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  • 誕生日シンドローム | Twenty Something (2021)

    3.8/5.0 ピクサー製作による「SPARKSHORTS」シリーズの1篇。 21歳の誕生日を迎え、姉に連れられ初めてクラブへ行くことになった女性が主人公。 主人公が感じる不安な心理が、アニメーション表現ならではの手法で描かれており、そのチャーミングなアイデアが面白い。 ひとりの人間だから思考も成熟度も単一ということではなく、様々な自分が内面に存在している。 自分に比べると随分大人に見える他者もひょっとすると同じなのではないか、自分だけが未成熟で場違いな存在だと思う必要はないのかもしれない。 主人公の葛藤と心境変化の描かれ方がとてもスマートで、温かい読後感が残る素敵な短篇だった。 https://filmarks.com/movies/99398/reviews/211675565

  • 心をつむいで | Purl (2018)

    3.6/5.0 ピクサー製作による「SPARKSHORTS」シリーズの1篇。 金融企業に入社した毛糸玉の女性を主人公にして描かれる、社会と個人の関わり方についての物語。 意気揚々と新しい職場に乗り込む主人公だったが、男性ばかり (しかも全員が同じようなスーツと顔つき) の空気やカルチャーに圧倒され、無理やりにでも自分を合わせていく。 一連のシーンがピクサーらしいユーモラスな演出で描かれていて楽しいけれど、社会人ならば誰でも一度は味わったことがありそうな状況に、心が痛くなる。 本来の人間性や個性を抑圧してまでも組織や社会に溶け込むことが本当に必要なのか? という重めの問いとそれについての製作者からの回答を、15分程度の時間と軽妙な演出を通して鮮やかに提示できているところに、ピクサーという集団のクリエイティビティの高さをあらためて感じた。 https://filmarks.com/movies/87749/reviews/211675526

  • マニブスの種 | manibus seeds (2021)

    2.1/5.0 俳優 兼 映画監督の芦原健介による短篇で、新型コロナ禍にあった2021年に製作された作品。 工場で働き質素に暮らす主人公のもとに届いた差出人不明の封筒には、謎の植物の種が入っていて… という導入。 あえてジャンルを定義すればSFホラーということになるのかなと思うが、結末には少し意外性があり、面白かった。 新型コロナ禍という、人類史上体験したことのない規模の環境激変によって起きたコミュニケーションのあり方の変化が、脚本に反映されているように感じる。 ただ、おそらく限定された予算でたくさん工夫して製作されたものであろうと想像はしつつも、種が成長して出現する生物のチープさにはうーんと感じてしまった。VFXがどうこうではなく、単純に演技づけに問題があるような… 主人公を演じる菅野貴夫は寡黙な役を好演していると感じたし、その職場の同僚の女性を演じる小島彩乃の存在感も良かった。 が、俳優達の表情の変化や身体演技で十分に表現 (意図伝達) できるだろうと思える些細な内容まで、その全てを台詞にして喋らせてしまう演出は、やはり気になってしまった。 芦原監督の演出経験の不足もあるのかもしれないが、それよりは邦画全体にある悪しき慣習というか… 伝わらなかったらどうしよう… からの全部喋らせよう病のように感じる。 製作者達が、俳優達が持つ本来の表現力を信じていないのか? 観客の鑑賞力・読解力を信じていないのか? それとも両方なのだろうか… 短篇ながら冗長に感じる間も多く、そこに演出の意図を見つけにくかった (これ何の時間? と感じてしまった) ところもやや残念。 https://filmarks.com/movies/103411/reviews/208217720

  • プレデター: バッドランド | Predator: Badlands (2025)

