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  • Nightborne (2026)

    3.5/5.0 「第9地区 (2010)」や「チャッピー (2015)」等のバイオレンスSFを得意とする南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ監督による、全篇が生成AIで製作されているショートフィルム。 ピーター・ワッツによるSF小説「Echopraxia」の世界観が参照されている。 主人公の米軍兵士は、戦闘によって死亡するが、極秘の軍事プログラムによって「復活」する。 死者を兵器として再利用する非情な世界が描かれる。 ブロムカンプ監督が新たに設立したAI製作スタジオ「Barley Studios」からの初作品となる今作は、監督がこれまで手掛けてきた作品群で見られたドキュメンタリー風の証言映像や軍事記録映像と映画的ビジュアルのコラージュで構成されており、監督の持ち味が映像生成でも具現化されているところがとても興味深い。 生成にはSeedance 2.0が使われていながら、実在人物 (俳優) の顔と声や人間の手によるコンセプトアートが用いられており、表現の核の部分はAI任せになっていないという点が、映像のリアリティや全体的な品質の担保につながっているのだろう。 ただ、生成AIによって「完全な新世界」が描かれているというよりは、あくまでも「(監督の作風として) 既視感がある世界」の高精度な再現にとどまっている印象。 起承転結がある物語というよりは、13分程度のショートスケッチのような作りになっているが、作品世界についての想像の余韻が広がる読後感は個人的には嫌いではない。 ブロムカンプ監督は今後生成AI映像による長編製作に挑戦する意向があるとのことで、議論を呼びそうな領域にもどんどん飛び込んで形にするという点で、やはりひと味違う注目クリエイターだと感じる。 数十年後にはもしかしたら、映画製作プロセスの転換点として刻まれている作品かもしれない。

  • ニュー・ミュータント | The New Mutants (2020)

    3.6/5.0 旧20世紀FOX (現20世紀スタジオ) が製作してきたアメコミ映画原作「X-MEN」シリーズの13作目で、「ハッピーエンドが書けるまで (2012)」や「きっと、星のせいじゃない。(2014)」を手掛けたジョシュ・ブーンが脚本・監督を担っている。 X-MENシリーズの中心的存在であるウルヴァリン、サイクロップス、ジーン・グレイ、プロフェッサーXといったキャラクター達は登場せず、既存シリーズの物語との関連性もほとんどないが、世界観は共有されている。 ネイティヴ・アメリカンをルーツに持つ主人公を含む5人の若者達は、ある施設に隔離されることになる。 彼らはそれぞれ特殊能力を持つミュータントで、自らを医師と名乗る女性の管理下に置かれ、全てを監視された生活を余儀なくされる。 若者達ははじめ衝突しながらもお互いを理解していくが、やがて施設内で怪奇現象が発生しはじめる。 主人公を演じたブルー・ハントをはじめ、アニャ・テイラー=ジョイ、メイジー・ウィリアムズ、チャーリー・ヒートンといった新世代のスター俳優達の存在感が瑞々しく輝いており、作品のトーンは重量級のダークホラーでありながら、同時に若者達の青春ドラマとしても描かれているところが面白い。 今作の公開前後 (2019〜2020年頃) は20世紀FOXのディズニーによる買収による配給側の体制変更や新型コロナによる映画館の一次閉鎖等の混乱が重なり、映画館ではかからずデジタル配信のみという不遇の扱いを受けたこともあって話題と評価が伸び悩んだが、今観直すと、スケール感は大きくないもののしっかり丁寧に製作された良作だと感じる。 X-MENのキャラクター達の権利を有してきた20世紀FOXがディズニー傘下に入ったことで、マーベル・スタジオが展開するマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) にX-MENのキャラクターを登場させることが可能になり、今後のMCUシリーズの新展開をX-MENのキャラクター達が牽引するといわれていて、私もすごく期待している。 今作に登場した魅力的なキャラクター達も、一度きりで使い捨てにされず今後また華々しく登場してくれると、シリーズを追ってきたファンのひとりとして嬉しく思う。 https://filmarks.com/movies/73730/reviews/152619638

  • マーズ・エクスプレス | Mars Express (2023)

