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- ゴーストバスターズ / アフターライフ | Ghostbusters: Afterlife (2021)
4.0/5.0 80年代に大ヒットした2作の直接的な続篇ということで、旧シリーズの登場人物達からの世代交代と継承を脚本の軸にしつつ、初期2作の綺羅びやかなニューヨークからオクラホマ州の片田舎へ舞台を移してのコンパクトな物語になっている。 シリーズの特徴だったコメディタッチはかなり抑えめになっていて、良くも悪くも映画全体のトーンが旧シリーズから大きく変化している。 個人的には、脚本の現代的なアップデートは歓迎しつつも、このシリーズ特有の気楽なノリはしっかり残っていて欲しかったので、それを少しだけ寂しく感じた。 劇中に登場するゴースト達のVFXに関して、80年代の技術発展途上だった時代の質感をあえて再現しているところは、懐かしさもあいまってとても微笑ましかった。 旧シリーズを観たことがない若い世代には、そのオマージュの意味が伝わらず安っぽく見えてしまうかも? とも思ったけれど… キャリー・クーンやポール・ラッドといった大人役の俳優たちの役作りはもちろん良かったが、子役俳優たちの表情や佇まいがとても瑞々しく、ジュヴナイル映画的な輝きがあり、清々しい読後感が残る。 主演のマッケナ・グレイスは既に次代のスーパースターになりそうな存在感があり、そのお兄さん役のフィン・ウルフハードの憎めないナヨナヨ感も微笑ましく、どちらも間違いなく素晴らしい俳優だと感じた。 このシリーズのファン (自分もそのひとり) であればあるほど、旧シリーズの主役達やキャラクター達はいつ出てくるのだろうと期待しながら鑑賞することになると思うが、それにしっかり応えてくれる展開が終盤にあり、ファンにとってはメタ的な驚きもそこに加味されて、とても熱い演出だった。 何よりも、旧シリーズの監督を担ったアイヴァン・ライトマンが製作に関わった最後の作品 (遺作) であること、そしてその息子のジェイソン・ライトマンが先代の想いを受け継ぎ、かつ先代とは違うオリジナルな作風も組み込みながら、この続篇の監督を継承してくれたことが、ファンの自分にとってはしみじみと嬉しい。 世代を越えた継承が物語のテーマともリンクしているからこそ、その演出にも体重が乗り、良作になり得たのだろうと思う。 2024年に公開予定のシリーズ最新作では、今作のようなしんみりの繰り返しではなく良い意味での気楽で痛快な物語が戻ってくることを、楽しみに待ちたい。 https://filmarks.com/movies/82682/reviews/171344198
- アキラ | AKIRA (1988)
5.0/5.0 「大友克洋以前 / 以後」という言われ方もあるほどの偉人でもある漫画家の大友克洋が、自身の漫画作品をもとに製作したアニメーション映画。 自分にとっては、この映画の公開当時や漫画の連載当時に多大な影響を受けた大切な作品。 世界観やジャンルは20世紀後半に流行したサイバーパンクSFで、第三次世界大戦から数十年を経て復興しつつある日本の新首都「ネオ東京」を舞台に、健康優良不良少年である主人公達、反政府ゲリラ、軍人と軍隊、超能力の研究組織の研究員といった様々なキャラクター達の思惑が錯綜する。 未知の新型爆弾により (旧) 東京が一瞬にして壊滅する導入部分の衝撃が凄まじく、一気に引き込まれる。 アニメーション作品としての演出に関しては、歴史に残るレベルの画期的な見どころがいくつもある。 序盤における主人公達とその敵対チームのバイクチェイスとバトルにおけるテールランプの残像表現の、普遍的な斬新さ。 声優の声の収録を作画よりも先行し、それに作画を合わせるプレスコ方式をとることによって実現している、キャラクター達の演技の実在感。 アニメーションでありながら、実写映画のようにシーンごとに撮影レンズの切り替えがされているような構図の作り方。 