありきの終劇になっているところは、やはり少し残念。 続篇がすぐに製作・公開されれば良かったのだけれど、映画作品としての評価は高いものの、巨額の製作費に対する収益面での課題が残ったとのことで未だそれが実現していないことも残念! ジェームズ・キャメロン御大は「アバター」シリーズ (なんと全5部作構想) を完結させることに執心しているが、こちらの続篇も同時進行で製作できないものだろうか… 個人的にはとても挑戦的かつセンス・オブ・ワンダーに溢れたSF作品だと感じている。 https://filmarks.com/movies/68417/reviews/152627405
- 84m² (2025)
3.9/5.0 韓国製作のNETFLIXオリジナル映画で、「スマホを落としただけなのに」の韓国版リメイクを監督したキム・テジュンが脚本・監督を担っている。 韓国都市部の不動産事情や都市生活者のストレスを題材にした、いかにも韓国映画らしい心理サスペンス。 平凡な会社員の主人公が、自身の全財産をかけてソウルの高層マンションを購入するが、同じマンションで生活する隣人がたてる騒音に悩まされ始め、事態の解決をはかるが… という筋書き。 似たような社会環境を持つ日本在住の人々にはリアリティが高く、共感できる部分が多いのではないだろうか。 コメディ的な導入から、次第にそうでもない空気が漂いはじめ、終盤では戦慄するような展開があり、ジャンルがめまぐるしく変化していくような演出センスに、韓国映画業界が磨き上げてきた基本レベルの高さを感じる。 映画的な飛躍はありながら、真相はあくまでも人間の欲望に関するリアルな問題に帰結するところも巧み。 いちばん怖いのは人間であり、その存在はもしかしたらあなたの隣人かもしれない。 NETFLIXによる各国製作のオリジナル映画が配信されるようになって久しいが、今作のように、それぞれの国ならではの文脈や文化をベースに構成された脚本と演出には、いわゆるハリウッド映画の王道的な展開の作品とは全然違う個性と面白さがある。 それはこれまでに日本で製作されてきたNETFLIX映画やドラマでも同様だろうし、今後も変わらないのだろう。 https://filmarks.com/movies/121108/reviews/203034097
- ロングレッグス | Longlegs (2024)
3.8/5.0 ホラー映画界の新鋭とも評されるオズグッド (オズ)・パーキンスが脚本・監督を担い、米国にて記録的なヒットとなったホラー映画。 「神は銃弾」等に出演し、スポーツ選手としても活躍するマイカ・モンローが主人公のFBI捜査官を、名優であり怪優であるといってもいいであろうニコラス・ケイジが、タイトルにもなっている謎のシリアルキラー、ロングレッグス役を演じている。 舞台は1990年代の米国、未解決連続殺人事件の捜査任務についた主人公が、暗号を用いて記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙をはじめとする謎だらけの手がかりをもとに、事件の真相に迫っていく… という筋書き。 主人公には霊感もしくは直感ともいえる超能力が備わっており、それを活かしながら事件の真相に近づく行為が、主人公自身も気づかなかった自身の過去と向き合っていく行為になっていく。 物語とは直接には関連しないが、動よりは静をベースに構築されている様々なカットのアングルやアートディレクションが見事で、その美しさと残虐な脚本展開のギャップをとても新鮮に感じた。 個人的には、かつて夢中になって楽しんだドラマ「ツイン・ピークス」が思い出されるような映像の質感と、奇妙な謎と、モチーフ達。 俳優達の演技も、映像のトーンと同じく抑制的でありながらレベルが高い。 シリアルキラーとして登場するニコラス・ケイジの存在感は、私のようなニコラス・ケイジ大好きの映画ファンには期待通りもしくはそれ以上。 そうでもない鑑賞者にとってもきっと充分なレベルで、この世のものとは思えない異物を目にする恐怖を感じることができる。 真相を書いてしまうと未鑑賞者の興を削ぐことになるので避けつつ、脚本上のツイストや伏線がしっかりあり結末にもモヤモヤするところは少ないのだけれど、今作のモチーフやテーマは日本人の宗教観や民族文化と少し遠いところにあり、日本では米国在住の人達と同じレベルでの恐怖を覚える人は多くないかも知れないと感じた。 「この10年で最も怖い映画」といった世間の評価もあると知りつつ、個人的にはそこまで恐怖度が高いとは感じられなかったが、上質な作品であることは間違いがない。 https://filmarks.com/movies/116103/reviews/202573229
- ミッション: インポッシブル / ファイナル・レコニング | Mission: Impossible - The Final Reckoning (2025)
3.7/5.0 ハリウッドを代表するスーパースター、トム・クルーズのライフワークとも言えるシリーズの集大成となるアクション映画で、もはやトムの座付き作家といってもいいであろうクリストファー・マカリーが脚本・監督を担っている。 これまでのシリーズに長く出演してきたヴィング・レイムスやサイモン・ペッグに加えて、シリーズ前作からの再演となるヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、アンジェラ・バセットといった一流俳優達が出演。 世界の命運を握る「鍵」を入手した主人公が、世界規模の核戦争=文明崩壊を起こそうとする存在に立ち向かう。 その存在とはAIで、打倒する方法はたったひとつしかなく、それができる人間も主人公しかいない… という、冒頭からクライマックスな展開。 シリーズ前作「デッドレコニング」から直結する脚本であることがその理由だが、前作を観ていないと話の筋が分からないということはない。 「ミッション・インポッシブル」といえばやはりアクションシーンがあってこそで、クリストファー・マカリーが脚本・監督を担うようになった「ローグ・ネイション (2015)」からは特に、最新作が公開される度にその規模や内容のとんでもなさで世界を驚かせてきた歴史がある。 何より、スタントを起用せずトム・クルーズ自身が全てのアクションを演じているというところが特色。 集大成となる今作でも、度肝を抜かれるようなシーンを楽しむことはできたが、さすがにこれまでのシリーズであらゆる危険なアクションを披露してきたこともあってネタ切れ気味というか… あっ、最後はこれぐらいの感じなんですね… もちろん面白いんですけれども… という、やや肩透かしな読後感が残ってしまった。 他の映画作品と比較すれば明らかに尋常ではないレベルの映像ながら、ミッション・インポッシブルという超巨大なシリーズにかけられ続ける期待の重さに、シリーズ自身が耐えきれなかったような印象。 アクションはともかく脚本が弱いというこれまでのシリーズの評価を受けてか、過去作で登場したマクガフィンや登場人物達のその後が伏線的に今回の脚本に組み込まれていて、ずっとシリーズを追いかけてきた自分としては楽しかったが、その経緯を説明するための単調な会話シーンのウェイトが大きくなってしまったことも、作品全体のスピード感やスケール感が不足してしまったことに影響しているように感じた。 また、トム・クルーズが演じる主人公とそのアクションばかりにハイライトが当たり過ぎていて、主人公が対峙する悪役の存在感が弱いところも気になる。 作中における真の悪はAIということで実体を持たないため描写が難しく、前作に引き続いて人間の悪役を演じたイーサイ・モラレスは色々と損な役回り。 とはいえ、このシリーズは良くも悪くも映画界におけるお祭りの一種ともいえるもので、その存在自体が映画史の中で重要になることは確実だけれど… タイトルロールおよびエンドロールの「導火線」の演出は、シリーズを愛してきたファンの一人として、もっときちんとやりきってほしかった! そこだけはすごく残念。 https://filmarks.com/movies/87947/reviews/202573288