    3.9/5.0 フランス製作のSFアニメーション映画で、監督は今作が初監督作となるジェレミー・ペランが担っている。 カンヌ国際映画祭で初上映され、後に劇場公開もされた作品。 舞台は23世紀の火星。 地球から火星に戻った主人公の私立探偵とアンドロイドの相棒は、行方不明になった大学生の捜索という依頼を受ける。 調査が進むにつれて、主人公達が探っている真相が単なる失踪事件ではないことが分かってくる。 典型的な探偵ものの導入で始まりつつ、火星移住やロボットの進化が実現した超未来の世界が描かれながら展開する物語が面白く、美女や美男といった類型的な造形ではなくリアリティとドライさが重視されたキャラクター達が描かれるアニメーションの質感がとても魅力的。 「AKIRA (1988)」「攻殻機動隊 (1995)」「パプリカ (2006)」等の日本のSFアニメーションや、それらに影響を受けて製作された映画「マトリックス (1999)」シリーズへのオマージュが明らかに感じられるが、浅い剽窃ではなく敬意をもって承継された新たな作品という印象がある。 主人公達がたどり着く事件の真相には意外性があり、その結末も鑑賞中の予想を越えるもので驚きがあった。 ロボットの機能や思考力が人間に限りなく近づいた時に立ち上がるであろう形而上学的テーマ (自身の存在理由を問い葛藤する) について描かれている点は、「ブレードランナー (1982)」の原作者フィリップ・K・ディックが遺した古典SF小説達にも通ずる深い読後感があった。 「AKIRA」の作者・大友克洋はフランスの漫画文化であるバンド・デシネやその代表的作家メビウスに強い影響を受けたと公言しており、漫画やアニメーションのミームが日・仏で時代を経ながら相互進化していることが興味深く、素晴らしいことだと感じる。 https://filmarks.com/movies/116222/reviews/220755777

  • 入国審査 | Upon Entry (2023)

    4.3/5.0 ベネズエラ出身のアレハンドロ・ロハスとフアン・セバスチャン・バスケスが共同で脚本・監督を手掛けたサスペンス。 移民としてバルセロナで暮らす2人の実体験から着想を得たという、ほぼワンシチュエーションで展開する低予算映画。 主人公はバルセロナ在住のベネズエラ人のディエゴとスペイン人のエレナで、事実婚の関係にある。 エレナが米国のグリーンカード抽選に当選し、移民ビザを取得できたことをきっかけに、2人は米国への移住を決意する。 しかし、2人が降り立ったニューヨークの空港での入国審査カウンターで、別室へ連行され、移民局の審査官に尋問されることになる。 海外旅行をしたことがある人ならば誰でも経験があるといってもいいだろう、入国審査カウンターで味わう緊張。 この映画ではその瞬間から事態がどんどんと悪化していき、その展開に息が詰まる。 審査官による鋭い尋問によってエレナが知らされていなかったディエゴの過去が明らかになる脚本と、ぐらつき始める主人公2人の関係性。 過剰な劇伴もVFXもカメラワークも使わず、丁寧でオーソドックスなアングルと俳優達の演技だけで構成された画づくりが素晴らしい。 終劇間際のツイストとその幕切れのタイミングの演出が強烈で、最後まで目が離せない。 移民や異文化に対する警戒と、許容よりも拒絶が優先されつつある現在の世界情勢が批評的に活写された傑作。 その問題への向き合いは、米国や他国だけでなく既に日本でも必要になっていることで、他人事ではないのだと気付かされる。 https://filmarks.com/movies/110643/reviews/220698885

  • パラレル 多次元世界 | Parallel (2018)