いかにもSFといった電子的な楽曲ではなく、むしろ土着的な息遣いを感じる、芸能山城組が手掛けた劇伴。 作画枚数の膨大さとその緻密さにも驚かされるが、滑らかに動くかそうでないかといったレベルを遥かに超越した、人物達やモチーフの動きについての説得力と瑞々しさがある。 主人公達が乗りこなすバイクをはじめとするメカニックのデザインや、様々な彩度と色相が入り乱れつつシーン全体で絶妙なバランスでまとまっている色彩設計も、唯一無二といえるレベルの素晴らしさ。 大友監督は原作漫画の連載中にそれを一時中断してアニメ映画の製作に集中し、原作漫画については映画の公開後に連載再開し完結したという経緯もあって、映画版と漫画版ではおおもとの世界観や設定は同じものの、展開や結末についてはかなり違ったものになっている。 映画版を観賞するだけでも充分に価値ある体験ができながら、漫画版もあわせて読むことで、より深くこの作品の世界に浸ることができる。 日本国内にとどまらず世界中の映像製作に関わる人々に影響を及ぼしたという話も頷けるし、AKIRA以後の様々な映画やドラマにおいてそのオマージュだなと分かるシーンがあると、作品の本筋とはまた違った部分で、AKIRAに大きな影響を受けた人間のひとりとして楽しい気持ちになる。 小学生の時に初めて観賞して以来、既に何十回と観直したか分からないけれど、自分はこの先も繰り返しこの作品を観るのだろうと思う。 https://filmarks.com/movies/34781?mark_id=152637504
- 世界侵略: ロサンゼルス決戦 | Battle: Los Angeles (2011)
2.6/5.0 地球外生命体による世界各国の主要都市への侵略が突如同時に開始され、惑星規模の戦争が発生するという設定でありながら、タイトルにもあるように、ロサンゼルスを舞台とした戦闘に限定し徹底的に描くという、かなりシンプルかつストイックな構成の戦争SF映画。 製作者達が実現したかったであろうことは本篇を観れば明らかで、これは主人公達にとって敵対する存在として高度な科学力を持つ異星人というフィクショナルなモチーフを置きながら、米国の主要都市における米軍とその敵対存在との戦争状況、特に容赦ない市街戦を存分に描きたいという意図だったのだろう。 そしてその意図においては、VFXの品質の高さや臨場感あるカメラワークおよびアングルの切り取り方も含め成功しているように感じる。 脚本については脆さが目立つ部分が多いが、人物達の心情よりは戦争という状況そのものが作品の主役なのだと解釈すれば、細かい部分を気にし過ぎずおおらかな心持ちで観賞できるようにも思う。 米軍の存在やその戦争行為を正当化・礼賛 (プロパガンダ) する映画だという批判の声もあるようだが、それはおそらく製作者達の裏テーマとして存在していたのだろうと、自分も思う。 俳優達は主人公役を演じたアーロン・エッカートをはじめ皆好演しているが、何しろ導入的な前段はほとんどすっ飛ばして本篇のかなり冒頭段階から戦争状況が始まるので、鑑賞者としてはそれぞれのキャラクターの理解が追いつかない。 軍人達の衣装が (軍隊なので当たり前ではあるが) ほとんど一緒なこともあり、誰がどんな性格で何の役割だったっけと混乱してしまう人もいそう。 ディープな映画ファンからの評判は決して高くない映画のようだけれど、現代における戦争状況を擬似的に体験できる作品として観れば、その緊迫感・恐怖感・没入感を充分に味わえる作品になっているのではないかと感じた。 https://filmarks.com/movies/17899?mark_id=152619439
- ファイナル・インパクト | Mira (2022)
