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  • 邪悪なるもの | When Evil Lurks (2023)

    1.9/5.0 アルゼンチンとアメリカの合作になるオカルト・ホラー映画で、アルゼンチン出身のデミアン・ルグナが脚本と監督を担っている。 今作は2023年のシッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀長編映画賞を獲得している。 「エクソシスト」等で有名な悪魔憑きがモチーフになっているが、今作が少し独特なのは、悪魔憑きもので悪魔と対峙する神父や教会といった聖職の権威が (作品内では語られない何らかの理由で) 失墜していて、しかも悪魔憑き自体が伝染病のように拡散していくという、ディストピアな世界観の物語であるところ。 田舎街に住む兄弟を主人公に、悪魔に憑かれた人間との遭遇やそれへの対処、家族を半ば無理やりに連れての逃亡が描かれていくが… とにかく冒頭から終劇まで、一切の救いがないといっても大げさではないほどに絶望的な物語が続く。 序盤は重く不穏な空気の演出が上手ながらややスローで退屈だが、あるタイミングからは容赦なくショッキングな描写が連続し、いったいこの物語はどこに着地するのだろうと不安になるほど。 ただ、脚本も作風もすごく個性的であることは確かだけれど、主人公たちの決断や行動のほぼ全てが報われない展開が続き過ぎて、むしろ退屈に感じてしまう。 また、悪魔と対峙する際の「7つのルール」といったものがけっこう大仰に劇中で語られるのだが、それがほとんど脚本上の重要な要素として機能しておらず、むしろ登場人物たちが (わざとやってんのかとツッコミたくなるぐらい) そのルールを破りまくるので、う〜んどういうこと…? という気持ちになってしまった。 デミアン・ルグナは脚本・監督を手掛けた「テリファイド」という作品で一躍注目を浴びたホラー映画界の期待の新人とのことで、同作はハリウッドでのリメイクも決定しているらしい。 少し興味が湧いたのでそちらも観てみようかなと思う。 https://filmarks.com/movies/112234/reviews/199332033

  • サブスタンス | The Substance (2024)

    4.5/5.0 フランス出身のコラリー・ファルジャが脚本・監督を手掛けたSFボディホラーで、カンヌ国際映画祭にて脚本賞を受賞し、アカデミー賞で5部門にノミネートされた話題作。 主演のデミ・ムーアは今作にてゴールデングローブ賞の主演女優賞を受賞している。 デミ・ムーアが演じる往年のハリウッドスターのエリザベスは、年齢とそれに応じた外見を理由にレギュラー番組から降板させられる。 自身の衰えを自覚しながらも、かつて手にした栄光と賞賛を忘れられず絶望するエリザベスだが、「より良い自分を生み出す」という違法な薬物「サブスタンス」を手に入れるという導入。 「より良い自分」として生まれるもうひとりのエリザベス = スーを演じるマーガレット・クアリーのゴージャスな存在感は素晴らしく、作品の世界のみならず今後の実際のハリウッドでもスーパースターとして活躍していくことは間違いないだろう。 だが、やはり今作において何よりも強烈なのは、かつて一世を風靡しながら紆余曲折あってキャリアに行き詰まっていたデミ・ムーアというスターの存在感だ。 エリザベスという役柄は、デミ・ムーアという俳優によってしか演じられなかったのではないかと感じるほど。 今作が独特なのは、アート性が高い画づくりが基調としてありながら、デヴィッド・クローネンバーグ等に代表される往年のボディホラー (VFXよりも実物エフェクトや特殊メイクを重視) の再来でもあり、かつルッキズムが蔓延しながら承認欲求が肥大する一方の現代社会に対する鋭い批評が根底にあり、それらが渾然一体となりながら物語として結実している点にある。 ボディホラーとしてのグロテスクな物理的表現と、美と若さへの哀しくも愚かな執着というグロテスクな精神性が掛け合わさって、唯一無二ともいえる読後感が残る。 SF好きの視点で鑑賞すればリアリティラインの低さが気になるところもあったが、終盤における「いくらなんでもそんなわけあるか!」と感じるような展開の連続を目にした時、この作品はそもそも全篇が寓話として作られていて、リアリティがどうこうという些末な議論とは別のところに位置するものなのだと理解できた。 コラリー・ファルジャ監督の、心を抉られるような女性(達)の心理描写と、女性をモノとしてしか扱えない男性達の醜さの描写と、全てを突き放すような結末の描写に、驚かされながらも感心してしまった。 https://filmarks.com/movies/116036/reviews/198251598