    3.9/5.0 残虐描写が過激なSFアクション「プレデター」シリーズに属する作品で、同シリーズ復活の立役者ともいえるダン・トラクテンバーグが監督を務めており、有名俳優姉妹の妹、エル・ファニングが出演している。 誇り高い戦闘一族の若者の主人公が、掟を破ったことをきっかけに、最悪の地 (バッドランド) といわれる惑星へ送られる。 主人公はその惑星の頂点捕食生物を狩ることで真の戦士として一族に認められるために、試練に挑む。 これまでのシリーズで人間たちが対峙してきた異星人を主人公に設定するという、視点を逆転する着想が面白い。 相棒として登場するアンドロイド (シンセティック) が、機能はしているものの下半身を失っているという設定も斬新で、それが物語の展開や奇抜なアクションにしっかり活かされているところも上手い。 何より、陽気でチャーミングなアンドロイドと、冷酷で合理的な同型のアンドロイドの二役を演じるエル・ファニングの魅力が素晴らしい。 過去にクロスオーバーした「エイリアン」シリーズのファンにはたまらないであろう演出も後半にかけてたくさんあり、監督の作家性担保とファンサービスのバランスの上手さが光っている。 これまでのシリーズでは割と寡黙だったプレデターが、今作では主人公だからとはいえなかなか饒舌だったところは好みが分かれそうだけれど、個人的にはそれほど気になるものではなかった。 高尚だったり哲学的だったりな要素はほぼないけれど、大衆向けのエンタテインメントに振り切った作品として高い完成度を誇る娯楽作品だった。 ダン・トラクテンバーグ監督には、これからも「プレデター」シリーズの世界をどんどん広げていってくれることを、シリーズのファンとして期待したい。 https://filmarks.com/movies/120063/reviews/210603168

  • ドロップ | Drop (2025)

    3.5/5.0 「ハッピー・デス・デイ」シリーズの監督や「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの脚本・製作を担ってきたクリストファー・ランドンが監督を担ったシチュエーションスリラー。 予算は限定しながらも製作者の創造的自由を最大限に重視する方針のブラムハウス・プロダクションズ製作。 レストランでの初デートへ赴いた主人公のスマートフォンに、AirDrop (作品内ではDigiDrop) で匿名のメッセージと画像が送られてくる。 最初はいたずらのように思えたそれは、段々と脅迫めいた内容に変わっていき、やがて妹に託して自宅に置いてきた息子の情報が届くようになる。 DigiDropで通信できる距離はせいぜい15m程度で、脅迫者は主人公のすぐそばにいる誰か。その正体と意図は何なのか… という導入がスリラーとして斬新で、その状況設定に惹き込まれる。 デートの相手をはじめ、自分以外の誰かに助けを求めることが犯人に止められている状況で、主人公がその場を取り繕いつつどのように状況を打破するのかという展開は面白い。 当然ながら犯人は誰だろうと考えながら登場人物全員を見ることになるわけだけれど、サーバー、バーテンダー、ピアニスト、そしてデートの相手といった人物達のそれぞれに個性というかクセがあり、誰もが犯人に見えてきてしまうという (主人公の心理と同じ) 焦燥を味わえる。 真犯人の正体とその動機について書くことはネタバレになるので避けるとして、やや拍子抜けに感じてしまったことと、それが判明してからの展開に意外性があまりなかったところが残念ではあったけれど、現代的な状況設定の斬新さが光るコンパクトサイズのスリラーといった読後感で、娯楽作品として楽しむことができた。 https://filmarks.com/movies/121290/reviews/210603228

  • フロッグ | I See You (2019)

