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空の検索で224件の結果が見つかりました。
- ブルース・ブラザース | The Blues Brothers (1980)
4.5/5.0 コメディアンのジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが米国のTV番組「サタデー・ナイト・ライブ」内で演じたキャラクターをもとに2人が主演するミュージカル・コメディとして映画化された作品で、マイケル・ジャクソンの伝説的ともいえる「スリラー」のミュージックビデオを手掛けたジョン・ランディスが監督を担っている。 孤児院で育てられ立派なろくでなしとして成長したブルース兄弟が、その孤児院の閉鎖の危機と救済のために大金が必要なことを知り、「神の啓示」を受け、自分達が活動していたバンド「ブルース・ブラザーズ」を再結成し、かつてのバンドメンバーと資金集めのために奔走するという物語。 何よりも、数々のミュージカルシーンの完成度が素晴らしく高い。主演の2人の歌唱力と演技力はもちろんのこと、R&Bやソウルの伝説クラスのアーティスト達の歌唱と演技が大変に魅力的で、その何もかもが楽しい。 ジェームズ・ブラウン、キャブ・キャロウェイ、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、他多数… これほどまでに豪華な共演は二度と実現しないのではと感じるほど。 多数の出演者を的確にアンサンブルとして構成し写し取るジョン・ランディス監督の演出力もキレキレに冴え渡っている。 ミュージカルパート以外では、ド派手を通り越してどう考えても過剰過ぎるカーチェイスアクションが印象的。 そして兄弟をつけ狙う「謎の女」として要所に登場するキャリー・フィッシャー (「スター・ウォーズ」のレイア姫を演じた俳優といえば知らない人は少ないだろう) が巻き起こす破滅的なカオスも面白い。 劇場公開から半世紀近い時を経てもなお、音楽映画の金字塔として愛され続けていることにも納得できる、自分にとって宝物のような作品。 https://filmarks.com/movies/38327/reviews/152633856
- アイアンハート | Ironheart (2025)
3.0/5.0 マーベル・スタジオが製作・展開するマーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するドラマシリーズで、MCU映画「ブラックパンサー」の脚本・監督を担ったライアン・クーグラーが製作総指揮として関わっている。 主人公のリリ・ウィリアムズ / アイアンハートを演じるのはライジングスターな俳優といっていいであろう、ドミニク・ソーン。 天才的な頭脳を持つ発明家の主人公が、MCUにおける超重要キャラクターであったアイアンマン / トニー・スタークの精神を受け継ぎアイアンハートとして世界の守護者となり得るのか、という壮大な物語が展開するのかなと事前に予想していたら、良くも悪くも予想は大外れで、もっとストリートレベルでとても個人的なスケールの脚本だった。 壮大でなくとも楽しい映画やドラマはたくさんあるのだけれど、今作は楽しい部分よりも暗く悲しい部分にフォーカスがあたりがちで、若き主人公の葛藤と成長が描かれる冒険譚というよりも、危険な領域に足を踏み入れてしまった未熟な若者の犯罪スリラーのような展開の連続で、胸のすくような展開も爽快感もほとんどないことに驚いた。 高度なテクノロジー同士のぶつかり合いといったSFアクションにとどまらず、テクノロジーの真逆ともいえる魔術をヴィラン側が駆使するという展開は新鮮で面白く感じたが、その使われ方や描かれ方もやや消化不良な印象。 マーベルファンがいつMCU登場するのかと待ち望んできたある重要キャラクターが満を持して登場する終盤では、そのキャスティングも含めて驚きがあったが、例によってその本格的な活躍は今後の映画やドラマシリーズに期待、といった程度の顔見せにとどまっていたところが残念。 俳優達それぞれの好演が光りながらも、総合的な読後感としてはどうにもノリが悪くハイライトも少ない、寂しい作品になってしまったという印象。 クリフハンガーの演出には少し驚きがあり、それは今後のMCUの世界でどう展開が描かれるのか気になった。 が、「エンドゲーム」以来やや迷走が続いているMCUということもあり、期待よりも不安が勝る… https://filmarks.com/dramas/11502/15954/reviews/18637966
