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  • 84m² (2025)

    3.9/5.0 韓国製作のNETFLIXオリジナル映画で、「スマホを落としただけなのに」の韓国版リメイクを監督したキム・テジュンが脚本・監督を担っている。 韓国都市部の不動産事情や都市生活者のストレスを題材にした、いかにも韓国映画らしい心理サスペンス。 平凡な会社員の主人公が、自身の全財産をかけてソウルの高層マンションを購入するが、同じマンションで生活する隣人がたてる騒音に悩まされ始め、事態の解決をはかるが… という筋書き。 似たような社会環境を持つ日本在住の人々にはリアリティが高く、共感できる部分が多いのではないだろうか。 コメディ的な導入から、次第にそうでもない空気が漂いはじめ、終盤では戦慄するような展開があり、ジャンルがめまぐるしく変化していくような演出センスに、韓国映画業界が磨き上げてきた基本レベルの高さを感じる。 映画的な飛躍はありながら、真相はあくまでも人間の欲望に関するリアルな問題に帰結するところも巧み。 いちばん怖いのは人間であり、その存在はもしかしたらあなたの隣人かもしれない。 NETFLIXによる各国製作のオリジナル映画が配信されるようになって久しいが、今作のように、それぞれの国ならではの文脈や文化をベースに構成された脚本と演出には、いわゆるハリウッド映画の王道的な展開の作品とは全然違う個性と面白さがある。 それはこれまでに日本で製作されてきたNETFLIX映画やドラマでも同様だろうし、今後も変わらないのだろう。 https://filmarks.com/movies/121108/reviews/203034097

  • アイズ・オブ・ワカンダ | Eyes of Wakanda (2025)

    3.6/5.0 マーベル・シネマティック・ユニバース (MCU) に属するアニメーションで、「ブラックパンサー」を中心に描かれた国家ワカンダの歴史が、全4話を通じて紐解かれていく構成。 各話ごとに全く違った時代と場所で、ワカンダの戦士たちが暗躍する物語が描かれる。 「ブラックパンサー」の脚本・監督を担ったライアン・クーグラーが製作総指揮として関わっており、同シリーズの世界観がしっかり踏襲されている。 ワカンダはMCUの世界で唯一、ヴィブラニウムという鉱石が採掘できる国家で、同国はその恩恵を受け科学技術を超発展できたという設定があるため、はるか昔の時代の物語の中にオーバーテクノロジーなガジェットが次々登場する。 コミック原作だし、あくまでもSFとして解釈するならありかなとは感じつつ、やや現実離れし過ぎな印象もある。 物語自体は各話それぞれ丁寧にまとまっており、マーベルらしいケレン味のあるアクション演出もあって面白い。 MCUの世界を拡張するとまではいかないが、MCUの他作品との関連性が僅かに見られてワクワクするシーンもある。 MCUファンなら絶対に観た方がいい! といえるほどの要素はないものの、観て損はない良質な作品。 https://filmarks.com/animes/4869/6617/reviews/8402923

  • アリータ: バトル・エンジェル | Alita: Battle Angel (2018)

    3.8/5.0 木城ゆきとによるSF漫画「銃夢」を原作とするサイバーパンクアクション映画で、巨匠ジェームズ・キャメロンが脚本・製作を、「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「シン・シティ」「グラインドハウス」等のアグレッシブなアクション演出で評価が高いロバート・ロドリゲスが監督を担っている。 主人公 (のパフォーマンスキャプチャ) をローサ・サラザールが演じ、その主人公を支える医師役をクリストフ・ヴァルツが演じる。 色々な過去を持つ科学者としてジェニファー・コネリーも出演。 「没落戦争 (The Fall)」と呼ばれる世界大戦により文明が崩壊寸前に陥ってから数百年後の未来、地球における最後の空中都市と、その直下にあり空中都市からの廃棄物が積み上がる屑鉄にまみれた街、アイアンシティが舞台。 屑鉄の山から少女型サイボーグの頭部を発見した医師がそれを修復し再起動すると、物語の主人公となるその少女は過去の記憶を失っていたが、自身の中にロストテクノロジーともいえる戦闘スキルが備わっていることに気付いていく。 原作への充分なリスペクトをもって構成された脚本の導入に、とてもワクワクさせられる。 地上に暮らす人々が見上げる空中都市とはどんな世界なのか? 主人公にはどんな過去があるのか? といった謎が物語の展開を牽引するだけでなく、退廃した街でマシンと融合しサイボーグとして生きる人々や、その社会の裏で暗躍する凶悪なハンター戦士達といった人々の描かれ方がとても魅力的。 また、主人公と敵対する戦士達との戦闘シーンのケレン味のある演出がどのシーンでも素晴らしく決まっていて、さすがロバート・ロドリゲス、キレキレですね… と感嘆してしまう。 とはいえ大ボリュームの原作漫画に対して約2時間という映画の尺ではその全てを描くことは到底不可能で、今作内での物語としての決着はきちんとあるものの、多くの謎を残した続篇ありきの終劇になっているところは、やはり少し残念。 続篇がすぐに製作・公開されれば良かったのだけれど、映画作品としての評価は高いものの、巨額の製作費に対する収益面での課題が残ったとのことで未だそれが実現していないことも残念! ジェームズ・キャメロン御大は「アバター」シリーズ (なんと全5部作構想) を完結させることに執心しているが、こちらの続篇も同時進行で製作できないものだろうか… 個人的にはとても挑戦的かつセンス・オブ・ワンダーに溢れたSF作品だと感じている。 https://filmarks.com/movies/68417/reviews/152627405