3.1/5.0 日本に住んでいると観られる機会があまり多くないロシア製作の映画で、流星群の衝突によって甚大なダメージを受ける地上の人々および主人公の女性と、宇宙ステーションで働いているその父を中心に描くディザスターパニック。 予告篇でも観られるシーンで、本篇全体を通して最も予算と時間がかけられたであろうと想像できる流星群の衝突シーンと、主人公が必死でその災禍から逃れる一連のシーンの緊迫感溢れる演出レベルがとても高く驚いた。 ワンカット長回し (風) で、息をつく間もないまま恐ろしい状況が連続し、その混沌に自分も投げ込まれたような没入感がある。 地上で生き延びようとする娘と宇宙から何とかサポートしようとする父の、遥かな距離を越えたやりとりの方法とその見せ方の演出には、SF的観点でなるほど面白いと思える部分はありながら、フィクショナルな映画とはいえそれはちょっと荒唐無稽過ぎではと感じてしまう部分も少なからずある。 ただ、科学技術的考証の正確さだけがこういった種類の映画に求められるものではないので、そのあたりの感じ方は鑑賞者それぞれの好みの問題かなとも思う。 脚本としては、単に派手で豪快な画づくりとテンションだけで乗り切るような内容ではなく、主人公および主要登場人物達の関係性の変化や心の葛藤の描き方など人間中心の物語になっていて、その展開に意外性は多くないながら、結末も含め納得感がある。 ハリウッドだけが映画の最高峰だった時代は過ぎて、今や様々な国の映画でダイナミックな画づくりや演出が観られるようになったことは自分にとって楽しく、このロシア製作の映画もVFXの品質やカット割の演出が素晴らしいと感じる部分が何箇所もあった。 映画を通してではあるけれど、自分にとってあまり馴染みのないロシアの現代風景を見られたことも楽しい体験だった。 社会情勢的に仕方がないこととはいえ、この先しばらくの間はロシアの最新映画を観る機会が減ってしまうのかな… https://filmarks.com/movies/114738?mark_id=178192606
- エクスペンダブルズ ニューブラッド | Expend4bles (2023)
1.7/5.0 往年の個性豊かなアクションスター達が集結し、ド派手で豪快なバトルを繰り広げる映画シリーズの第4作目。 シリーズの仕掛け人であるシルヴェスター・スタローンは今作にもチームのリーダー役で出演しているが助演の立ち位置に引いており、実質の主演はこれまでサブリーダー的な役を演じていたジェイソン・ステイサムに世代交代している。 このシリーズが作られたきっかけには、スタローンのようにかつて映画の世界で輝いていたスーパースター達が時代の変化や流行に取り残され、「消耗品 (Expendable)」 のような扱いをされたように感じたことへの憤りがあったという。 1作目を立ち上げ、主演と監督を兼任したスタローンは、なかば自虐の意味も込めてそれをタイトルや脚本上のチーム名にも取り入れ、自分達は老いてもまだまだこの業界で活躍できるのだと証明する映画を製作した。 その心意気がとても共感できるものだったからこそ、かつてアクションスターとして一斉を風靡したドルフ・ラングレン、ミッキー・ローク、アーノルド・シュワルツネッガー、ジェット・リー、チャック・ノリス、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ハリソン・フォード、そしてブルース・ウィリスといった超豪華な俳優達がレギュラーまたは特別ゲスト的に出演してきた。 そして、鑑賞者側もその映画の外側の背景やコンセプトを理解したうえで楽しめる、いうなれば祝祭的な側面があった。 シリーズを重ねる上での宿命なのかも知れないが、4作目となる今作では、そのコンセプトが大きくブレているように感じた。 ゲスト的な役柄でミーガン・フォックス、イコ・ウワイス、トニー・ジャーといったスター俳優が出演しておりそれぞれの見せ場もあるが、いずれの俳優も「Expendable」どころか現役で活躍できる世代だし、何よりそれぞれの俳優が持つ本来的な魅力と迫力が充分に伝わってこない。 これは単純に、今作の製作者達の脚本・演出・撮影・編集の力量の不足が、俳優達の格とのアンバランスになっているのだと思う。 