    3.3/5.0 メキシコ出身のアイザック・エスバンが監督を担ったカナダ製作のSFスリラー。 シェアハウスで生活するソフトウェア開発者とその友人の4人の若者達は、屋根裏部屋で奇妙な大鏡を発見する。 鏡の向こう側には並行世界が存在し、自分達や知人とそっくりな人々もそちらの世界で暮らしていた。 並行世界の時間が自分達の世界よりも180倍早く進むことを知った4人は、その "時差" を利用してビジネスや夢の実現を成功させようとする。 並行世界という設定はSFとしてベタなものの、そこに時間の速度差が存在するという点にアイデアがあり、物語の展開方法が面白い。 別世界としながら描かれるシチュエーションはほぼ共通なため、画づくりにかける予算を抑えられるという製作観点での工夫も賢いなと感じる。 導入・危機・発見・成功・より大きな危機… という定石が丁寧におさえられている脚本構成と演出がある。 終盤にかけて登場人物達の欲望がエスカレートしていく展開には面白さがありながら、鑑賞中にある程度予想がつく内容を越えない、凡庸な印象もある。 そして、それぞれの世界や人物の視点の描き分け手段として映像のカラーグレーディングに差をつけたり歪ませたりする工夫が見られるものの、それでもちょっと混乱してしまい物語への没入感が妨げられてしまった。 アイザック・エスバンは低予算かつ著名な俳優が出演していなくともアイデアが光る個性的な映画 (「パラドクス (2014)」や「ダークレイン (2015)」等) を形にするクリエイターなので、いつか特大ヒットをものにしてほしいと思う。 https://filmarks.com/movies/102778/reviews/220698875

  • 移動都市 / モータル・エンジン | Mortal Engines (2018)

    3.8/5.0 フィリップ・リーヴによるYA小説を原作に、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで映画史に名を刻んだピーター・ジャクソンが脚本・製作を手掛け、ジャクソンの作品の多くでストーリーボードアーティストや視覚効果スーパーバイザーを担当してきたクリスチャン・リヴァースが初監督を担ったSF大作。 「アンブレラ・アカデミー」で印象的な役どころを演じたロバート・シーハンや、「マトリックス」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ等の著名作品で活躍するヒューゴ・ウィーヴィングが出演している。 超兵器による最終戦争で文明社会が崩壊してから1,000年以上が経過した地球で、人類は移動する都市を建造し、大都市が小型都市を "捕食" することで支配する世界を生きていた。 巨大移動都市ロンドンは、他の都市を捕食しながら、東方にあり強固な壁で守られている固定都市シャングオの支配を目論んでいる。 そのロンドンの歴史学長であり開拓者でもあるサディアスに復讐を誓う少女と、歴史学ギルドの見習い青年は、巨大な陰謀と争いに巻き込まれていく。 何よりも特筆すべきは、原作で描かれた独創的な超未来の世界観が可視化されたビジュアルの壮大さ。 ピーター・ジャクソンが設立したVFX制作会社WETA Digital (現在はWētā FX) が手掛けた視覚効果の数々は文句なしに素晴らしく、特に冒頭でロンドンが小都市を追い詰めて捕食するシーケンスのスペクタクルは、スチームパンクSFファンにとって必見の価値があるといっても過言ではない。 若者向けのYA小説が原作ということもあり、物語の展開は少女と青年を主役とした類型的な内容で意外性が感じられず、公開当時に興収が伸びず大コケとなってしまったことにも納得できるが、主役の2人だけでなく様々な登場人物たちの描かれ方が総じて丁寧で、壮大なシチュエーションで展開する様々なアクションもあり、世界観に没入することができる。 宮崎駿とスタジオジブリによる「ハウルの動く城」の演出が参照されているようにも感じられるが、VFXと実写で構成された今作のダイナミックな画づくりや、中世から近代風の意匠に退化 (もしくは進化) したようにも見えるアートディレクションには、極めて高いオリジナリティがあるといっていいだろう。 公開当時はあの巨匠ピーター・ジャクソンが脚本・製作ということもあり期待値が上がり過ぎた結果評価が伸びなかったように思うけれど、時を経たいま再鑑賞・再評価される価値がある個性的なSF映画だと感じる。 https://filmarks.com/movies/72794/reviews/152619893

  • The Moon (2023)

