

Search Result
Search this site
346 results found with an empty search
- ミーガン 2.0 | M3GAN 2.0 (2025)
3.1/5.0 AIを搭載したハイテク人形のミーガンの暴走描写が話題になった1作目の高評価を受けて製作されたSF映画の続篇で、1作目で監督を担ったジェラルド・ジョンストンが監督・脚本を続投している。 製作会社も前作に引き続き、予算は抑えながらもクリエイターに創造の自由 (裁量) を大きく与えるスタイルで話題作を次々と送り出しているブラムハウス・プロダクション。 前作にて暴走の末に破壊されたAI人形ミーガンのアルゴリズムを秘密裏に転用して開発された軍用アンドロイドが、そのシミュレーション中に暴走し人々を殺害する。 ミーガンの開発者だった主人公とその姪も否応なくそのアンドロイドが引き起こす混乱に巻き込まれていくが、ミーガンがネットワーク上で生存していたことが分かる、という導入。 人型の殺人マシンが人間を襲うというプロットの傑作映画といえば「ターミネーター (1984)」および「ターミネーター2 (1991)」だが、今作は明らかに (確信犯的に) その設定を参照していることが分かる。 1作目では主人公を殺そうと襲ってきたキャラクターが2作目では頼もしい味方側につくという設定は、呆れてしまうぐらいターミネーターだ。 つまり、前作では悪役だったミーガンが、今作では主人公達を守るヒーローに変化する物語になっている。 ただ、ターミネーターシリーズ (特に1と2) が終始シリアスで重厚なトーンを保ちつつ極めてシンプルな物語構造だったのに対し、今作はコメディやカンフーアクションの要素もごちゃごちゃに盛り込まれていて、作品全体の演出トーンがギクシャクしているし、物語の展開もとっ散らかってしまっている。 また、全盛期のスティーヴン・セガール主演映画のネタがくどいほどに盛り込まれていて、脚本上の伏線としてはいちおう機能しているものの、それを面白がれる観客の年齢層はかなり限定されてしまって、10〜20代の若者達には何のことやら全然分からないのではと感じた。 そもそも、セガール関連のくだり全体のギャグのキレが悪く、面白いとも感じられない。 カンフー映画の特訓シーンでお馴染みの木人椿でミーガンがウォーミングアップするシーンは、ベタ過ぎだろうと思いつつもちょっとだけ笑えたけれど… その他にも80〜90年代のアクション映画へのオマージュを感じる演出が多く、当時のアクション映画の緩めの楽しさを現代的な映像演出で再構築したかったのかなという印象。 スター・ウォーズのドラマ「アソーカ (2023)」に出演していたウクライナ出身の若手俳優イヴァンナ・ザクノが今作にも出演しており、表情や感情が読めないミステリアスなアンドロイドの役をしっかり演じきっていて好感が持てたが、そもそもの脚本や演出が良くないことがあって、俳優として損をしてしまっているように感じた。 1作目と比較して世間の評価が下がった (そして日本では劇場公開が急遽取りやめにまでなってしまった) ことにも納得できる内容だった。 物語の設定上はいくらでも続篇の脚本が書けそうだけれど、ターミネーターシリーズのように、続篇を製作する度に泥沼にハマっていくような予感も… https://filmarks.com/movies/110560/reviews/206375197
- ファイナル・デッドブラッド | Final Destination: Bloodlines (2025)