  • ロングレッグス | Longlegs (2024)

    3.8/5.0 ホラー映画界の新鋭とも評されるオズグッド (オズ)・パーキンスが脚本・監督を担い、米国にて記録的なヒットとなったホラー映画。 「神は銃弾」等に出演し、スポーツ選手としても活躍するマイカ・モンローが主人公のFBI捜査官を、名優であり怪優であるといってもいいであろうニコラス・ケイジが、タイトルにもなっている謎のシリアルキラー、ロングレッグス役を演じている。 舞台は1990年代の米国、未解決連続殺人事件の捜査任務についた主人公が、暗号を用いて記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙をはじめとする謎だらけの手がかりをもとに、事件の真相に迫っていく… という筋書き。 主人公には霊感もしくは直感ともいえる超能力が備わっており、それを活かしながら事件の真相に近づく行為が、主人公自身も気づかなかった自身の過去と向き合っていく行為になっていく。 物語とは直接には関連しないが、動よりは静をベースに構築されている様々なカットのアングルやアートディレクションが見事で、その美しさと残虐な脚本展開のギャップをとても新鮮に感じた。 個人的には、かつて夢中になって楽しんだドラマ「ツイン・ピークス」が思い出されるような映像の質感と、奇妙な謎と、モチーフ達。 俳優達の演技も、映像のトーンと同じく抑制的でありながらレベルが高い。 シリアルキラーとして登場するニコラス・ケイジの存在感は、私のようなニコラス・ケイジ大好きの映画ファンには期待通りもしくはそれ以上。 そうでもない鑑賞者にとってもきっと充分なレベルで、この世のものとは思えない異物を目にする恐怖を感じることができる。 真相を書いてしまうと未鑑賞者の興を削ぐことになるので避けつつ、脚本上のツイストや伏線がしっかりあり結末にもモヤモヤするところは少ないのだけれど、今作のモチーフやテーマは日本人の宗教観や民族文化と少し遠いところにあり、日本では米国在住の人達と同じレベルでの恐怖を覚える人は多くないかも知れないと感じた。 「この10年で最も怖い映画」といった世間の評価もあると知りつつ、個人的にはそこまで恐怖度が高いとは感じられなかったが、上質な作品であることは間違いがない。 https://filmarks.com/movies/116103/reviews/202573229

  • ミッション: インポッシブル / ファイナル・レコニング | Mission: Impossible - The Final Reckoning (2025)