    3.9/5.0 韓国映画界のヒットメーカー、キム・ヨンファが脚本・監督を手掛けたSF映画で、韓国では屈指の人気を誇る俳優のソル・ギョングが主演を担っている。 韓国初となる有人月面探査ロケットが3名のクルーを乗せて宇宙へ飛び立ったが、太陽風の影響で地上との通信トラブルが発生し、その対応中の事故によって危機的状況に陥る。 宇宙に孤立したクルーを救出するため、過去に有人ロケット爆発事故の責任を取ってKASC (韓国航空宇宙センター) を去っていた責任者が呼び戻される。 冒頭での主要登場人物のキャラクターや物語設定の説明が、とても洗練されていて分かりやすい。 また、科学考証やリアリティを突き詰めて考えればツッコミどころもあるのだろうけれど、鑑賞している間はそのあたりを気にせずに物語へ没入してしまう脚本の巧みさがある。 SFでありつつアクションは控えめでヒューマンドラマ中心、かつ分かりやすい敵役や大規模な闘いが存在しないながらも、宇宙と地上の両方で物語が次々と展開していき、それぞれ力量ある俳優達の演技にも惹きつけられて、退屈する時間がほぼない。 宇宙任務系SFの名作「アポロ13」や「ゼロ・グラビティ」の参照は当然あっただろうと分かりつつ、その表層的な剽窃にはなっておらず、韓国映画らしい情熱的な人間ドラマが脚本の軸になっているところが面白い。 その高濃度な人間ドラマに感情が乗れるか、むさ苦しいと感じてしまうかは鑑賞者によって分かれそうではあるけれど… 韓国映画としては比較的大きな予算が費やされたようだが、そのVFXの品質は今やハリウッド映画と比較しても全く遜色がないといっていいだろう。 キム・ヨンファ監督の演出センスだけでなく、韓国映画界や製作者達全体の基礎レベルの高さを感じる。 費やした予算に対して興収が期待値に届かなかったとのことだけれど、SF好きなら観る価値があると感じた良作。 https://filmarks.com/movies/111752/reviews/220375815

  • タイムハント 時間操作 | Riot for the Dove (2023)

    1.2/5.0 監督・脚本・主演をマイケル・ラザールが務めた低予算のSF映画。 メキシコの犯罪組織に監禁されている少女は、特殊な能力を持っていた。 組織はその能力をある特殊装置の入手のために利用している。 特殊な装置とは、時間を数秒だけ巻き戻せるという異星文明由来の代物だった。 米政府長官はある探偵に少女の救出を依頼する。 超能力 x タイムトラベルものという好きなジャンルだったため鑑賞したが、低予算で製作された作品であることを大前提として理解していても、そのあまりにも稚拙な演出と編集に驚かされた。 VFXを多用した派手な画がなくとも、しっかり準備されたストーリーボードがあっての撮影や編集がされていれば絶対こんなことにはならないだろうと感じる雑な作り。 まず全般的にカット割りがめちゃくちゃ過ぎて、そのシーンで誰がどこに配置されていて誰と何をしているのかがほとんど全く分からないという編集に、作品の世界に没入することを著しく妨げられてしまった。 台詞の音質もカットや話者ごとで明らかにブレがあり気になってしまうし、楽曲や音効の入り方も終わり方も笑ってしまうほど雑。 これらは予算の多寡に関係なく、ただ丁寧に製作することで解決できることばかりなはず。 予算を抑えつつ作品のスケール感を補強するためか、ラスベガスの綺羅びやかな街の空撮 (のストックフッテージ) が多用されているが、製作者達が撮影した登場人物達の退屈なアングルでの会話カットと素敵な空撮、退屈な会話と空撮、会話と空撮… が何度も繰り返されるくだりには、実はこれはシュールなギャグとして編集されているのではと感じてしまうぐらいの斬新さがあった。 あまりにも映画演出の基礎がボロボロで物語がほとんど頭に入ってこなかったけれど、脚本の起伏や結末については、せっかく面白くなりそうな設定だったのになぜこんなに盛り上げられなかったのだろうという印象。 自身も映像製作に関わる機会がある業界で働いているので、避けるべき撮影と演出のほとんど全てが90分弱の作品にコンパクトに詰め込まれたお手本映画としてリストしておこうと思う。 そういう視点で捉えると、若き映画製作者達には逆にとても学びの価値がある作品かもしれない。 https://filmarks.com/movies/126769/reviews/220357040

  • V/H/S/85 (2023)