俳優のことはさておいても、今作はアクション映画ならではの興奮を感じられるシーンがほとんどなく、退屈なテンポの凡庸な画づくりが続き、鑑賞前の期待値が高かった分だけ余計にガッカリしてしまった。 人物と背景の合成VFXが作品への没入感を削ぐレベルの雑さで気になったが、一方でミーガン・フォックスの肌は度を越したレタッチがかかっていてその違和感に笑ってしまうレベルで、全篇を通して感じる編集のちぐはぐな印象に、今作の製作者達の立場と軸の弱さを想像してしまい、何だか興ざめしてしまった。 脚本については、もともと1作目から雑で大味だと言われながらもそれが往年の映画を思い出させて良いという評価もあったが、今作に関しては大味というよりも無味に近い印象で、意外性や気の利いた展開もなく、その点も残念だった。 この映画シリーズに関しては、ド派手で痛快な面白さはもちろんのこと、製作に至った経緯やコンセプトにも個人的に大きく共感していたので、スタローンがこのシリーズの最後の出演作となると発言している今作では、有終の美を飾って欲しかった。 https://filmarks.com/movies/71775/reviews/177657409
- 首 | Kubi (2023)
3.5/5.0 羽柴秀吉・織田信長・徳川家康といった日本の歴史に大きく名を残す人物達を中心とした時代劇映画で、監督の北野武がかつて手掛けた「座頭市」がとても面白かったので、期待して観賞した。 「本能寺の変」という大きな事変をモチーフに、大名・武将・茶人・忍者から農民までが群雄割拠し、戦乱の世における様々な地位と立場の人間達の思惑と画策が入り乱れる。 史実とはいえ数百年もの過去ということもあり、美化や省略して語られることも少なくない戦国時代について、よくよく考えてみれば血で血を洗うような醜い争いがそこに間違いなくあったのだとあらためて突きつけられるような脚本だった。 人間の業・愚かさ・小ささ・そして哀しさといったものが、どの登場人物にも感情移入できない絶妙な距離感から描かれている。 残酷描写とコメディを同一線上に並べるまたは完全に同居させることで観賞者側に生まれる居心地の悪さも、おそらく監督の狙いなのだろう。 出演俳優は、日本を代表するレベルといって間違いないほど豪華な顔ぶれだが、脚本上でかなり重要な役回りを担う明智光秀を演じた西島秀俊については、外見から感じられる知的なオーラはともかく、演技が終始単調で機微に乏しく、映画全体の完成度を下げてしまっているように感じた。 反対に、学も分別も持ち合わせていないが野心だけは凄まじい農民を演じた中村獅童については、物語全体を通じて、人間が持ちうる狂気と悲哀を壮絶な演技で体現しており、その劇中での生き様を通して作品のテーマが見事に活写されていた。 単品の映画としては充分に楽しめたし、北野監督がこの作品を形にしたかった理由も分かり、他監督にはなかなかできないであろうダイナミックな演出や切れ味の鋭い演出もある。 が、それでも北野監督の他作品、とくに「ソナチネ」「HANA-BI」「BROTHER」等にあった神がかり的に美しい構図の画づくりはほとんど見られず、その点をとても寂しく感じた。 https://filmarks.com/movies/109365/reviews/177615797
- まったく同じ3人の他人 | Three Identical Strangers (2018)
4.4/5.0 アメリカで実際に起きた前代未聞の事件について、当事者や関係者達の証言と実際に記録として残る写真やビデオを組み合わせる形で語られていくドキュメンタリー作品。 ある男性がとあるきっかけで出会うことになる人物が自分にそっくりで、その仕草や癖はおろか生年月日までも一致していたというだけでも相当な驚きだが、なんとそのニュースを見て連絡してきたもう1人の男性もまた2人にそっくりで、実は3人とも生後すぐにそれぞれ違う家庭へ引き取られた養子だった… という、にわかには信じられないような導入。 