3.8/5.0 惨劇を予見して回避した主人公やその周辺人物達がその後も見えない死神に命を付け狙われるという「ファイナル・デスティネーション」シリーズの6作目で、今作が初メジャー作品の監督となるアダム・スタインとザック・リポフスキーが手掛けたホラー映画。 基本的な物語の導入は前述の通りで、氏の描かれ方もこれまでのシリーズの「ピタゴラスイッチ」的な仕掛けを踏襲していて怖いが、今作が過去作と明らかに違っていて面白いと感じたのは、ただこれまでの基本設定だけを踏襲したマンネリな続篇としてではなく、過去作で起きた全ての惨劇に理由と起源があり、それらが俯瞰的につながる巧妙な脚本になっていたところ。 もちろんそれは後付けの設定ではあるが、ただ人間が死神に追われて大変な目に遭うというパニック映画を越えた物語の語られ方になっていたところには感心した。 とはいえ、恐怖と笑いは紙一重であるとはよく言われるが、今作でも思わず笑ってしまいそうになるほどの趣向を凝らした仕掛けの連鎖とグロテスクさで死が描かれるので、痛い描写が苦手な人には鑑賞をおすすめできない。 過去シリーズに共通して登場してきた俳優トニー・トッドの遺作ともなった今作では、彼が演じてきたキャラクターが重要なタイミングで登場し主人公たちに向けて死生観を語るシーンがある。 その台詞はこのシリーズの世界観を越え、トニー・トッド自身の辞世の言葉のように聞こえて、心に残った。 トニー・トッドが自身に残された時間を僅かであると理解していたからこそ生まれたであろう、とても重量のあるシーンだった。 14年ぶりに復活したシリーズの6作目となる今作は興行・評価ともに大成功し、シリーズ復活の火花となったそうで、7作目の製作も進行中だという。 またマンネリにはなって欲しくないけれど、次回作の公開も楽しみに待ちたい。 https://filmarks.com/movies/120294/reviews/206364134
- マキシーン | MaXXXine (2024)
3.4/5.0 ホラー作品を多く手掛けてきたタイ・ウェストが脚本・監督を担う「X3部作」の完結篇で、1作目の「X (2022)」と2作目の「Pearl (2022)」に続き、新世代の俳優達の中でも個性がひときわ輝くミア・ゴスが主演するホラー映画。 シリーズ3作目となる今作の主人公は、「X (2022)」の主人公でもあったマキシーン。 ポルノビデオへの出演で人気を得ながらもハリウッドで真のスター俳優になることを夢見る主人公が、新作ホラー映画のオーディションに挑み、見事主演の座を勝ち取る。 一方で、ハリウッドでは連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」による凶悪な事件が続発しており、主人公の周辺でも俳優達が次々と殺害されていく。 やがて主人公の前に、彼女が経験した惨劇を知る者が現れる。 ここ10年ほどずっと繰り返されているような印象もある、映画やドラマにおける80年代カルチャーの再現は、特に目新しい部分はない。 が、タイ・ウェストによる演出は丁寧かつ安定的で、物語の世界観構築が上手だなと感じる。 なんといっても主人公役を担っているミア・ゴスの強烈な存在感やカリスマ性が、作品を支える軸となっている。 その強烈さは、脇役として出演しているケヴィン・ベーコン、エリザベス・デビッキ、ジャンカルロ・エスポジートといった大御所俳優達の存在感すらやや霞んで見えるほど。 単なるスラッシャーホラーにとどまらず、過去の2作から通底して描かれてきた「欲望」や「女性の自己実現」にまつわるテーマ性を感じることはできるものの、今作を単品として鑑賞すると、物語の展開に大きな驚きやツイストが感じられず、少し残念だった。 3部作を連続で鑑賞すればそれぞれに関連する部分で面白さが増しそうではあるけれど… ホラー映画の伝統的な部分はしっかりと踏襲しながら、前述のようなテーマ性が組み込まれた米国ならではの暗黒寓話として3部作が仕立てられているところには、ちょっと感心した。 https://filmarks.com/movies/115383/reviews/206049941
- ジェン・ブイ シーズン2 | Gen V Season 2 (2025)