- ブリック | Brick (2025)
3.4/5.0 ドイツ製作によるミステリー/スリラーのNETFLIX映画で、ザック・スナイダー監督の「アーミー・オブ・ザ・デッド」に出演していたマティアス・シュヴァイクホファーが主人公を演じている。 主人公夫婦の2人が自宅で目覚めると、アパート全体が黒いレンガに覆われ完全に封鎖されていることに気づくという、SF的で不条理シチュエーションの導入は面白い。 夫婦は隣人たちと協力しながらアパートからの脱出のために試行錯誤するのだが、極限状況に追い込まれた人物達の関係性や心理描写に惹き込まれる。 ハリウッド映画のような派手さはないけれど、ドイツ映画らしいダークな静謐さがなかなか魅力的。 今なおカルト的な人気を誇る不条理密室SFの傑作「CUBE (1997)」を思い出す人も多そうだが、今作は良くも悪くも心理描写に重きが置かれており、観る人によって好みが分かれるかもしれない。 個人的には、主人公夫婦の間に存在する隔たりとその理由に心が痛み、その2人が陥ってしまっている状況のメタファーとして解釈することもできる「壁 (による閉鎖空間)」の設定を面白いと感じた。 主人公夫婦以外のキャラクター達の描かれ方がやや類型的で弱い印象があったが、主人公夫婦の心理描写に焦点を絞って作劇しているともいえるし、脚本に致命的な欠陥があるというわけでもない。 謎解き要素は多くはないながらもきちんと存在し、結末にも賛否両論が発生するかもしれないと感じたが、現代社会への問や解釈の余地を大きく残す終劇のあり方も、これはこれで価値ある作品だといえるのではないか。 https://filmarks.com/movies/123133/reviews/200143772
- ハートアイズ | Heart Eyes (2025)
2.9/5.0 「パラノーマル・アクティビティ」シリーズの脚本や「ハッピー・デス・デイ」シリーズの脚本・監督で知られるクリストファー・ランドンが脚本・製作を手掛けたスラッシャーホラー映画。 「ハッピー・デス・デイ」のコメディ・ホラー・SFがジャンルミックスされた演出が新鮮で面白かったので今作も鑑賞した。 目がハート型に光るマスクをした連続殺人鬼 (ハートアイズ・キラー) が、毎年バレンタインデーになるとカップルを狙って惨殺する事件が発生しており、今年も… という導入は、やや凡庸に感じながらもなるほどという印象。 ただ、冒頭からジャンルミックス全開なコメディ演出で、しかも個人的にはそれほど笑える内容でもなかったので、物語になかなか惹き込まれなかった。 広告業界で働く女性を主人公に、そのライバルもしくはパートナーとして同じ業界のスーパースターが登場し、その2人のラブコメディとホラーな展開が交互に進行するが、何だかどちらも踏み込みがどっちつかずな演出で、率直に書くとややスベってしまっているように感じた。 終盤ではハートアイズ・キラーの正体が判明し、しっかりした山場や大団円的な結末も用意されているのだけれど、その正体と残忍な行為の動機が何とも納得いかないというか、予想外を通り越して少々無理やりなのではと感じてしまった。 そんな気持ちになってしまったので、明確な結末があっても、物語自体に乗り切れないという… 色々惜しいと感じる部分がありながら、とはいえ深く考えず気楽に観られるB級ホラー映画としては、一定の価値があるのではないか。 https://filmarks.com/movies/120357/reviews/200110027
- スーパーマン | Superman (2025)