    3.9/5.0 俳優でもあるデヴォン・グレイが脚本を執筆したクライムサスペンス。 NETFLIX映画「iBOY」や「ナイトティース」を手掛けたアダム・ランドールによる監督作品。 15年前に連続少年誘拐殺人事件が発生した小さな町で、再び同様の事件が相次いで発生する。 過去の事件の犯人は逮捕されていることから、混乱する警察。 事件を捜査することになった刑事の家庭は、パートナーの不倫をきっかけに家族関係が崩壊している。 そして刑事の家では超常現象のような不可解な出来事が起こり始める… 舞台を限定した小規模のサスペンスを思わせる序盤から、中盤にある視点の大転換、そして終盤で真相が明らかになる展開と、何度もツイストする脚本の構成が巧み。 ネタバレを避けるため細かい部分への言及は避けるが、前半での様々な違和感や恐怖が後半で納得や別の恐怖に変化する演出が見事だと感じた。 出演している俳優達は誰もが知る著名な人物達ではないけれど、それぞれがそれぞれの役回りを理解しながら高い演技力を発揮することで、真相が明らかになった際の強い衝撃に結実している。 映画の面白さは予算の多寡や画の派手さ等には関係せず、良い脚本・良い演出・良い演技によって決まるものだと思わせてくれる秀作だった。 https://filmarks.com/movies/87485/reviews/210079199

  • ザ・メッセージ | I Still See You (2018)

    3.5/5.0 モデル・歌手・俳優として様々活躍するベラ・ソーンが主演するSFサスペンス。 ダニエル・ウォーターズによる10代向けのYA (Young Adult) 小説「Break My Heart 1000 Times」を原作としているらしい。 ある研究をしていた施設が大爆発を起こし、数百万人が志望するという大惨事から10年後。 その後の世界では、犠牲者達の残像 (Remmnants = 残存者) が誰にでも見える形で出現し始める。 主人公は面識のない残存者が残した「逃げろ (RUN)」というメッセージに恐怖するが、その意味と真相を追求していく。 幽霊のような存在と生者が共存するようになった社会という設定が、SFとしてすごく面白い。 主要登場人物を絞って、小さな街を舞台に展開するサスペンスとしての面白さはある。 真相が見えてきたと思いきや何度かツイストする脚本の展開も、設定が活かされていて捻りがきいている。 現題の「I still see you」の意味が初めて分かるシーンではなるほどそういうことかと感じ、ラストシーンでそこに別の意味が生まれてくる脚本にも感心した。 ただ、細かい設定の部分で矛盾を感じるところもいくつかあり、その詰めの甘さが少し惜しい感じもしてしまった。 派手な画づくりや驚愕のどんでん返しがある大作ではないけれど、設定の斬新さを楽しめるSF小品という印象。 https://filmarks.com/movies/82767/reviews/209791256

  • 裸の銃を持つ男 | The Naked Gun (2025)

    3.2/5.0 レスリー・ニールセンの主演で80〜90年代に3シリーズが製作されたコメディのリブートで、ニールセンが演じた警部補の息子という設定の主人公を演じるのはリーアム・ニーソン。 「チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ」を手掛けたコメディアンのアキヴァ・シェイファーが脚本と監督を担っている。 銀行強盗が発生し、特捜隊警部補の主人公がひとりで制圧するも、貸金庫からあるデバイスが盗まれる。 デバイスには世界を揺るがす危険なプログラムが入っていた、という導入。 クリストファー・ノーラン作品かと錯覚するほどの (もちろん意図的にそうしているであろう) やたらに重厚なオープニングのつかみが面白く、予告篇にも使われている主人公の初登場シーンでは展開を知っていても笑ってしまった。 他にも、ミッション・インポッシブルシリーズの有名なシーンのパロディもあってニヤニヤと笑える。 もちろん、他映画作品のパロディ以外にも笑ってしまうシーンはいくつもある。 個人的には、雪だるまが登場するシーンの意味不明さと狂気的なまでの長さを感じる一連が最も面白かった。 主人公は終始シリアスなつもりでいながら、それ以外の全ての状況がコメディというのがこのシリーズの特徴ということで、リブートするにあたっての主人公役にリーアム・ニーソンという文句のつけようがない名俳優を起用するというキャスティングは、とても面白い。 歴史に残るような映画ではないかも知れないけれど、こういった良い意味でのくだらない作品が本気で製作される豊かさが映画業界にずっとあって欲しいと願う。 https://filmarks.com/movies/121373/reviews/209791325

  • クラウド | Cloud (2024)