4.1/5.0 エリック・クリプキが企画・製作総指揮を担うSFドラマ「ザ・ボーイズ」のスピンオフシリーズのシーズン2。 「ザ・ボーイズ」の世界設定や登場人物を共有しながら、こちらのドラマではスーパーヒーローを養成するための学校を舞台に物語が展開される。 「ザ・ボーイズ」のコミック原作やドラマシリーズの世界は、マーベルやDCの映画シリーズのように超人達が存在しながらも、それらの大半の本質がヒーローではなくヴィランであるという大きな特徴がある。 堕落と腐敗、あるいは狂気に塗れた世界の描写は凄まじくも、ただ悪趣味にふざけるだけではなくその描写自体が米国の現状の強烈な風刺になっているところがとても面白いのだけれど、今作は主な舞台を学校に限定しながら脚本が構成されていることもあり、ややスケール感がこじんまりしている。 ただ、主人公とその仲間や周辺人物達それぞれに丁寧な背景設定や苦悩が用意されていて、若者達の成長ストーリーとしてきちんと成立しているところに脚本の巧みさを感じる。 また、それぞれ個性的な超人的能力 (超能力) が発揮されるシーンはダイナミックで面白いが、それらのほとんどには分かりやすい爽快さはなく、むしろグロテスクで恐怖を感じてしまうところに、製作スタッフ達の演出や編集センスの高さを見ることができる。 シーズン1で中心的な役を演じていた俳優のチャンス・パードモが若くして不慮の事故で亡くなったことを受け、既に完成していた脚本が大幅に書き直されたという作品外の背景があるが、それによって脚本の品質が落ちたように感じられる部分はほとんどない。 むしろチャンスと彼が演じたアンドレというキャラクターに対する深い敬意が払われていることが分かる物語として完成しており、そこに製作スタッフ達の真摯な姿勢を感じ、感銘を受けた。 今作の物語の決着はしっかりと描かれながら、スピンオフ元の「ザ・ボーイズ」最終シーズンへの接続が見えてワクワクしてしまう結末だったところも、シリーズをずっと追ってきているファンのひとりとして、とても嬉しかった。 https://filmarks.com/dramas/12998/22665/reviews/19734092
- マーベル・ゾンビーズ | Marvel Zombies (2025)
2.8/5.0 マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するアニメーションで、「ホワット・イフ…?」シリーズの監督・製作総指揮を担ったブライアン・アンドリュースが今作でも監督を担っている。 脚本は「デッドプール&ウルヴァリン」の脚本も手掛けたゼブ・ウェルズ。 MCUにおける主要キャラクターであるソー、アントマン、スパイダーマン、スカーレット・ウィッチ等がオールスター的に登場するが、今作で描かれる世界は謎のウィルスが蔓延しており、ヒーローであっても感染から逃れることはできず次々とゾンビ化してしまう。 絶望的な状況を打開するためポストアポカリプスな世界を懸命に生き抜く主人公として物語を牽引するのは、MCUの長い歴史の中では比較的最近登場したキャラクターのミズ・マーベル / カマラ・カーンで、同じくMCUでは若手といえる2代目ホークアイ、アイアンハート、シャン・チーといった新世代のヒーロー達が主人公を支える。 主に映画を中心に展開するMCUでありながら、この作品にもマルチバース (並行世界) 設定が活かされているため、主軸の映画やドラマでは簡単に死亡させたりはできない重要なキャラクター達も、このゾンビな世界では容赦なく退場していく。 このキャラクターは死なないでしょ〜と思っていると凄惨な展開に驚かされるという意味では、MCUのファンであればあるほどドキドキすることができるだろう。 映画やドラマではまだ本格的に登場していない (がずっと登場が期待されている) キャラクターの活躍もあり、ファンならにっこりしてしまいそう。 ただ、全4話のうちの後半にもなってくると、そのどんでん返しにも慣れてきてしまい、このキャラクターもまたいきなり死ぬんですよね… という飽きが出てきてしまった。 何よりも、結末が曖昧でスッキリせず… 未鑑賞者への配慮としてネタバレは避けるけれど、これだけ引っ張っておいてその結末はないでしょうと残念な気持ちになってしまった。 まさか続篇の製作も視野に入れての曖昧さなのだろうか… だとすれば少なくとも個人的には、ゾンビものとしてのMCUはこの全4話で十分に描き切ったのではと感じる。 ドラマでもアニメでもそうだけれど、続篇を見込んでいるにしても、そうではないにしても、いったんはシーズン内で物語をきっちりと納得がいく形で完結させて欲しいなと感じてしまうのは自分だけだろうか… https://filmarks.com/animes/4913/6675/reviews/8709187