4.3/5.0 これまで展開されてきたDCコミックスの実写映画シリーズ (DCエクステンデッドユニバース = DCEU) がリブートされ、DCユニバース = DCUとして再スタートする実写映画シリーズの第1作目で、DCスタジオの共同会長 兼 CEOに就任したジェームズ・ガン自らが脚本・監督を手掛けている。 何度も実写映画化されてきた、その名前を知らない人はいないといってもいいほど有名な「スーパーマン」を、DCのライバルといえるMARVELの映画シリーズで大きく貢献してきたジェームズ・ガンがどのようなアプローチをもって形にするのかとても期待していたが、期待通りの軽妙さとユーモア、そしてヒューマニズムに溢れる快作になっていた。 ザック・スナイダーが中心となって形にしてきたDCEU版の鈍色でシリアスなトーンのスーパーマンやバットマン等のヒーロー映画にも素晴らしい魅力があったけれど、今作では良い意味でコミック起源の世界観が感じられながら、紛争やSNS上のヘイト等の現代的なモチーフも巧みに組み込まれている。 とはいえ、コミックや映画の歴史において最も有名な偶像のひとつともいえるスーパーマンの物語を扱うとあってさすがに監督も遠慮したのか、これまでのガン監督作品にほぼ必ずといっていいほど取り入れられていたやり過ぎレベルのギャグはなく、ユーモアも上品め。 主人公のスーパーマン / クラーク・ケントを演じるデヴィッド・コレンスウェットやヒロインのロイス・レインを演じるレイチェル・ブロズナハンはこれまで有名作品で目立ってきたことがあまりないながらも、人間としての未熟さや葛藤、そして成長を見事に表現していて、とても共感できるキャラクターになっていた。 DCのファンにはお馴染みのレックス・ルーサー、ガイ・ガードナー、ミスター・テリフィック、ホークガールといったキャラクター達にもそれぞれ物語上の役割がしっかり与えられていながら、かといって登場人物が多過ぎてがちゃつくことがないように整理されているところに、脚本 兼 監督のガンの卓越した才能を見ることができる。 なかでもレックス・ルーサーを演じたニコラス・ホルトの存在感は特筆すべきで、これまで数々の俳優が演じてきた同役と比較しても、その頭脳明晰さだけでなく人間的な弱さや愚かさの表現までしっかりされていると感じた。 DC映画シリーズの長年のファンとして、やや消化不良に感じたところがないわけでもないのだけれど… 具体的に書くとネタバレになってしまうし、物語の本質部分とはそれほど大きく関連しないところなので、言及することは避けようと思う。 DCUシリーズの本格的な幕開けとして、今後の新たなシリーズ展開への期待値を大きく上げてくれた作品だった。 https://filmarks.com/movies/110845/reviews/200070348
- 邪悪なるもの | When Evil Lurks (2023)
1.9/5.0 アルゼンチンとアメリカの合作になるオカルト・ホラー映画で、アルゼンチン出身のデミアン・ルグナが脚本と監督を担っている。 今作は2023年のシッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀長編映画賞を獲得している。 「エクソシスト」等で有名な悪魔憑きがモチーフになっているが、今作が少し独特なのは、悪魔憑きもので悪魔と対峙する神父や教会といった聖職の権威が (作品内では語られない何らかの理由で) 失墜していて、しかも悪魔憑き自体が伝染病のように拡散していくという、ディストピアな世界観の物語であるところ。 田舎街に住む兄弟を主人公に、悪魔に憑かれた人間との遭遇やそれへの対処、家族を半ば無理やりに連れての逃亡が描かれていくが… とにかく冒頭から終劇まで、一切の救いがないといっても大げさではないほどに絶望的な物語が続く。 序盤は重く不穏な空気の演出が上手ながらややスローで退屈だが、あるタイミングからは容赦なくショッキングな描写が連続し、いったいこの物語はどこに着地するのだろうと不安になるほど。 ただ、脚本も作風もすごく個性的であることは確かだけれど、主人公たちの決断や行動のほぼ全てが報われない展開が続き過ぎて、むしろ退屈に感じてしまう。 また、悪魔と対峙する際の「7つのルール」といったものがけっこう大仰に劇中で語られるのだが、それがほとんど脚本上の重要な要素として機能しておらず、むしろ登場人物たちが (わざとやってんのかとツッコミたくなるぐらい) そのルールを破りまくるので、う〜んどういうこと…? という気持ちになってしまった。 デミアン・ルグナは脚本・監督を手掛けた「テリファイド」という作品で一躍注目を浴びたホラー映画界の期待の新人とのことで、同作はハリウッドでのリメイクも決定しているらしい。 少し興味が湧いたのでそちらも観てみようかなと思う。 https://filmarks.com/movies/112234/reviews/199332033