    3.7/5.0 ハリウッドを代表するスーパースター、トム・クルーズのライフワークとも言えるシリーズの集大成となるアクション映画で、もはやトムの座付き作家といってもいいであろうクリストファー・マカリーが脚本・監督を担っている。 これまでのシリーズに長く出演してきたヴィング・レイムスやサイモン・ペッグに加えて、シリーズ前作からの再演となるヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、アンジェラ・バセットといった一流俳優達が出演。 世界の命運を握る「鍵」を入手した主人公が、世界規模の核戦争=文明崩壊を起こそうとする存在に立ち向かう。 その存在とはAIで、打倒する方法はたったひとつしかなく、それができる人間も主人公しかいない… という、冒頭からクライマックスな展開。 シリーズ前作「デッドレコニング」から直結する脚本であることがその理由だが、前作を観ていないと話の筋が分からないということはない。 「ミッション・インポッシブル」といえばやはりアクションシーンがあってこそで、クリストファー・マカリーが脚本・監督を担うようになった「ローグ・ネイション (2015)」からは特に、最新作が公開される度にその規模や内容のとんでもなさで世界を驚かせてきた歴史がある。 何より、スタントを起用せずトム・クルーズ自身が全てのアクションを演じているというところが特色。 集大成となる今作でも、度肝を抜かれるようなシーンを楽しむことはできたが、さすがにこれまでのシリーズであらゆる危険なアクションを披露してきたこともあってネタ切れ気味というか… あっ、最後はこれぐらいの感じなんですね… もちろん面白いんですけれども… という、やや肩透かしな読後感が残ってしまった。 他の映画作品と比較すれば明らかに尋常ではないレベルの映像ながら、ミッション・インポッシブルという超巨大なシリーズにかけられ続ける期待の重さに、シリーズ自身が耐えきれなかったような印象。 アクションはともかく脚本が弱いというこれまでのシリーズの評価を受けてか、過去作で登場したマクガフィンや登場人物達のその後が伏線的に今回の脚本に組み込まれていて、ずっとシリーズを追いかけてきた自分としては楽しかったが、その経緯を説明するための単調な会話シーンのウェイトが大きくなってしまったことも、作品全体のスピード感やスケール感が不足してしまったことに影響しているように感じた。 また、トム・クルーズが演じる主人公とそのアクションばかりにハイライトが当たり過ぎていて、主人公が対峙する悪役の存在感が弱いところも気になる。 作中における真の悪はAIということで実体を持たないため描写が難しく、前作に引き続いて人間の悪役を演じたイーサイ・モラレスは色々と損な役回り。 とはいえ、このシリーズは良くも悪くも映画界におけるお祭りの一種ともいえるもので、その存在自体が映画史の中で重要になることは確実だけれど… タイトルロールおよびエンドロールの「導火線」の演出は、シリーズを愛してきたファンの一人として、もっときちんとやりきってほしかった! そこだけはすごく残念。 https://filmarks.com/movies/87947/reviews/202573288

  • アマチュア | The Amateur (2025)

    3.4/5.0 ロバート・リテルによる同題小説を原作とするサスペンス映画で、ドラマ版「スノーピアサー」の監督や製作総指揮を担ったジェームズ・ホーズが監督を担っている。 主演は「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリー役を演じ高い評価を得たラミ・マレック、その妻役を「スーパーマン (2025)」のロイス・レイン役で一躍有名になったレイチェル・ブロズナハンが演じる。 CIAで分析官として働く主人公が、テロ組織に妻を殺されたことからその実行犯達への復讐を誓うが、デスクワーク専門で戦闘に関してはアマチュアな主人公は、持ち前の高い知能を活かして孤独な闘いに挑むという物語。 いわゆるスパイものではあるが、007やミッション・インポッシブルといった有名シリーズのようなド派手で豪快なアクションはほとんどなく、あくまでも知能で復讐の対象を追い詰めていくという展開が新鮮。 主人公がその高度な知識であっという間に実行犯達の正体を特定していく一連のシーンは、フィクションならではの (いやそこまでは実際はできないでしょ〜と感じる) 飛躍もありながら、映画ならではのワクワクを感じられる。 ラミ・マレックの演技力は卓越しており、最愛の妻を失った哀しみ、復讐の燃料となる怒り、慣れない行動やその結果への動揺といった様々な感情が、抑圧的ながらも繊細に表現されている。 脇役として出演するローレンス・フィッシュバーンやジョン・バーンサルの存在感も流石という印象だけれど、脚本上その役の存在がそれほど上手に活かされていなかったところは、やや物足りなく感じてしまった。 演出は総じて高いレベルで安定していて、鈍色な画の質感やアートディレクションも上質、俳優陣の演技にもケチをつけるようなところはないのだけれど… すごく面白い映画だった! という読後感にはならなかったのはやはり、他のスパイ映画と比較すると展開が地味だからだろうか。 https://filmarks.com/movies/119830/reviews/202573191

  • ミッション: インポッシブル / デッドレコニング | Mission: Impossible - Dead Reckoning (2023)