- エイリアン: アース | Alien: Earth (2025)
3.6/5.0 「SHOGUN 将軍」の製作で一躍注目を集めたFXが製作した「エイリアン」シリーズ初のドラマで、タイトルの通り地球を舞台に「エイリアン」の物語が展開するSFホラー。 「ファーゴ」や「レギオン」の原案と脚本で高い評価を得たノア・ホーリーがショウランナーを担い、「エイリアン」シリーズの生みの親のひとりであるリドリー・スコット御大も製作総指揮に名を連ねている。 時代設定は2120年で、映画「エイリアン (1979)」で描かれた時代の2年前。 地球と植民地化された太陽系はたった5つの超巨大企業に支配されており、企業間では熾烈な競争が行われている。 そのうちのひとつ、ウェイランド・ユタニ社の深宇宙探査船が地球へ帰還し、プロディジー社が支配する地域へ墜落するが、その船には5種の未知の宇宙生命体が格納されていた、という導入。 主人公とその仲間達は、重病で余命が少ない子どもたちながらプロディジー社の技術によって人口身体へとその意識を移行した、ハイブリッドという存在。 これまでの「エイリアン」シリーズに登場しいずれも重要な役割を担ってきたサイボーグ・シンセティックも今作に登場するが、ハイブリッド達にはそれらとは一線を画す異質感があり、そのアイデンティティの揺らぎの部分も含めとても面白い。 特に主人公のウェンディを演じたシドニー・チャンドラー (「SUPER 8」や「ゴジラvsコング」に出演してきた俳優カイル・チャンドラーの娘!) の存在感は印象的で、子どもでも大人でもない、まして人間でもアンドロイドでもないという難しいキャラクターを見事に表現している。 ただ、全8話ある中盤ぐらいまではワクワクしながら鑑賞しながら、もしかしてこれは全8話では物語がまとまらないのでは…? と予感したことが的中してしまった。 最終話となる第8話で一定の決着はあるにはあるものの、提示された多くの謎や設定がほぼそのまま手つかずで残され、展開を広げられそうな種達だけが大量に撒かれた印象で、何ともスッキリできない結末。 しかも今作はシーズン2ありきの脚本として書かれたものではなく、その製作も決定していないらしい。 最近の米国製作のドラマはシーズン内できっちり物語が完結しないことが流行しているのだろうか? 脚本や演出の面白さは確かなものだっただけにそれが残念で、すごくモヤモヤしてしまった… https://filmarks.com/dramas/16142/21787/reviews/19603721
- ピースメイカー シーズン2 | Peacemaker Season2 (2025)
3.4/5.0 これまでのDC映画に登場し人気を博したキャラクターの、ジョン・シナが演じる「ピースメイカー」を主人公に、DCEU (DCエクステンデッドユニバース) のシリーズとして製作されたシーズン1から新生DCU (DCユニバース) へと移行しながらも、シーズン1の直接的な続篇として製作されているドラマシリーズ。 DCスタジオの共同会長 兼 CEOに就任したジェームズ・ガン自ら原案・脚本・監督・製作総指揮を担っている。 家族を失った痛ましい過去を持つ主人公が偶然に足を踏み入れた並行世界では、その家族がまだ健在でヒーローとして活躍しており、主人公は何事も上手くいかない自身の世界から逃避して並行世界で生きていくことを考えるが… という、SF的な導入。 現実世界において、主人公はヒーローというよりもヴィランと呼ぶ方が適切といっていいほど悪行を重ねてきているが、繊細な性格の持ち主でもあり、自身の過去を悔いていて、常に真の友情や愛情を欲してもいるという複雑なキャラクターの魅力がある。 シーズン1に引き続き、ジョン・シナはその暴力性と複雑性を表現できる稀有な俳優であると感じられる。 