- サブスタンス | The Substance (2024)
4.5/5.0 フランス出身のコラリー・ファルジャが脚本・監督を手掛けたSFボディホラーで、カンヌ国際映画祭にて脚本賞を受賞し、アカデミー賞で5部門にノミネートされた話題作。 主演のデミ・ムーアは今作にてゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞している。 デミ・ムーアが演じる往年のハリウッドスターのエリザベスは、年齢とそれに応じた外見を理由にレギュラー番組から降板させられる。 自身の衰えを自覚しながらも、かつて手にした栄光と賞賛を忘れられず絶望するエリザベスだが、「より良い自分を生み出す」という違法な薬物「サブスタンス」を手に入れるという導入。 「より良い自分」として生まれるもうひとりのエリザベス = スーを演じるマーガレット・クアリーのゴージャスな存在感は素晴らしく、作品の世界のみならず今後の実際のハリウッドでもスーパースターとして活躍していくことは間違いないだろう。 だが、やはり今作において何よりも強烈なのは、かつて一世を風靡しながら紆余曲折あってキャリアに行き詰まっていたデミ・ムーアというスターの存在感だ。 エリザベスという役柄は、デミ・ムーアという俳優によってしか演じられなかったのではないかと感じるほど。 今作が独特なのは、アート性が高い画づくりが基調としてありながら、デヴィッド・クローネンバーグ等に代表される往年のボディホラー (VFXよりも実物エフェクトや特殊メイクを重視) の再来でもあり、かつルッキズムが蔓延しながら承認欲求が肥大する一方の現代社会に対する鋭い批評が根底にあり、それらが渾然一体となりながら物語として結実している点にある。 ボディホラーとしてのグロテスクな物理的表現と、美と若さへの哀しくも愚かな執着というグロテスクな精神性が掛け合わさって、唯一無二ともいえる読後感が残る。 SF好きの視点で鑑賞すればリアリティラインの低さが気になるところもあったが、終盤における「いくらなんでもそんなわけあるか!」と感じるような展開の連続を目にした時、この作品はそもそも全篇が寓話として作られていて、リアリティがどうこうという些末な議論とは別のところに位置するものなのだと理解できた。 コラリー・ファルジャ監督の、心を抉られるような女性(達)の心理描写と、女性をモノとしてしか扱えない男性達の醜さの描写と、全てを突き放すような結末の描写に、驚かされながらも感心してしまった。 https://filmarks.com/movies/116036/reviews/198251598
- 終末のイヴ | Eve at World’s End (2019)
1.0/5.0 特撮系のテレビ番組や映画で脚本・監督を担う中川和博によるショートフィルム。 中川氏はNETFLIX映画「新幹線大爆破 (2025)」の脚本も担当しているらしい。 人類史上初のタイムトラベルに成功した主人公がたどり着いた未来は荒廃していて… というイントロダクションが気になって鑑賞したが、率直に言って全てが驚くほど貧相で、10分程度の時間ですら苦痛に感じるほどだった。 主演の素人感丸出しな演技、遠近・スケール・アングルの基本を理解できているとは思えない画づくり、ツイスト皆無な脚本… そして、荒廃した世界をひとり旅してきた主人公が纏うおろしたてのように綺麗な衣服のリアリティのなさ。 美術大学生の在学中の作品といわれればポジティブに鑑賞できたかもしれないが、信じがたいことに、どうもそうではないらしい。 低予算であってもアイデアと工夫で上質な作品を創ることは可能だと思うのだけれど、この作品は「頑張って低予算と少人数で作ったんですね」以外の褒めどころが見つけられない。 調べたところによると、前述のNETFLIX映画をはじめ、けっこうな有名作品に関わっている監督のようだが… 現在の邦画界が抱える人材不足を象徴するような作品に感じられた。 https://filmarks.com/movies/90420/reviews/198259140