    3.9/5.0 トム・クルーズのライフワークとも言える超有名シリーズで、ボディダブルやVFXを極力使わず俳優本人の身体演技や画のリアリティに極限までこだわりながら作られた様々なアクションシーンの凄みは唯一無二、他の追随を許さないといえるレベルで、流石としか言いようがない。 ただ、シリーズを重ねるごとに私たち鑑賞者や批評家のこのシリーズへの期待がどんどん高くなっているように思い、また目玉になるシーンのかなりの内容を予告篇で見せてしまっていることもあって、初鑑賞時の度肝を抜かれるような映画体験はあまり得られなかったところが残念だった。 これだけの超大作を制作するには当然ながら巨額の予算や長大な期間がかかるものだから、予告篇にて期待を最大まで高めることで興収を最大化する必要があることはもちろん分かりながら… シリーズ第1作目からの大ファンのひとりでありながら、クリストファー・マカリーが監督を担当するようになってからの脚本には少しだけ不満がある。 要所でのアクションの見せ場のイメージが先にあって、その前後のつなぎの脚本は撮影直前まで完全には固まっておらず、マクガフィンを軸にギリギリのところで接続するような形で制作するスタイルを取り入れていると知って、うーんなるほどだから劇を横断する伏線的な脚本にはなかなかならないのかと腑に落ちた。 自分自身は脚本に伏線がなければ良い映画にはならないという極端なスタンスではないけれど、ほぼアクションと画の力だけで映画を成立させるというのはなかなかな力業だなと感じ、脚本の巧みさと比類なきアクションのどちらも揃っていれば最高なんだけれどなぁ… と感じてしまう。 これだけのレベルのアクションを観せてもらいながら、そんな贅沢を求めてしまう鑑賞者や批評家がいる (しかも世界中に) ことも、また制作者たちにとってはプレッシャーになってしまうのだろうとも思いながら、次回はシリーズフィナーレということで、やはりいちファンとして期待したい。 https://filmarks.com/movies/86239/reviews/162876651

  • Two (2021)

    2.7/5.0 スペイン製作のNETFLIX映画で、約70分でコンパクトにまとまったサスペンス中篇。 面識のない男女がベッドで目覚めると、お互いの腹部が何者かによって縫合されており、両者ともなぜ自分達がそこにいるのか、誰に連れてこられたのか、なぜそんな状況に置かれたのかが分からないという導入。 目覚めると謎の状況に… といった物語の始まり方はサスペンスジャンルの定石でありながら、男女が物理的に離れることができないという制限の中で試行錯誤する演出は面白い。 映画のタイトルでもある「2」が物語のキーとなり、2人の過去や真実が次第に明らかになってくる展開にも面白さはあるが、真犯人の描写やその動機の説得力の部分で急にガクッと映画のレベルが下がり、もしかしてこれは真顔でボケる様式のギャグなのかと疑ってしまうところがあった。 サスペンス映画らしいミスリードのような仕掛けもなくはないものの、それもあまり上手くいっておらず、消化不良感が残る。 結末まで観ると、どうやらギャグではなく極めて真面目なスタイルだったことが分かって、予想外といえば予想外… エンドロール直前の印象的な終劇演出も含め、高尚かつ哲学的でアートな読後感を感じさせたいのであろう製作者達の心意気は受け取りつつも、何だかいろいろギクシャクしていた部分のノイズが気になり、駄作ではないにしても傑作とも秀作ともいえない、独特な味わいが残る作品だった。 https://filmarks.com/movies/100587/reviews/200746473

  • 28年後... | 28 Years Later (2025)