そして、そんなヴィランな主人公に強烈な恨みと復讐心を持つキャラクター達も登場する。 ただ、ジェームズ・ガンが手掛ける映画やドラマならではの豪快なアクションやお下劣なギャグは健在ながら、奇跡的なレベルで面白かったシーズン1と比較すると、全8話構成の中に大きなヤマが見つけられず、最終話に至ってもカタルシスがなく、これは期待していた展開と違うなぁ… という気持ちになってしまった。 主人公がこちらで生きていこうと決意した並行世界の真実が分かるシーンには驚かされ、そこを軸に後半の物語が展開するのかと思ったが、全然そうでもなかったところには全然そうでもないんかいと突っ込んでしまった。 主人公以外のキャラクター達もみな魅力的で、全ての人物に脚本上の明確な役割が与えられてもいるし、このシーズンを通してのキャラクターアークもそれぞれ成立しているのだけれど。 最終盤の急展開にもすごく驚かされたが、DCU全体の展開の超巨大なクリフハンガーとしてそれが用意されたであろうことは理解できつつ、このドラマ単体の結末としてはあまり納得できるものではなかったし… シーズン1が本当に面白いものだっただけにすごく期待しながら鑑賞した分、面白さよりも残念さが勝ってしまった。 ピースメイカーという複雑なキャラクターの魅力はまだまだ描かれる価値があると思うので、今後のDCU映画やドラマでも登場し、彼の物語が続いていくことに期待したい。 https://filmarks.com/dramas/10957/22241/reviews/19603194
- デッドリー・ハンティング | Prey (2021)
2.9/5.0 ドイツ製作のNETFLIX映画で、90分弱でコンパクトにまとまった、大自然を舞台に展開するサスペンス。 ドイツ出身のトーマス・ジーベンが脚本・監督を担っている。 恋人との結婚を控えた主人公とその兄や友人達が、バチェラー・パーティ (結婚直前に友人達と夜を過ごすイベント) の代わりにトレッキングしていると、正体不明の狙撃手から攻撃を受ける。 なぜ自分達が狙われるのか分からないまま、必死に逃亡する主人公達だが、極限状況でその関係性が危うくなっていく… という展開。 舞台となるドイツの大自然の美しさは見事で、堅実で安定した撮影と演出もあり、目を奪われる。 ただ、肝心のストーリーがどうにも地味で展開も弱く、しかも納得がいく内容にもなっていない。 思わせぶりな回想シーンが何度か入り、良好な関係のように見えた主人公とその兄の間にあった隠し事も判明するが、それはほとんど本筋に関係しなかったりするし… 正体不明の敵の姿やそのバックストーリーには意外性があったけれど、その常軌を逸した行動に至る動機も、主人公達を狙う理由も、それはさすがに理不尽過ぎるのではと感じてしまった。 終劇の余韻だけは独特のものがあったけれど… 鑑賞して損をしたという気持ちにはならないにしても、ドイツの大自然というロケーションの素晴らしさ以外には特筆すべきところが見つけられず、やや物足りなく感じてしまう作品だった。 https://filmarks.com/movies/98873?mark_id=204026307
- 野生の島のロズ | The Wild Robot (2024)
3.9/5.0 「ヒックとドラゴン」や「シュレック」シリーズを製作してきたドリームワークス・アニメーションが手掛けるSFアニメーション映画で、ピーター・ブラウンによる児童文学「野生のロボット (The Wild Robot)」を原作としている。 脚本・監督は、「ヒックとドラゴン」シリーズをはじめ多くのアニメーション映画に携わってきたクリス・サンダース。 主人公のロボットの声を演じるルピタ・ニョンゴをはじめ、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、ヴィング・レイムス、マーク・ハミルといった一流俳優達が声優として起用されている。 人間の生活をアシストするために製造されたロボットが、その輸送中の事故により、無人島に漂着してしまう。 