- デッドストリーム | Deadstream (2022)
2.9/5.0 ヴァネッサ & ジョゼフ・ウィンター夫妻が監督・脚本・音楽・編集とほとんどを手掛け、主演もジョゼフが担っているという、DIY精神に溢れたPOVホラー。 炎上系インフルエンサーの主人公が、起死回生の復帰企画として、かつて怪死事件が起きたと伝えられるいわくつきの廃墟からの一泊ライブ配信を敢行する。 POVジャンルの先がけといえる「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はあくまでもファウンド・フッテージ (後ほど発見されたビデオ) というテイだが、今作はライブ配信という設定のため、主人公が視聴者とリアルタイムに対話しながら恐怖を体験していくという面白さがある。 映画において恐怖と笑いは紙一重と昔からよく言われるが、そのあたりは今作も伝統に則っており、恐怖するべきか笑うべきか良い意味で迷うようなシーンがいくつかある。 主人公のキャラクターを、炎上系というよりも生粋のアホ (正確にはやや機転の効くアホ) と設定したところが今作の個性といえるだろう。 期待していたホラー演出もふんだんに見ることができるが、これまでのホラー映画ではあまり見られなかった予想外なことが起きたりもするので、いやそこはそうなんかいといった形で、心の中でツッコミを入れながら鑑賞するのが正解のように感じる。 演出スタイルの斬新さゆえに多くのクリエイターがチャレンジし、もはやありとあらゆる手法が尽くされたと思われたPOVホラーにも、まだこんなアプローチがあったのかと思えるという意味では価値のある作品。 しかし個人的には、主人公のノンストップ過ぎるアホなノリについていけず、少し冷めてしまった。 https://filmarks.com/movies/117171/reviews/198913480
- テリファー 聖夜の悪夢 | Terrifier 3 (2024)
1.5/5.0 特殊メイクアーティストとしてキャリアを重ねてきたダミアン・レオーネが作り出したスプラッタホラーシリーズ「テリファー」の3作目で、シリーズ全篇を通じて登場する殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」役をデヴィッド・ハワード・ソーントンが演じている。 今作の主人公は2作目からの続投で、スタントや武道家として活躍するローレン・ラベラ。 ストーリーはあってないようなものだけれど、今作はクリスマス前後が舞台となっており、サンタクロースではなく殺人ピエロがやってきて街を赤く染めるといった大筋。 主人公とその弟役は前作で起きた惨劇からの生還者で、今回も殺人ピエロと対峙する。 特殊メイクアーティスト出身の監督ならではだが、1作目が極めて低予算で製作されながら異例の注目を浴びた理由は、そのスプラッタ描写の凄まじさにあるだろうし、このシリーズの特色はそれに尽きると言ってもいいだろう。 仮に思いついても誰もやらないだろうと思うようなゴアな描写が目白押しで、コンディションが良くない時に見ると体調が悪化しそうなほど。 良識のある映画製作者達が明確な描写を避けてきた子どもに対する残虐描写も今作では山ほどあり、ものすごく気分が悪くなる。 物言わぬピエロという設定に忠実なアート・ザ・クラウンというキャラクターの、言葉を一切発せず表情と身体演技だけで全てを表現するチャーミングな不気味さも強烈で、ホラー映画の歴史におけるアイコニックな存在となる可能性がある。 ただ、シリーズの新作が公開されるたびに、興味本位で見てはしまうものの、なぜか好きにはなれない。 やはり残虐描写への遠慮がなさ過ぎるところと、主要人物達の描写があまりにもおざなり過ぎるところが理由かもしれない。 その中でも主演のローレン・ラベラは俳優としてすごく魅力的で、今作でも血まみれになりながら好演していたと感じる。 https://filmarks.com/movies/113389/reviews/198913450