  • 終末のイヴ | Eve at World’s End (2019)

    1.0/5.0 特撮系のテレビ番組や映画で脚本・監督を担う中川和博によるショートフィルム。 中川氏はNETFLIX映画「新幹線大爆破 (2025)」の脚本も担当しているらしい。 人類史上初のタイムトラベルに成功した主人公がたどり着いた未来は荒廃していて… というイントロダクションが気になって鑑賞したが、率直に言って全てが驚くほど貧相で、10分程度の時間ですら苦痛に感じるほどだった。 主演の素人感丸出しな演技、遠近・スケール・アングルの基本を理解できているとは思えない画づくり、ツイスト皆無な脚本… そして、荒廃した世界をひとり旅してきた主人公が纏うおろしたてのように綺麗な衣服のリアリティのなさ。 美術大学生の在学中の作品といわれればポジティブに鑑賞できたかもしれないが、信じがたいことに、どうもそうではないらしい。 低予算であってもアイデアと工夫で上質な作品を創ることは可能だと思うのだけれど、この作品は「頑張って低予算と少人数で作ったんですね」以外の褒めどころが見つけられない。 調べたところによると、前述のNETFLIX映画をはじめ、けっこうな有名作品に関わっている監督のようだが… 現在の邦画界が抱える人材不足を象徴するような作品に感じられた。 https://filmarks.com/movies/90420/reviews/198259140

  • デッドストリーム | Deadstream (2022)

    2.9/5.0 ヴァネッサ & ジョゼフ・ウィンター夫妻が監督・脚本・音楽・編集とほとんどを手掛け、主演もジョゼフが担っているという、DIY精神に溢れたPOVホラー。 炎上系インフルエンサーの主人公が、起死回生の復帰企画として、かつて怪死事件が起きたと伝えられるいわくつきの廃墟からの一泊ライブ配信を敢行する。 POVジャンルの先がけといえる「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」はあくまでもファウンド・フッテージ (後ほど発見されたビデオ) というテイだが、今作はライブ配信という設定のため、主人公が視聴者とリアルタイムに対話しながら恐怖を体験していくという面白さがある。 映画において恐怖と笑いは紙一重と昔からよく言われるが、そのあたりは今作も伝統に則っており、恐怖するべきか笑うべきか良い意味で迷うようなシーンがいくつかある。 主人公のキャラクターを、炎上系というよりも生粋のアホ (正確にはやや機転の効くアホ) と設定したところが今作の個性といえるだろう。 期待していたホラー演出もふんだんに見ることができるが、これまでのホラー映画ではあまり見られなかった予想外なことが起きたりもするので、いやそこはそうなんかいといった形で、心の中でツッコミを入れながら鑑賞するのが正解のように感じる。 演出スタイルの斬新さゆえに多くのクリエイターがチャレンジし、もはやありとあらゆる手法が尽くされたと思われたPOVホラーにも、まだこんなアプローチがあったのかと思えるという意味では価値のある作品。 しかし個人的には、主人公のノンストップ過ぎるアホなノリについていけず、少し冷めてしまった。 https://filmarks.com/movies/117171/reviews/198913480

  • テリファー 聖夜の悪夢 | Terrifier 3 (2024)