    3.8/5.0 ダニー・ボイル監督 x アレックス・ガーランド脚本による英国発のSFホラー「28日後…」シリーズの3作目で、ジャンルとしてはいわゆるゾンビものといえる映画作品。 タイトル通り、1作目の物語から28年後の物語が描かれる。 主人公の少年をアルフィー・ウィリアムズが、その父と母を英国出身のアーロン・テイラー=ジョンソンとジョディ・カマーが演じている。 生物を凶暴化するウイルスがチンパンジーから人類へ感染拡大し、文明が崩壊した未来。 ヨーロッパ大陸は感染者達を撃退し、英国本土に封じ込めることに成功したが、その結果英国は世界から孤立した。 感染から逃れた少数の英国の生存者達は孤島に身を潜め、その本土からも物理的に隔絶された小さな島の共同体で生き延びている。 あるきっかけから、主人公の少年とその母は、島を脱出し本土へ向かう旅に出ることになる。 シリーズ1作目の「28日後…」や2作目の「28週後…」はまだ文明が残る世界での物語だったが、今作は28年後という設定ゆえに、感染拡大前の文明は僅かに残るのみとなっており、その退廃的な描かれ方が新鮮。 社会基盤やインフラが崩壊した世界で人類はどうやって生きていくのか? という、SF視点でのセンス・オブ・ワンダーを感じられる。 主人公やその父が扱う武器が、銃などの近代的なものではなく弓矢であるという設定も面白い。 優れたゾンビ映画は単純なホラー映画のジャンルを越えて社会風刺/批評のテーマを含むといわれるが、今作もその系譜に属する脚本になっており、アレックス・ガーランドのストーリーテラーとしての才能を感じられた。 人間の心の拠り所となる信仰のあり方、終わりと始まりをそれぞれ迎える生命の価値、人間が人間らしく生きるとはどういうことか、といった重いテーマが、思考と解釈の余地を残す絶妙なバランスで提示されている。 ダニー・ボイルによる高い演出センスは全篇に冴え渡っているが、ゾンビが弓矢で射られる際に一瞬時間が止まりアングルが急転回する演出が何度か繰り返されるところは、他のシーケンスやアクションの描き方からやや浮いており、それほど画期的に新鮮な演出ともいえず、ん? と感じてしまった。 1作目と2作目は単作品として公開されたが、この3作目は3部作として企画されているとのことで、第1部となる今作だけでは物語が完結せず、今回提示された物語要素の多くの部分が次回作以降に持ち越されている。 2作目が公開された2007年から今回の3作目まで18年もの間が空いているので、次回作がいつ公開されるのか正直不安… 今作は待望の続篇として期待していた通りの面白さがあったが、終盤でのクリフハンガーやもやもやしたままの要素がたくさんあるので、早く次の物語が観られるといいなぁ… https://filmarks.com/movies/119234/reviews/202234249

  • シンパシー・フォー・ザ・デビル | Sympathy for the Devil (2023)

    3.5/5.0 みんな大好きニコラス・ケイジが主演と製作をしているスリラー映画で、イスラエル出身のユヴァル・アドラーが監督を担っている。 「ザ・スーサイド・スクワッド "極" 悪党、集結」や「オルタード・カーボン」「ロボコップ (2014)」等の激しめな映画やドラマで存在感を放ってきたジョエル・キナマンが、ニコラス・ケイジが扮する謎の男と対峙する会社員を演じている。 妻の出産に立ち会おうと病院へ急ぐ主人公が、目的地にたどり着く直前で謎の男に遭遇し、地獄のドライブが始まる… という導入にはドキドキさせられる。 これまで肉体的にも精神的にも屈強な男性を演じることが多かったジョエル・キナマンが、いかにも一般人という風情の男性を演じているところが印象的。 ニコラス・ケイジは相変わらずのニコラス・ケイジだけれど、真意が読めない狂気的な役柄を演じることにかけては天才的な俳優だとあらためて感じる。 謎の男の正体は何なのか、主人公が理不尽なまでに追い詰められる理由はどこにあるのかが、物語が展開していく中で次第に明らかになってくるが、それを描き出す演出のレベルは安定して高品質なものの、やや変化感に乏しい。 車中という限定空間を舞台の中心としているので画的な変化を作るのが簡単ではない中、丁寧な心理描写や緊迫感のある会話劇は楽しめるのだが… 2人の過去にまつわるエピソードの数々が、会話で語られるのみだからだろうか。 また、その真相と結末については、こういったスリラージャンルの物語の典型を越えていない印象で、やや期待値以下だった。 タイトルに「デビル」とあるので、もっと現世の枠を越えて超常的な、人間が背負う罪と罰とはといったところまで飛躍するのかなと期待していたのだけれど。 ニコラス・ケイジとジョエル・キナマンという2大スーパースターの素晴らしい演技力があって終劇まで退屈することなく鑑賞することができたが、傑作だというには届かない、やや惜しい映画だなという読後感が残った。 https://filmarks.com/movies/110524/reviews/202234221

© 1998-2026 Shoji Taniguchi

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