3人の男性はその愛嬌あるキャラクターもあってテレビ番組等で脚光を浴び、映画にも出演し、共同経営をはじめたお店も人気を博すが、やがてその奇跡的な出会いと彼らの数奇な運命の裏には、おぞましい真実が潜んでいたことが分かってくる。 フィクションであっても恐怖を感じるような筋書きが、現実に実行されていたという事実の恐ろしさに圧倒されてしまった。 何といっても、このドキュメンタリーで語られることは全て当事者達の証言に基づく事実なのだという大前提がありながらも、それを提示する順序や構成・編集の巧みさや、当事者達の表情の変化や呼吸の捉え方に関する演出の見事さに驚かされる。 過剰に感情的なデコレートをするでもなく、淡々と突き放すでもなく、被写体や事実との絶妙な距離感が抑制的に保たれた演出が素晴らしい。 それでいて、製作者達が秘めた静かな怒りと巻き込まれた人々への寄り添いの姿勢が、事実という重量を背負った映像を通して強く伝わってくる。 人間の人生とは、遺伝子に基づいて先天的に運命づけられた行動と結果から逃れられないものなのか? それとも、後天的に与えられた環境や他者からの影響を受けながら、自分や自分達で作りあげていけるものなのか? 人生を侮辱され、翻弄された3人の男性の生き様を通して、人の命がいかに重いものであるか、それを軽率に扱うことがどれほど許しがたい悪行であるかが確かに描かれていた、秀逸なドキュメンタリー映画だった。 https://filmarks.com/movies/80311/reviews/176771843
- ザ・フラッシュ | The Flash (2023)
4.0/5.0 DC映画シリーズのひとつで、同シリーズのヒーローのひとり、超高速で移動できるフラッシュを主人公とする作品。 不幸な事件に巻き込まれた両親を救い出すため、超高速の先にある光速を越えることで時間を自由に行き来する能力を得たフラッシュが、過去へ戻って奮闘する。 劇中でも登場人物達の台詞で出てくる通り、名作タイムトラベルSFの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に近しい設定ながら、DCの過去作品で描かれた事件や重要な登場人物が登場し、物語にも大きく関わってくるため、DC映画作品を全て鑑賞してきた自分にとってはとても面白く感じられた。 (DCファンであればあるほど驚くであろうキャラクター達が登場するが、ここには書かない) 主演のエズラ・ミラーは、過去の自分と未来からきた自分を演じ分けており、同一人物ながら辿ってきた道が違うゆえに性格に差が出るといった部分の演じ分けがすごく上手で、稀有な才能を持つ素晴らしい俳優のひとりだと再確認した。 DCヒーローの中ではかなり軽薄でふざけたキャラの役割を担ってきたフラッシュにも、他のヒーロー達に混じったアンサンブルの中ではなかなか見えない様々な感情と表情があることを見ることができて、スーパーヒーローと悪役が派手に闘うだけではない演出の繊細さが確かにある。 終盤において主人公がある辛い決断をする時の表情や、そのシーンの優しく哀しい描かれ方の演出には感動した。 エズラ・ミラーは私生活が乱れまくっていてキャリアにも少なからず影響が出てしまっているようで、すごくもったいない。 完璧で品行方正な人間である必要はないと思うけれど、そのキャリアに自ら傷をつけるようなことはせず、これからもますます活躍してほしい。 映画作品の根幹部分の評価とは分けて見るべきとは思うけれど、実写と区別がつかないほどのあらゆるリアルな映像がVFXで作れるようになったともいえる昨今にしては、えっと思うほどVFXの精度が低いシーンが全篇を通して多くあり、どうしてこうなったんだろうと単純に疑問に思ってしまった。 時間が十分になかったのか、予算が尽きてしまったのか、その両方か… 観客の目が肥えてしまった時代における製作者達側の苦労を想像してしまった。 https://filmarks.com/movies/92454/reviews/158325759
- ブルービートル | Blue Beetle (2023)