    1.5/5.0 特殊メイクアーティストとしてキャリアを重ねてきたダミアン・レオーネが作り出したスプラッタホラーシリーズ「テリファー」の3作目で、シリーズ全篇を通じて登場する殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」役をデヴィッド・ハワード・ソーントンが演じている。 今作の主人公は2作目からの続投で、スタントや武道家として活躍するローレン・ラベラ。 ストーリーはあってないようなものだけれど、今作はクリスマス前後が舞台となっており、サンタクロースではなく殺人ピエロがやってきて街を赤く染めるといった大筋。 主人公とその弟役は前作で起きた惨劇からの生還者で、今回も殺人ピエロと対峙する。 特殊メイクアーティスト出身の監督ならではだが、1作目が極めて低予算で製作されながら異例の注目を浴びた理由は、そのスプラッタ描写の凄まじさにあるだろうし、このシリーズの特色はそれに尽きると言ってもいいだろう。 仮に思いついても誰もやらないだろうと思うようなゴアな描写が目白押しで、コンディションが良くない時に見ると体調が悪化しそうなほど。 良識のある映画製作者達が明確な描写を避けてきた子どもに対する残虐描写も今作では山ほどあり、ものすごく気分が悪くなる。 物言わぬピエロという設定に忠実なアート・ザ・クラウンというキャラクターの、言葉を一切発せず表情と身体演技だけで全てを表現するチャーミングな不気味さも強烈で、ホラー映画の歴史におけるアイコニックな存在となる可能性がある。 ただ、シリーズの新作が公開されるたびに、興味本位で見てはしまうものの、なぜか好きにはなれない。 やはり残虐描写への遠慮がなさ過ぎるところと、主要人物達の描写があまりにもおざなり過ぎるところが理由かもしれない。 その中でも主演のローレン・ラベラは俳優としてすごく魅力的で、今作でも血まみれになりながら好演していたと感じる。 https://filmarks.com/movies/113389/reviews/198913450

  • コンパニオン | Companion (2025)

    3.9/5.0 今作が長篇初監督作となるドリュー・ハンコックが脚本と監督を担ったスリラーで、ドラマ「ボバ・フェット」等に出演していたソフィー・サッチャーが主人公を、ドラマ「ザ・ボーイズ」で一躍有名になったジャック・クエイドがそのパートナー役を演じている。 詳しく書くとネタバレになり未見の方の興を削いでしまうので避けるが、ツイスト豊かな脚本構成がとても巧みで、物語が進むにつれ作品のジャンル自体がどんどん転回していく予測不能な面白さがある。 いわゆる男性中心主義で女性蔑視的なトキシック・マスキュリニティをテーマに取り入れながら、決してそれにとどまらないアクロバティックな物語の飛躍があり、非凡なセンスを感じた。 それぞれのアングルや編集のカッティングは比較的オーソドックスだけれど、画全体のレイアウトの美しさや衣装デザインといった細かいところまで、高いレベルのアートディレクションが行われている。 主演のソフィー・サッチャーは、外見的な魅力はもちろんのこと、この作品の脚本上要求される様々な演技に対し見事に応えていて、これからさらに注目されてスター俳優になっていくのではないかと感じた。 そして、ジャック・クエイドは情けなくてろくでもないキャラクターを演じることにかけては天才的ともいえる俳優だ。 https://filmarks.com/movies/119366/reviews/198913363

  • プレデター: 最凶頂上決戦 | Predator: Killer of Killers (2025)

    4.1/5.0 残虐描写が過激なSFアクション「プレデター」シリーズに属する作品で、異なる時代に生きる3人の主人公が狩猟文化を中心に発達した異星人と闘うという設定の、アンソロジー形式のアニメーション映画。 第1章「盾」はバイキングの女性戦士、第2章「剣」は封建時代に生きる侍と忍者、第3章「弾」は第二次世界大戦下の連合軍パイロットと、それぞれの時代背景や文脈がテンポよくかつ丁寧に描かれながら、そこに強い異物感のある異星人が登場し始まる死闘とその結末まで、演出のレベルがとても高い。 シリーズ初となるアニメーション表現の品質の高さによる視覚的快感もあって、その物語に惹き込まれる。 今作を監督したダン・トラクテンバーグはドラマ「ブラック・ミラー」や「ザ・ボーイズ」といったダークで激しめなドラマシリーズでも監督を担ってきており、エッジの効いた演出が得意なクリエイター。 シリーズの前作「プレデター: ザ・プレイ」でも監督を手掛け、高い評価を受けて次回作「プレデター: バッドランド」でも続投しているが、今作品も一般・批評家ともに絶賛に近い評価をされており、今後のプレデターシリーズを牽引するキーパーソンとなっていくかもしれない。 https://filmarks.com/movies/122172/reviews/198913334