    3.4/5.0 「回路」「CURE」等のホラーやサスペンスジャンルで著名な黒沢清が脚本・監督を手掛けたサスペンススリラーで、菅田将暉が主演し、共演として古川琴音・荒川良々・窪田正孝等が出演している。 町工場で働きながらインターネットでの転売ビジネスで糊口を凌いでいた主人公の周囲で、不可解な出来事が相次いで起こり始める。 主人公が無自覚にバラ撒いてきた憎悪の種が、顔の見えないネット上での情報のやりとりで肥大化し、やがてそれらが主人公のもとへ一気に極限状況となって戻ってくる。 黒沢清監督らしさともいえる重くも美しいトーンと、日常的な風景へシームレスに異常なモチーフが入り込んでくる恐怖の描き方は健在で、さすがと感じる。 最低限の人間性はありそうながらまともな会話が通じなそうでもある危うい主人公を演じる菅田将暉の俳優としての力量も感じられる。 菅田将暉以外の俳優達も、監督の演出力もあってか、それぞれ何かが不安定な人間に見える役柄を好演していて、息苦しさや居心地の悪さが持続する。 けっこうなウェイトがとられていた後半の壮絶な展開は自分には意外だったが、ハリウッド映画によく見られるド派手な修羅場とはまた違う、淡々としながらも壮絶なシーンの演出が面白かった。 リアリティという視点で見ると少しどうかなと感じる設定もあったけれど、現代社会を寓話化した物語だと解釈すれば、納得できないこともない。 極めて映画的な画づくりと台詞があるラストシーンが強く印象に残った。 https://filmarks.com/movies/114844/reviews/209791206

  • デスプルーフ in グラインドハウス | Quentin Tarantino's Death Proof (2007)

    3.9/5.0 攻めた作風でありながら巨匠の地位にまで登りつめたといってもいいであろうクエンティン・タランティーノが脚本・撮影・監督を担ったバイオレンスアクション映画。 アクション俳優としての地位を確立しつつも様々なジャンルの映画に出演する演技派俳優のカート・ラッセルが印象的な悪役を演じており、スタントウーマンのゾーイ・ベルは本人役として出演。ロザリオ・ドーソンやメアリー・エリザベス・ウィンステッドもゾーイの友人役で出演していて、さすがタランティーノ映画という豪華さ。 「耐死仕様 (デス・プルーフ)」に整備した自動車を持つスタントマン・マイクが、若い美女達を襲う。 しかし美女達もただ無力に逃げ回るばかりではなく、反撃に転じ復讐を果たそうとする。 物語をまとめるとたったそれだけ? と思ってしまうほどシンプルだけれど、タランティーノ映画とあって、やはり会話劇をはじめとする様々な演出が面白く、退屈する瞬間がない。 この映画で描かれている時代は現代 (映画が製作された2007年) でありながら、70年代に米国のドライブイン等でよくかかっていた当時の低予算なB級映画の画質や編集の粗さを徹底的なレベルで再現しており、それでいてアクションやスタントのレベルは超A級という捻じれが発生していて、とても面白い。 ほぼVFX使用ゼロで撮られたという今作のカーアクションやゾーイ・ベルによるスタントの迫力は必見レベル。 映画作品内における女性の立ち位置が弱かった (凶悪な殺人鬼の男性に追い回されてただ殺されるような役が多かった) 時代の映画的質感を完璧に再現しながら、女性達が殺人鬼に逆襲し制圧するという物語を形にすることで、女性像の反転 (あるいは映画史としての集合記憶の更新) を図るということがタランティーノ監督の意図したところなのだろう。 バイオレンスでありながら鑑賞後の読後感が爽快なこの作品の中でも特筆すべきは、スタッフロールに突入するタイミング。 え、ここで? という思いと、いや終わるならここしかない! という思いを同時にする、決定的な瞬間がある。 https://filmarks.com/movies/21337/reviews/152649848

© 1998-2026 Shoji Taniguchi

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