3.9/5.0 DC映画シリーズの一篇ではあるが、シリーズとしての連続性や他作品との関連性はほとんどなく、事前の基礎知識習得も必要なく楽しめる。 少し独特な単発のヒーローアクション映画として観れば、しっかり面白い。 演出部分では、日本の戦隊ヒーロー的なアクションやポージングを参照したのかなと思わせる主人公のキメのダサカッコ良さがあったり、決してスマートではないが仲良しな家族達がわちゃわちゃしていてコミカルなところがあったりで、色々な表情と愛嬌がある。 DCの映画シリーズはジェームズ・ガンの指揮のもとリセット・再構築されることになったが、このブルービートルは再構築後にも続投する予定とのことで、物語がどう連続するのか、もしくは連続しないのか、主役以外の愛らしい脇役達の扱いはどうなるのか等も含めて気になる。 https://filmarks.com/movies/101381/reviews/165180597
- アクアマン / 失われた王国 | Aquaman and the Lost Kingdom (2023)
3.8/5.0 シリーズ1作目で爆発的なまでに発揮されていたジェームズ・ワン監督の外連味あるカメラワークの演出センスはやや抑えめに感じられたものの、この2作目も単品映画として観ればとても完成度の高い映画だった。 大スケールな世界観の広がりとその大胆な描き方は健在で、楽曲や劇伴の使い方もオーソドックスながら気が利いていて楽しい。 前作で主人公と敵対したキャラクターが仲間に、しかも主人公の相棒的な存在にまでなって、ギクシャクしながらも共闘するという少年漫画的な展開も、俳優たちの好演もあってとっても楽しく感じられるものだった。 コミックを原作とするDCやMARVEL映画+ドラマのシリーズは、今や映画業界のメインストリームとして確固たる地位を確立しながらも、他作品との関連性の強さに良い点とそうでない点があり、肯定派と否定派の議論の熱が高まるばかりだけれど、自分はどちらの派閥にも属していないし、またどちらの派閥の話にも共感できる部分がある。 シリーズの関連性が高ければ高いほど、その世界への興味が持続しさえすればどんどんと関連作品を楽しむことができるけれど、その分ディープなファンではない鑑賞者にとっては理解が難しいモチーフやエピソードも増えてきて、単品としての没入感が弱くなってしまう。 ファンがどんどん増えてより多くの人々の間で映画の話ができることが当然の理想なのに、新規ファンにとってのハードルが高くなることは良いことではないし、ましてやコミック原作の映画シリーズが (また) 一部のディープなファン以外に楽しめないものになってしまうことは、誰も望んでいないはず。 個人的な考えとしては、シリーズの関連性が高くともついていける (いちおうDCシリーズを全部鑑賞しているので) けれど、何でもかんでも関連してくれなくとも構わないという思いがある。 この作品のように、他のDCシリーズと世界観を共有しながら物語としてはほとんど関連していないほぼ独立的な作品でも、充分に楽しい映画体験ができるので。 また、映画やドラマを観ている時はそのフィクショナルな世界に没入したいので、そういったリアルな世界の議論や出演者の私生活に関するいざこざの情報もなるべく欲しくないと思っている。 その意味で、この作品においてけっこう重要なポジションの配役を担っていたアンバー・ハードが私生活で大揉めだったために出演シーンが削られたとか、DCの映画シリーズがこの作品をもっていったんリセットされるとか、そういうノイジーな情報が事前にないコンディションでこの作品を鑑賞したかったなと残念な気持ちになった。 アンバー・ハードは個人的にファンだったこともあり、アンバーの出演シーンになるたびその醜聞が頭をよぎって現実に引き戻されてしまったところが残念だった。 素晴らしい俳優のひとりだと思っているので、またスクリーンで輝いて欲しい。 https://filmarks.com/movies/94989/reviews/170062399