起動したロボットのロッザム7134 (ロズ) は、島に生息する野生動物達を自分が仕える主人と勘違いするが… という導入が、チャーミングで微笑ましい。 主人公と多種多様な動物達のキャラクターを自然に紹介しながら展開する脚本も巧み。 何者かに仕えることを機械的にプログラムされていた主人公のロボットだが、自身が起こしてしまったアクシデントや動物達との交流をきっかけに、どんな行動を取るべきなのかを自律的に思考していくようになる。 動物達はやがて来る冬を越えるための準備に入り、主人公が母親代わりとなって育ててきた雁も、渡りへと旅立つ。 児童文学を原作としていることもあり、衝撃的な展開があるわけではないが、脚本の運びがとても丁寧で、アートディレクションや演出も上質で、自然と物語に惹き込まれる。 映像の美しさに目を奪われがちだが、ルピタ・ニョンゴをはじめとする俳優達の声の演技の素晴らしさが、高い演出レベルの要になっているように感じる。 無人島の動物達と主人公に終盤で訪れる危機と、結束してそれに立ち向かう主人公達の描き方には、事前に想像していた以上に感動させられてしまった。 全篇を通して子どもが鑑賞することを前提とした安心・丁寧な作りにはなっているけれど、大人の鑑賞にも十分に耐え得る、とても良質なアニメーション作品だった。 https://filmarks.com/movies/115306/reviews/204026358
- トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 | Twilight of the Warriors: Walled In (2024)
4.0/5.0 かつて香港に実在した巨大なスラム街「九龍城砦 (九龍城寨)」を舞台とするアクション映画で、香港映画史上最大の観客動員数を記録した大作。 余兒 (Yuyi) による小説「九龍城寨」を原作に、香港映画界で高い評価を得ているソイ・チェンが監督を担っている。 香港の若きアクション俳優達が多数出演しているが、ジャッキー・チェンの盟友でもあるサモ・ハン (サモ・ハン・キンポー) も重要な役柄で出演。 1980年代、当時まだ存在していた九龍城砦は、英国・中国のどちらにも属さず法の力も及ばない無法地帯だった。 香港へ密入国した主人公の青年は、裏社会の掟に逆らってしまい、その抗争に巻き込まれながらも、九龍城砦で出会った人々との絆を深めていく。 ただ、無法地帯での安息の日々は束の間に終わり、主人公とその仲間達は命がけの闘いに挑むことになる。 何といってもこの作品の見どころは、アクション演出のレベルの高さ。 かつてジャッキー・チェンやジェット・リー、ドニー・イェン等の超人的なアクションスターが主演する香港アクション映画にあった驚きと興奮、そして情熱が、この作品にも溢れるほど詰まっている。 アクション監督を務めた谷垣健治の貢献はもちろん、ただアクションが美しく激しいだけでなく登場人物達の感情が (やや分かりやす過ぎるほどに) 見える演出として形になっていることには、劇伴を担当した川井憲次の貢献もとても大きいのではないか。 アクションだけでなく、舞台美術もまた素晴らしい。 九龍城砦や軍艦島といった文化遺産にロマンを感じる自分としては、今は自分の目で見ることが叶わない九龍城砦とそこで暮らした人々の姿が、その息遣いやにおいまで伝わってくるようなレベルの作り込みで隅々まで描かれていることに感動した。 当時の実際の風景よりも多少の画的な脚色はされているとは思うけれど、それでも、この映画が作りあげた風景の価値は変わらない。 終盤にいたるにつれ人物達の設定や特技に関する「そんな馬鹿な!」の度合いが高まり続けるが、画の迫力と説得力が終劇まで謎に継続するのは、やはりCGに頼らず俳優やスタントによる身体演技をベースとした画づくりがあるからなのだろう。 今作は香港のみならず世界中で高い評価を受けたこともあり、前日譚や後日譚といった続篇が製作される予定とのことで、楽しみに待ちたい。 https://filmarks.com/movies/116565/reviews/203575687