    2.8/5.0 怪奇現象や超常現象が記録されたビデオテープ (ファウンド・フッテージ) というテイのホラーアンソロジーシリーズの第6弾。 製作予算は比較的抑えられながら、過激なグロテスク描写やショッキングな展開が特徴。 今作は1985年当時のホームビデオ文化を軸に、それぞれの短篇が製作されている。 「Total Copy」監督: デヴィッド・ブルックナー 2.1/5.0 アンソロジーを横断して映画全体の冒頭・幕間・終盤に入るメインフレーム。 大学の研究チームが変身生物を確保し実験する様子が記録されていく。 怖がるべきか笑うべきか微妙な気持ちになる結末が印象的。 「No Wake」監督: マイク・P・ネルソン 2.7/5.0 人里離れた湖を訪れた若者グループが何者かによる銃撃のターゲットとなる。 若者達がどのように生き延びるかという話なのかなと思いきや、予想外の展開がある。 「God of Death」監督: ジジ・ソール・ゲレーロ 2.5/5.0 1985年に実際に発生したメキシコ大地震をモチーフとした1篇。 テレビ局での生放送中に地震が発生し、生き残った人々はがれきからの脱出を試みる。 地下へ迷い込んでからの超展開が、意外でもあり唐突でもある。 「TKNOGD」監督: ナターシャ・カミアニ 3.1/5.0 開発黎明期のバーチャル・リアリティ (VR) を用いて舞台パフォーマンスを行うアーティスト。 "テクノロジーの神" を召喚する儀式が、凄まじい超常現象を引き起こす。 Apple製品の名称やDisney映画「トロン」の意匠をほぼそのまま引用し過ぎていて、 製作者達が関係各所から怒られないか心配になってしまって面白かった。 「Ambrosia」監督: マイク・P・ネルソン 2.8/5.0 中産階級の家族が集まるパーティにて、少女の成人を祝う儀式が行われる。 しかしこの家族には秘密があり、全員が狂信的な武装集団だった… という展開。 2篇めの「No Wake」と地続きの脚本になっていて、その結末に少し笑ってしまった。 「Dreamkill」監督: スコット・デリクソン 3.8/5.0 警察のもとに届いたVHSテープには、未来に起きる殺人事件の様子が収められていた。 テープをポストに投函していた青年は、自身が見た悪夢が勝手にテープへ録画されると供述する。 他篇と比較して明らかに作劇や演出のレベルが高く、上質なホラー短篇に仕上がっている。 スコット・デリクソン監督による「ブラック・フォン」と世界観が共有されているのではという話もあるが、監督自身は明言していない。 https://filmarks.com/movies/113100/reviews/220228541

  • ひつじ探偵団 | The Sheep Detectives (2026)

    4.0/5.0 レオニー・スヴァンによる小説を原作とするミステリー映画で、可愛いコメディ仕立てながら本格的な推理が展開する斬新な作品。 実話をベースにした超重量級な物語が展開する「チェルノブイリ」の企画・脚本・制作総指揮を担ったクレイグ・メイジンが脚本を手掛けている。 舞台は英国の田舎に位置するのどかな村。ヒュー・ジャックマンが演じる羊飼いのジョージが、ある朝死体で発見される。 殺人事件のような物騒な事件と無縁だった村人達は、その死因を早々に決めつけて片付けようとするが、ジョージが大切に飼っていた羊達はそうではなかった。 毎晩ジョージから探偵小説を読み聞かせてもらっていた羊達はその内容をきちんと理解していて、ミステリーもののルールを (羊なりに) 知っていたのだ。 ジョージの死の真実を突き止めるため、羊達は独自の捜査を始める。 様々な個性をもつ羊達の可愛らしさと、探偵ものとしてのシリアスな展開のギャップがとても新鮮で面白く、ついニコニコしてしまう。 ミステリーものの定石通りに手がかりを探り、ドタバタが起きつつも少しずつ真相に迫っていく羊達の純粋なけなげさ (とアホさ) に心打たれる。 人間ではなく羊の視点から捉えた時に見えてくる、世界の優しさと哀しさの描かれ方がとても詩的で感動的。 羊飼いを演じた名優ヒュー・ジャックマンはもちろんのこと、それぞれ個性的な村人達や羊達の声を演じた俳優達の演技も良い。 探偵もののクライマックスとして定番の、全ての登場人物が一箇所に集まって真犯人が明かされるシーンもしっかりあって、その真相には納得感もある。 コメディとしての可笑しさとミステリーとしての本格的な脚本が両立する、とても上質な映画だった。 https://filmarks.com/movies/126086/reviews/220060172

© 1998-2026 Shoji Taniguchi

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