  • フィアー・ストリート: プロムクイーン | Fear Street: Prom Queen (2025)

    2.5/5.0 R・L・スタインの小説シリーズを原作とするNETFLIXオリジナル映画シリーズの4作目で、呪われた町「シェイディサイド」を舞台として、高校生達を中心に描くホラー。 1〜3作目と世界観や設定は共通しているが、脚本上のつながりはあまりないので、単独作品として観ることもできる。 80年代の米国のプロムカルチャーのハイレベルな再現や当時の人気楽曲を用いた演出はある程度楽しさがあるが、70〜90年代を再現する映画やドラマがここ数年で大量に生まれて飽和しており、それだけでは感心するような内容にはならない。 同じく当時流行していたスラッシャーホラーの再現が見どころといえば見どころだけれど、それにもすごく新鮮さや驚きがあるかというと、そうでもないというところが少し残念。 良くも悪くもテンプレート的というか、予想がつく範囲のことしか起きない印象で、退屈してしまう。 残虐な真犯人の正体が判明するところでは、多少の驚きはあるものの、何だか強引さも感じてしまう… 主人公を中心とする女子高校生役の俳優達はみな魅力的だし好演もしていたと思うけれど、主人公とそのライバル役以外は序盤でかなり駆け足に設定が紹介されるのみで、その後にほとんどキャラクターの掘り下げがないため、劇中で殺されるためだけに配役されたように感じられてしまって気の毒だった。 1〜3作目までは、すごく印象に残るとまではいかないまでも、脚本上の工夫もありホラー映画シリーズとしてそれなりに楽しく鑑賞したのだけれど、なぜそこから微妙に間が空いたタイミングでこの (明らかに脚本の品質が下がった) 4作目が製作されたのかがちょっと分からなかった。 https://filmarks.com/movies/121084/reviews/198913406

  • ラブ、デス&ロボット シーズン4 | Love, Death & Robots Season 4 (2025)

    3.8/5.0 エッジィな作風で知られる映画監督のティム・ミラーとデヴィッド・フィンチャーが製作総指揮として携わり、ミラーが設立したブラー・スタジオが製作する、NETFLIX配信のショートアニメーションシリーズ。 どの作品も数分から数十分程度の短篇ながら、それぞれに強烈な世界観と作風がある。 特に#1「Can't Stop」と#4「400 Boys | 400番街のボーイズ」は傑作! 「Can't Stop」4.4/5.0 レッド・ホット・チリ・ペッパーズによるライブコンサートの熱狂をバンドメンバーも観客もマリオネット (のCG) で表現するという演出のクレイジーさに度肝を抜かれる。 レッチリ全員の演技/演奏の超絶再現は、もう本人にしか見えないレベル。 「Close Encounters of the Mini Kind | ミニとの遭遇」3.9/5.0 異星人による地球への侵略が、ミニチュア撮影の視点とトーンで描かれる。 壮絶で凄まじい闘いと、極小世界で描かれる演出 (神の視点なのかも) のギャップが面白い。 「Spider Rose | スパイダー・ローズ」3.7/5.0 ハードかつバイオレンスなSF復讐劇。 物語としてはよくまとまっているが、それほど大きな驚きは得られなかった。 「400 Boys | 400番街のボーイズ」4.9/5.0 荒廃した世界で、生き残ったギャング達が驚異の存在達と対峙する。 日本の漫画やアニメーション (特に大友克洋の「AKIRA」) へのリスペクトが明らかで、全てのカット割・アングル・色彩計画・音響といった演出が完璧に決まっている。 アニメーション史に残るのではないかと感じるレベルの傑作。 「The Other Large Thing | もうひとつの大きなもの」3.3/5.0 SFショートコメディとして面白いけれど、他篇に比べると凡庸。 「Golgotha | ゴルゴタ」3.6/5.0 Season4においては、今作のみ実写ベースの映像作品となっている。 異星人とのファーストコンタクトものだが、少しツイストがあって面白い。 「The Screaming of the Tyrannosaur | ティラノサウルスの叫び」3.5/5.0 SF x 恐竜 x レース x 剣闘というジャンルミックスな作品。 演出がダイナミックで面白いとは感じるが、やや平凡な印象。 「How Zeke Got Religion | ジークの宗教」3.9/5.0 第二次世界大戦において、ナチスが進めてきた秘策を阻止する任務に赴く米国兵達。 ミリタリー x オカルト x バイオレンスホラーのジャンルミックス。 演出のレベルが非常に高く、主人公達が対峙する脅威の描かれ方が圧倒的。 「Smart Appliances, Stupid Owners | スマート家電と愚かな人間たち」2.9 家電達がそれぞれ人間について語る、インタビューを模した短篇。 軽妙なユーモアが面白くて可愛いらしいけれど、他篇に比べるとちょっと退屈… 「For He Can Creep | 彼は忍び寄る」3.5/5.0 ある詩人を巡る、猫とサタンの闘い。 ハイレベルで安定した演出だけれど、特筆すべき点もあまりない。 https://filmarks.com/animes/3329/6488/reviews/7800177

  • ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー | Rogue One: A Star Wars Story (2016)

    4.4/5.0 誰もがそのタイトルを聞いたことがあるであろう有名なSFシリーズ「スター・ウォーズ」の初スピンオフとなる映画で、2025年時点で全9部作の映画本篇のうち「エピソード4/新たなる希望 (1977)」に直結する物語。 「GODZILLA (2014)」や「ザ・クリエイター/創造者 (2023)」のギャレス・エドワーズが監督を、「ボーン・シリーズ」のトニー・ギルロイが脚本を担っている。 ファンタジーとSFが融合したスペースオペラな世界観の「スター・ウォーズ」に、戦争映画としての演出テイストを加えるため、ギャレス監督は実際の戦争記録の写真等を集め、それを参照しながら撮影に臨んだという。 ライトセーバーやフォースを使うジェダイやシスが中心的な登場人物となる本篇と違って、今作の主要登場人物はみな超人的な能力を持たない一般市民 (反乱軍) ということもあり、これまでのシリーズとは違った戦争の血生臭いリアリティが感じられる。 フェリシティ・ジョーンズが演じる主人公の哀しい生い立ちの物語には惹き込まれ、そのキャラクターアークの描き方も完成度が高く、戦乱の世にあって「持たざる者達」がどのように自身の生と死の価値を見出すかというシリアスなテーマがしっかり描かれている。 主人公だけでなく、主要登場人物の全てにそれがあり、これまでのシリーズでは「その他の人々」といった背景画としてしか描かれなかった多数の人間達の全てにかけがえのない人生がある/あったのだという重厚な物語性を感じとることができる。 今作で重要なキャラクターとして登場する反乱軍の情報将校「キャシアン・アンドー」を演じるディエゴ・ルナを主人公として、スピンオフのさらなるスピンオフとなるドラマシリーズが製作されているが、今作で提示・確立された「持たざる者達の闘い」の描かれ方がさらに重厚になっていて素晴らしい完成度なので、今作を面白いと感じられた方にはおすすめしたい。 公開直前になって超大量の再撮影・編集が行われたらしく、予告篇で観たカットと本篇のそれが全然違っていて比較すると面白かったり、クレジットとしては脚本担当のトニー・ギルロイが本篇後半の実質的な監督まで担っていたといった裏話もあるけれど、作品の評価はあくまでも作品の内容だけでされるべきだと考えるので、製作現場はきっとプレッシャーで大変だったのだろうなぁという感想にとどめたい。 「スター・ウォーズ」シリーズの大ファンとしては、スピンオフやそのスピンオフといった派生作品も楽しく鑑賞しつつ、トラブル続きでなかなか進まない本篇的な映画作品の公開はいつになるのかな… というもやもやがずっと続いているけれど… https://filmarks.com/movies/61839/reviews/152617791

© 1998-2026 Shoji Taniguchi

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